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地方財政ダッシュボード

奈良県生駒市の財政状況(2022年度)

🏠生駒市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

令和4年度は前年度と比較して、基準財政収入額は個人市民税や地方消費税交付金等の増により全体として増額となったものの、臨時経済対策費等、基準財政需要額において大幅な増額となり、単年度の指数は0.74と前年度と比較して0.01ポイント減少し、3か年平均においても0.77と前年度と比べて減少となった。今後も市税収入のみならず、収入の確保に努め、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和4年度は前年度と比較して、歳出(経常経費充当一般財源)は、定年退職者の減により退職手当が減少したものの、原油高や物価高騰の影響もあり物件費が増加することにより全体として約4.4億円の増となった。一方、歳入(経常一般財源+臨時財政対策債)は、地方消費税交付金や地方交付税等が増となったものの、臨時財政対策債の大幅な減により全体として約11.4億円の減少となった。その結果、経常収支比率は前年度より5.7ポイント上昇し、90.1%となった。コロナ禍以前においては経常収支比率は年々上昇傾向にあったため、今後も経常経費の縮減を念頭においた手堅い財政運営が必要である。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

南北に細長い地勢的要因による各種施設数の多さに起因する人件費や、施設の維持管理費用をはじめとする物件費の割合が高いことに加え、物価高騰等の影響もあり、増加が続いている状況である。引き続き、定員適正化計画に則った適正な職員配置による人件費の抑制や、事務事業の見直し等による物件費の抑制を図る必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

令和4年4月1日現在のラスパイレス指数は100.6となったが、これは人事評価制度等を活用した積極的な若手の登用や、継続して職員の新規採用を行っていること等により給料月額が国と比べて高くなっている層があるためで、引き続き、給与体系等の見直しを進めつつ、適正な人事配置と行政効率の高い組織づくりを進めていく必要がある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

南北に細長い地勢的要因から、消防職員の配置が他の自治体に比べ多い状況であることや、子育て世代に対する環境整備にも重点を置いていることから市内に公立幼稚園を多数設置しているなどの特徴があるが、類団平均とほぼ同水準となっている。今後の市政運営も踏まえて、将来にわたり市民の要請に応えていく行政サービスを提供するために必要となる適正な職員配置に努めるため、計画的な職員の採用を進めていく必要がある。

実質公債費比率の分析欄

令和4年度は前年度と比較して、標準財政規模が減少したものの、一般会計等の元利償還金、準元利償還金等が微増に留まり、単年度の比率が前年度から微増となったものの、3か年平均においては生駒北学校給食センター整備運営事業等の影響により比較的高い数値となっていた令和元年度が算定対象から外れたことにより前年度3.9%から2.3%に1.6ポイント改善した。次年度以降も引き続き、過度に市債に依存することのない健全な財政運営を行っていきたい。

将来負担比率の分析欄

令和4年度は前年度と比較して、将来負担額において一般会計等の地方債現在高や公営企業債の償還に充てる繰出見込額等が減少するとともに、充当可能基金残高の増加等により充当可能財源等も増加し、黒字の比率は17.9ポイント上昇した。将来負担比率がないことは平成19年度から変わりないが、今後においても将来負担の大きな要因となる地方債残高の縮減等に取り組み続けることで、財政の健全化に努めたい。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

南北に細長い市形に起因し、各種公共施設を多く設置していることから人件費に係るものは類似団体平均と比較して高い水準にある。令和4年度は前年度と比較して、定年退職者数の減による退職手当の減少等により2ポイント低下した。今後においても人員の適正配置等により、人件費の抑制に努める必要がある。

物件費の分析欄

人件費同様、南北に細長い市形であり、各種公共施設を多く有していることから、施設の維持管理費用等により、例年、類似団体平均を上回っている。さらに令和4年度においては原油高、物価高の影響により、給食材料経費や、施設管理費が増加したことなどが原因で前年度よりも数値が上昇した。経常的な経費は今後も上昇していくと考えられるため、施設配置や事務事業の見直しによって縮減を図る必要がある。

