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地方財政ダッシュボード

長野県松本市の財政状況(2020年度)

🏠松本市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

平成28年度から緩やかな増加傾向で推移しているが、令和元年度は、個人市民税や固定資産税の増加などに伴う基準財政収入額の増、合併算定替えから一本算定への段階的な移行や臨時財政対策債への振替により基準財政需要額が増となっていることなどから、前年度から0.1ポイント増となった。今後も、市税などの歳入確保及び歳出の見直しに努め、財政基盤の強化を図り、特に、歳出の見直しについては、事業単位で必要性を見極め、事業の廃止に努める。

経常収支比率の分析欄

前年度と比べ、3.2ポイント増加し、87.4%となっている。物件費としていた会計年度任用職員の報酬を人件費としたこと、後期高齢者医療特別会計及び介護保険特別会計への繰出金が増加したことが主な要因として挙げられる。一般会計における市債発行額を、元金償還額の範囲内に抑える取組みにより、公債費の削減を図っており、類似団体平均を下回っている。今後は大型事業が本格化するため、財源確保のため、交付税措置等の有利な起債を発行していくが、引き続き経費削減の取組みを継続し、財政の弾力性の維持に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和2年度においては、7,056円の増となっている。主な要因としては、物件費における、私会計としていた学校給食費会計を一般会計に組み込んだことにより約10億円の経費の増が挙げられる。また、人件費については、物件費としていた会計年度任用職員の報酬を人件費としたこと、退職者の増により退職給が増となったため、人件費は増となった。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、将来を見据えた公共施設の総量見直しと最適化を進めていくため、物件費の増が見込まれるが、適正な施設管理を行う等、コスト削減を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度比0.1ポイント増加した。また、類似団体との比較では平均を下回り、全国市平均と比較しても、ほぼ同水準となっている。今後も、人事院勧告にによる国の給与改定等を踏まえ、適切な給与水準の維持に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

中核市移行(令和3年4月1日)に伴う一般職及び獣医師等の専門職の増員、待機児童対策及び保育環境の充実に向けた保育士の増員等により、前年度と比較して0.17ポイント増加となっている。今後も、中核市移行による職員増が見込まれるが、県からの移譲事務の状況や新型コロナウイルス関連対応による事務量の増加等も勘案しながら、適正かつ柔軟な職員配置に努める。

実質公債費比率の分析欄

令和2年度は、元利償還金の減少(約2億6千万円)や公営企業債準元利償還金の減少(1億8千万円)により、実質負担額が約4億4千万円減少した。また、地方消費税交付金が前年度に比べ大きく増となっており、標準税収入額等が約18億円増加した。これらのこと(分子の減、分母の増)から、単年度の実質公債費比率は減となった。3カ年平均では、単年で数値の高かった平成29年度が算出から外れ、0.5ポイントと大きく減となった。類似団体平均を上回ってはいるものの、数値は減少傾向にある。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、平成25年度以降、該当なしとなっている。令和2年度は、将来負担額が約29億円減少しており、主な減要因は地方債残高の減少(約5億円)、公営企業会計における地方債元金償還に充てる繰入見込額の減少(約18億円)が挙げられる。地方債残高の減少は、市債発行額を元金償還の範囲内とする取組みの成果と言える。また、公営企業会計における地方債元金償還に充てる繰入見込額の減少は、主に下水道事業会計分の減少が大きく(約14億円)、年々減少している。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

中核市移行への準備などによる職員数の増により職員給が増となったこと、物件費としていた会計年度任用職員の報酬を人件費としたこと、退職者の増によって退職手当が増加したため、前年度から2.9ポイント増の26.2%となった。今後は保健所等の必要な人員は確保しつつ、指定管理者制度の移行による業務の委託化に努める。

物件費の分析欄

懸案事項であった松くい虫対策として樹幹注入を実施たことや、上高地管理用道路の設計委託料の増等により前年比0.3ポイント増の13.3%となった。適切に財源等を確保していき、経費節減に努めたい。

扶助費の分析欄

前年度と比較して0.1ポイント減の9.6%となった。福祉医療費給付事業費の減によるところが大きい。今後も、少子高齢化が進み、扶助費の上昇は避けがたい情勢であるが、適正水準の維持に努める。

その他の分析欄

その他の経常収支比率は、前年度から0.3ポイント増加し12.0%であり、類似団体との比較では引き続き平均を下回り、上位にあると言える。令和2年度においては、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計への繰出金が増加したことにより数値は上昇となった。公営事業会計においても財政基盤の健全化を進め、普通会計からの負担が過度とならないよう努めていく。