扶助費の分析欄

困窮者支援体制の強化などにより、本市における生活保護受給者数が減少していることから類似団体を下回っていると考えられる。令和4年度においては、障害福祉サービス費等の増により前年度より1.1ポイント増加しており、今後も社会福祉費全体として増加傾向は続いていくものと予想されるため、財政を過度に圧迫することがないよう福祉政策の見直し等を検討していく必要がある。

その他の分析欄

令和4年度においては、物価高等の影響による施設やインフラの維持補修費の増があったほか、後期高齢者医療特別会計や介護保険特別会計などへの繰出金の増によって数値が上昇した。高齢化に伴う社会保障経費の増加は、今後さらに進行していくため、健康寿命の延伸に向けた取組みが重要となる。

補助費等の分析欄

令和2年度から地方公営企業法を適用した下水道事業会計補助や高齢者交通費等助成の影響で増加したものの、本市は一部事務組合や各種団体に対する支出が少ないことから、例年、類似団体平均を下回っているものと考えられる。また、補助金の見直しも行っており、今後も引き続き廃止や適正化に向けた取り組みの継続が必要である。

公債費の分析欄

平成24年度までは類似団体平均を上回っていたが、繰上償還等の実施により、平成25年度は類似団体平均値となり、平成26年度以降においては、類似団体平均を下回っている。今後も新規発行債の精査を行い、元利償還金の増加抑制に努める必要がある。

公債費以外の分析欄

令和3年度は、新型コロナウイルス感染症に係る臨時交付金等の影響によって経常経費充当一般財源が減少し、経常収支比率が低下した。令和4年度についてはこれらの影響が低減したことに加え、臨時財政対策債の大幅な減により経常一般財源が減少したことから、退職手当の減があった人件費以外の各性質で割合が増加した。今後においても行財政改革や事務事業の見直し等を進めて、経常経費の削減に努める必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

前年度と比較すると、議会費は人件費に要する費用が高いことから、議員数や事務局職員配置に関わって減少したものである。民生費は物価高騰に対応するために価格高騰緊急支援給付事業を実施するなどの増があったものの、新型コロナウイルス感染症関連事業として実施した非課税世帯臨時特別給付金や子育て特別給付金の大幅な減により前年度より減少した。衛生費は清掃センター基幹的設備改良事業や健康センター整備事業などの普通建設事業の実施による増があったものの、医療体制整備補助事業や新型コロナウイルスワクチン接種事業の大幅な減により前年度より減少した。商工費においては、物価高騰対策給付事業の実施による増があったものの、コロナ関連事業として事業者に対して実施した営業時間短縮協力支援事業などが終了したことによる大幅な減によって前年度より減少した。土木費においては、鉄道駅施設のバリアフリー整備事業や、コミュニティバスなどを含めた地域公共交通活性化事業の増により前年度より増加した。全体としては、物価高騰対策事業などの実施による増が見られるものの、コロナ関連事業が縮小したことによる減が大きく、前年度よりも減少となった。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

令和4年度は前年度と比較して扶助費が大幅に減少しているが、これは住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金や子育て世帯臨時特別給付金といった新型コロナウイルス感染症対策に係る給付金等の減によるものである。また、補助費等においても同様に、新型コロナウイルス感染症医療体制整備事業や営業時間短縮協力支援事業、ワクチン接種事業などに係る費用の減によって大幅に減少した。普通建設事業費においては清掃センター基幹的設備改良事業や学校給食センター整備事業費などの大規模事業を実施したことにより前年度より数値が上昇した。計画的に大規模事業を実施することにより、維持補修費についても比較的節減できているものと考えられるが、市制施行後50年を超え、老朽化が急速に進行している公共施設も多くあることから、複合化などを踏まえた今後のあり方を検討していく必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

令和4年度は歳出において住民税非課税世帯に対する価格高騰緊急支援給付金などの実施によって増加したものの、新型コロナワクチン接種事業費等が大幅に減少した。歳入においては、地方交付税等が増となったものの、新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫支出金等が大幅に減となった。これらにより、実質的な黒字額は前年度31.8億円から19.7億円に減少し、実質単年度収支は-12.1億円となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

水道事業会計については、電気料金高騰に伴う動力費の増や災害対策等の建設改良事業費の増があったため、黒字比率は前年度より低下した。病院事業会計については、新型コロナウイルス感染症重点医療機関体制整備事業(病床確保)に係る国庫支出金が減となったことから、黒字比率は前年度より低下した。介護保険特別会計については、国庫支出金や一般会計繰入金の増があったものの、介護サービス等給付費や交付金返還の増などがあり黒字比率は前年度より低下した。全会計の黒字比率は32.20%から24.25%に低下したものの、連結実質赤字比率がないことについては平成19年度から変わりない。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は前年度と比較して、一般会計等の元利償還金、準元利償還金等が微増、特定財源が微減となったため、比率の分子は増となった。そのため、単年度の比率は前年度から微増となったものの、3か年平均においては生駒北学校給食センター整備運営事業等の影響により比較的高い数値となっていた令和元年度が算定対象から外れたことにより前年度3.9%から2.3%に1.6ポイント改善した。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は前年度と比較して、一般会計等の地方債現在高や、公営企業債の元金償還に充てる一般会計等からの繰入見込額が減少するとともに、充当可能基金残高の増加などにより充当可能財源等も増加し、黒字の比率は17.9ポイント上昇した。なお、将来負担比率がないことは平成19年度から変わりない。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)令和4年度については、減債基金の積立額が繰入額を上回ったことによる増、職員退職給与基金を取り崩していないことの増、公共施設等総合管理基金へ令和3年度決算剰余金の一部を積み立てたことによる増、こども未来基金を創設し、決算剰余金の一部を積み立てたことなどの要因により増加した。(今後の方針)社会保障関係費の増加等に伴い、年々財政状況も厳しくなっており、目的に合った効果的な基金の活用を進めていく。

財政調整基金

(増減理由)基金利子分を積み立てたため増加した。(今後の方針)不測の事態に備えて、財政調整基金の残高は標準財政規模の1割程度を保持していく。

減債基金

(増減理由)決算剰余金の一部を積み立てたため増加した。(今後の方針)臨時財政対策債等の償還などを予定し、取り崩し額が近年の平均よりも増加する見込みであるため、繰入に過度に依存しない計画的な財政運営をより一層意識して行う必要がある。

その他特定目的基金

(基金の使途)・職員退職給与基金:職員の退職金に充当するため。・北地域整備促進基金:北部地域の整備に必要な資金を確保し、当該北部地域の計画的なまちづくりを促進するため。・公共施設等総合管理基金:公共施設等の更新・改築・修繕及び除却に必要な資金に充てるため。・公共施設整備基金:公共施設の整備事業資金に充てるため。・こども未来基金:子育てしやすい環境づくりの推進や教育環境の整備に充てるため。(増減理由)・職員退職給与基金:取り崩しを行わず、予定していた積み立てを行ったことで増加した。・北部地域整備促進基金:市北部地域のまちづくり事業に充てるため取り崩しを行った。・公共施設等総合管理基金:今後の公共施設の更新等に対応できるよう決算剰余金の一部の積み立てを行ったことで増加した。・こども未来基金:基金を新たに創設したため。(今後の方針)・公共施設等総合管理基金:公共施設の老朽化が進行していることから、今後、大規模改修等に多額の費用が必要となることが予想されるため、補助金や地方債も活用し、基金からの過度な繰り入れとならないよう調整を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市は昭和50年代から急速に開発が進んだため、公共施設においては建設から40年以上経過している建物も多く、老朽化が進行している。有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っており、年々その差が大きくなっていることから、今後より一層、統廃合を含めた施設のあり方の検討を進めていくことが重要である。

債務償還比率の分析欄

類似団体平均より低く、債務償還能力は比較的高いと考える。今後、老朽化が進行している施設の改修等に多額の費用を要することが予想されるが、将来世代へ過度な負担とならないよう、計画的な借り入れを行う。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成19年度以降将来負担比率は「-」であり良好であるものの、有形固定資産減価償却率は緩やかに上昇し続けており、類似団体平均と比較しても上昇傾向が高くなっている。本市の公共施設においては、計画的な改修等により安全性については適切に管理されているものの、建設から40年以上が経過している建物も多いことから、今後においては過度な将来負担が生じない健全な財政運営を維持しつつ、建て替えや統廃合の検討をさらに進めていくことが重要である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和4年度は前年度と比較して、標準財政規模が減少したものの、一般会計等の元利償還金、準元利償還金等が微増に留まり、単年度の比率が前年度から微増となったものの、3ヶ年平均においては令和元年度の数値が算定対象から外れたことにより前年度3.9%から2.3%に1.6ポイント改善した。これまでと同様に新規に起債する場合は、十分に必要性や将来に負担を残さないよう厳選して借り入れを行う。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