補助費等の分析欄

前年度と比較して、微増の0.1ポイント増の11.1%となった。経年では減少傾向にあり、これは補助金・負担金の見直しに取り組んできた成果によるものである。新型コロナウイルス感染症拡大による対応分を除いた平常分の対象事業の精査を進め、適正な支出に努める。

公債費の分析欄

前年度と比較して0.3ポイントの減となり、経年でも減少傾向にある。これは、一般会計の市債発行額を元金償還額の範囲内に抑える取組みにより市債残高が減少していることによるものである。今後は大型事業が本格化するため、必要に応じて交付税措置等の有利な起債を発行する場合もあるが、引き続き市債残高の減少に努め、公債費負担の軽減に努める。

公債費以外の分析欄

前年度と比較しては3.5ポイント上昇し72.2%となった。類似団体との比較では引き続き平均を下回り、上位にある。会計年度任用職員の報酬を臨時的経費から経常経費に移行したことが大きな要因である。人件費は中核市移行により増加したうえで高止まりする見込みであり、扶助費も年々増加する傾向にあるため、今後も経常経費縮減の取組みを継続し、健全財政の維持に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は特別定額給付金事業を令和2年度に実施したため増となった。商工費は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業として、中小企業金融対策事業を拡充したことにより大幅な増となった。教育費の増は小中学校の空調設備整備事業費によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり386,683円となっており、前年度と比較し21,443円の増となった。人件費は令和3.4.1付け中核市への移行準備等で職員が増加したこと、退職者が増えたことが大きい。会計年度任用職員の報酬を物件費から人件費へ移行したが、逆に物件費は減っているため、全体を見たときにこの影響はないと言える。補助費は特別定額給付金事業により増、貸付金は中小企業金融対策事業による増であり、いずれも新型コロナウイルス感染拡大への対応分である。少子高齢化を背景に、扶助費は年々増加しており、今後も増加していくことが予想される。普通建設事業においては小中学校の空調設備を整備したことによる増の影響が大きかった。今後も事業の集中と選択により、真に必要な事業を財源を確保しながら進め、健全財政の維持に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

実質収支比率は前年度と比べて1.18ポイントの増、財政調整基金残高については前年度と比べて0.56ポイントの増となっている。災害や新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策や、突発的な感染症対策への備えとして一定程度の残額を確保しつつ、適宜活用を図っていく。実質単年度収支は、前年度と比べて増加している。今後も、税収の確保及び経費削減に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

全会計で黒字とが続いていたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、市街地駐車場事業特別会計で実質収支がマイナスとなり、指標がマイナスとなった。それ以外については、各事業において、経営戦略等に基づき、短期的な収支のみならず、中期的な視野を持って健全な運営を続けているため、黒字が続いている。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金は減少傾向にあり、また、下水道事業債の償還が進み、公営企業債の元利償還金に対する繰入金も減少傾向にある。一方で、算入公債費等は、災害復旧費等に係る基準材需要額の減等により減少したが、上記の元利償還金等の減少額の方が大きいことから、分子全体の数値が減少している。実質公債費比率の分子は年々減少傾向にあり、平成18年度から行っている、市債発行額を元金償還額の範囲内に抑える取組みの成果によるものと言える。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

平成25年度以降、将来負担額を充当可能財源が上回り、将来負担比率は数値なしとなっている。また、その差額は年々大きくなっていたが、令和2年度では、対前年度で差額に大きな変化はなかった。これは、充当可能財源等のうち、公共施設の建設・改修に基金を充当したため、充当可能基金が大きく減少したことによる。しかし、市債発行額を元金償還額の範囲内に抑える取組みにより市債残高が減少していることや、充当可能財源等が将来負担額を大きく上回っていることから、将来負担比率は数値なしの状況が続く見込みである。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)・前年度決算剰余金の1/2を積み立てたこと等により財政調整基金が7億円の増となったほか、新しく「新型コロナウイルス金融対策基金」(4億4千万円)を造成した一方で、スポーツ施設改修事業の財源として「スポーツ施設整備基金」を12億円、基幹博物館整備事業の財源として「芸術文化振興金」を3億3千万円、地域振興の推進を図る事業の財源として「地域振興基金」を2億3千万円取り崩したこと等により、基金全体では6億8千万円の減となった。(今後の方針)・災害時の備えとして、財政調整基金及び減債基金合計で120億円程度の額を確保しつつ、今後予定している大型建設事業や、計画的な施設の更新に備えて、各特定目的基金への積増しを行いながら、適宜活用を図っていく。