すべての施設類型において、有形固定資産減価償却率が前年度より比率が上昇し、学校施設以外は類似団体平均も上回っている状況である。【道路】は0.4%、【橋梁・トンネル】は8.6%、【公営住宅】は3.5%、類似団体平均より有形固定資産減価償却率が下回っている。近年、国庫補助金の内示率減少に伴い、計画調整しながらの事業執行となっていることが原因の一つと考えられる。優先度の高いものから、長寿命化を実施する。【認定こども園・幼稚園・保育所】は1.0%、類似団体平均より有形固定資産減価償却率が下回っている。市制施行後の急激な人口増加に併せて整備したことから、老朽化が進んでいる。年少人口の推移と幼稚園・保育ニーズを?極めながら、こども園化や?営化を含めて今後のあり方を検討する。【児童館】は34.2%、類似団体平均より有形固定資産減価償却率が下回っている。建設から30年以上が経過し、老朽化が進行している。他施設との複合化も視野に調整を行いつつ、それまでの間、適正に維持管理を行う。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【図書館】は19.8%、類似団体平均より有形固定資産減価償却率が下回っている。一人当たり面積は広いものの、地域の文化を支える機関として重要な施設であり、公共施設マネジメント推進計画期間内は面積を維持するため、日常点検を行い、必要に応じ修繕等を実施し、適切に維持管理を行う。【体育館・プール】は2.3%、類似団体平均より有形固定資産減価償却率が下回っている。多くの施設で老朽化が進行しているため、あり方を検討する必要があるが、市民の健康づくり・生きがいづくりという面から重要な施設であるため、より効果的で利便性の高い施設となるよう、更新・集約化を含めて検討を行う。それまでは、改修や更新は実施せず、利用者が安全に施設を使用できるよう修繕を行う。【一般廃棄物処理施設】は13.6%、類似団体平均より有形固定資産減価償却率が下回っている。しかし、現在事業実施中の清掃センター基幹的設備改良事業完了後、数値は一定改善する予定である。【庁舎】は15.9%、類似団体平均より有形固定資産減価償却率が下回っている。建設から30年以上が経過し、老朽化が進行している。災害時には対策本部が設置され平常時の市民の出入りも多いことから、日常点検を行い、必要に応じ修繕等を実施し、適切に維持管理を行う。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

令和4年度は前年度と比較して資産減少となっているが、主な要因としては有形固定資産における減価償却費約21.7億円によるものである。全体においては下水道事業会計の地方債償還が進んだことにより負債総額が減少した。資産総額は水道事業会計等が保有する土地や建物などを計上していることにより、一般会計等より約551.8億円多くなっている。連結においては、メディカルセンター等が保有する建物や備品を計上していることにより、資産総額が約565.4億円多くなっている。一般会計等において今までに約1,672.0億円の資産を形成しており、そのうち純資産の約1,440.9億円についてはこれまでの世代で支払いが済んでおり、負債の約231.1億円については、これからの世代で負担していくこととなる。現時点ではこの負債額の多寡について他市と比較した評価はできていないが、将来世代に対する負担を大きく増やさないように、投資的事業の必要性を十分精査していくことが重要である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

純行政コストの総額から、便益の対価としての経常収益及び臨時利益を差し引いた純行政コストは約388.3億円で、前年度より約20.2億円減少している。主な要因として、子育て世帯への臨時特別給付金支給経費の減少など、補助金等が約27.3億円減少したことによるものである。これらのコストは、現在の世代が便益を受けることで発生しているもので、返済の必要のない市税や国県の補助金など現役世代の負担で賄われることが理想であることから、今後も特定財源の活用や市税の徴収率の上昇など、財源の確保に努めていくことが必要である。全体では、一般会計等と比較して、水道事業会計や下水道事業会計の使用料及び手数料を計上していることにより経常収益が約31.0億円多いが、介護保険特別会計や国民健康保健特別会計の負担金を補助金等に計上していることから、経常費用が約239.6億円多くなっており、結果として純行政コストは約210.3億円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて連結対象企業等の収益を計上していることから、経常収益が約44.9億円多くなっている。一方で経常費用は人件費等を計上していることから約388.7億円多くなっており、純行政コストは約345.5億円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においての純行政コスト約388.3億円は、地方交付税などの税収等約263.9億円や国県等補助金約120.5億円で賄っているが、約3.9億円ほど足りていない状態である。ただし、この不足には過去の蓄積からのサービス提供と考えることができる減価償却費約53.6億円が含まれているため、これを考慮すると約49.7億円のプラスとなり、将来世代への負担には繋がっていない。また、前年度と比べて純資産変動額が減少しているが、これは子育て世帯への臨時特別給付金給付事業費補助金や障害者総合支援事業補助金の影響により国県等補助金が約25.0億円減少していることによるものである。上記のような増減により、本年度末純資産残高は約0.8億円減少し約1,440.9億円となる。この純資産残高は本市の標準財政規模245.0億円を大きく超える金額であり、当面の間は本年度差額程度のマイナスが続いても健全な範囲と言える。全体では、国民健康保険特別会計などの税収等が含まれることから、一般会計等と比べて税収等が約83.9億円多く、純資産残高は194.7億円増加となった。連結では、後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が約155.7億円多くなっており、純資産残高は約203.0億円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支(支払利息支出を除く)と投資活動収支(基金積立金支出及び基金取崩収入を除く)の合計である基礎的財政収支は、前年度より約2.7億円減少し約30.5億円となった。主な要因として、業務活動収支が微増となったものの、投資活動収支が減少したことによるものである。全体では、一般会計等と比べて、水道事業会計等の使用料及び手数料や介護保険特別会計等の税収等収入などを計上していることから、業務活動収支が約9.9億円多くなっている。投資活動収支では水道事業会計等の老朽配管の改修費用などを計上していることから約10.6億円、財務活動収支では下水道事業会計の地方債償還支出を計上していることから約13.6億円、それぞれ一般会計等より少なくなっている連結では、一般会計等と比べて、奈良県後期高齢者医療広域連合等の収支を計上していることにより、業務活動収支が約18.6億円多くなっているが、投資活動収支が約11.3億円、財務活動収支が約21.8億円少なくなっている。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

資産総額は前年度から減少したものの、住民一人当たり資産額は類似団体平均を上回っている。しかし、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っていることから、公共施設の老朽化が進行しており、今後数十年の間に改修費用に多額の費用を要することが予想される。公共施設の統廃合など、適正管理を進め、コストを削減していくことが重要である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

本市は純資産比率及び将来世代負担比率において、類似団体平均よりも良好な数値となっている。これは、起債を厳選し、交付税算入のある地方債を優先して借り入れているため、負債総額が抑えられていることが主な要因である。今後も将来の負担の増大に繋がらないように、地方債の精査に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

本市の住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っているが、純行政コストは約388.3億円で、前年度より約20.2億円減少している。これは子育て世帯への臨時特別給付金支給経費の減少など、補助金等が約27.3億円減少したことによるものである。これらのコストは、現在の世代が便益を受けることで発生しているもので、返済の必要のない市税や国県の補助金など現役世代の負担で賄われることが理想である。しかし、経常的な収入は大きく増加することがないため、支出について今後も行政改革等を進めて経常費用の精査に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

本市は住民一人当たり負債額が類似団体平均を大きく下回っている。これは起債を厳選し、交付税算入のある地方債を優先して借り入れているため、負債総額が抑えられていることが主な要因である。今後も将来負担の増大に繋がらないように、地方債の精査に努止める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は前年度から0.1%減少し、類似団体平均値より0.3%下回った。これは、子育て世帯への臨時特別給付金支給経費の減少など、補助金等をはじめとする経常費用が減少したものの、諸収入等の経常収益の減少が上回ったためである。今後も公共施設の適正管理を行い、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,