財政調整基金

(増減理由)・財源不足への補てんとして2億円を取り崩した一方で、決算剰余金の1/2(8億9千万円)を積み立てたことにより増加(今後の方針)・災害への備えとして一定額を確保しつつ、普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了による減収や、経済情勢の著しい変動にも対応できるように備え、適宜活用を図っていく。

減債基金

(増減理由)・松塩地区広域施設組合負担金(施設更新に向けた積立分)に充てるため2億2千万円を取り崩したことにより減少(今後の方針)・決算見込みと財源見込みにより、年度間の財源調整を目的とした積立てと取崩しを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・庁舎建設基金:新庁舎建設事業に充当・地域振興基金:地域振興の推進を図る事業に充当・小中学校施設整備基金:小中学校の施設整備事業に充当・芸術文化振興基金:基幹博物館整備事業などの芸術文化事業の振興及び施設整備事業に充当・社会福祉基金:広く社会福祉を充実させるための事業や高齢者福祉を推進するための事業等に充当(増減理由)・地域振興基金:松本マラソン負担金へ6,700万円、バス対策事業費へ8,400万円、周遊バス運行事業費へ8,400万円充当したことにより減少・芸術文化振興基金:基幹博物館整備事業へ3億3千万円充当したことにより減少・社会福祉基金:指定管理者納付金や寄附金等を6,500万円積み立てた一方で、城山介護老人保健施設自動火災報知機等更新工事等へ7,100万円充当したことにより減少(今後の方針)・庁舎建設基金:将来の新庁舎建設に備え、可能な限り毎年度積立てを行う。・地域振興基金:地域振興の推進を図る事業に適宜活用していく。・小中学校施設整備基金:可能な限り積立てを行いながら、今後予定されている小中学校の長寿命化事業等へ充当する。・芸術文化振興基金:当面は、令和5年度に事業完了予定の基幹博物館整備事業へ充当する。・社会福祉基金:可能な限り積立てを行いながら、社会福祉を充実させるための事業等へ適宜活用していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

大規模施設では、平成13年度竣工の市美術館及び平成15年度竣工のまつもと市民芸術館の減価償却(約3億6千万円)が進んでおり、有形固定資産減価償却率の増要因となっている。今後は、公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延床面積を20パーセント削減するという目標を掲げ、老朽化施設の集約化や除却を進めていることや、市博物館の建設、市内小中学校の長寿命化や大規模改修などを予定しているため、有形固定資産減価償却率がこのまま進行はしないと見込んでいる。

債務償還比率の分析欄

平成18年度から起債発行額を元金償還額の範囲内に抑えてきたことや、公営企業の地方債残高が減少したことなどから、分子となる将来負担額は減少している。また、分母となる償還財源についても、経常収支比率が比較的低い水準にあることから、本指標は類似団体と比べ低い数値となっている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成18年度から市債発行額を元金償還額の範囲内に抑えることで将来負担額を減少させるとともに、大型の建設事業(市博物館建設事業等)に備えて計画的に基金積立を実施してきたことから、将来負担比率は該当なしとなっている。有形固定資産減価償却率は増傾向にあるが、老朽化施設の集約化や除却を進めていることや、市博物館の建設や市内小中学校などの大規模改修を予定していることから、適切な施設管理を実施している。今後大型事業が増加する見込みであるため、市債残高の抑制を図りながらも的確に市債を活用していくが、計画的な基金積立と活用も行いながら、健全財政の維持に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成18年度から市債発行額を元金償還額の範囲内に抑えることで将来負担額を減少させるとともに、大型の建設事業(市博物館建設事業等)に備えて計画的に基金積立を実施してきたことから、将来負担比率は該当なしとなっている。実質公債費比率は、前述の市債残高を減少させる取組みを行ってきたことから減となっている。今後大型事業が増加する見込みであり、市債残高の抑制を図りながらも的確な市債の活用が必要となることから、今後実質公債費比率は横ばいとなっていくことが見込まれる。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路は、国庫補助等を活用しながら限られた財源で整備しているが、類似団体平均に比べ減価償却率が高い状態で推移している。橋りょう・トンネルは、橋りょう長寿命化修繕計画に基づき順次整備を行っているが、老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率は増となっている。保育園は、類似団体に比べ減価償却が進んでいる状況であるが、築40年を目途に大規模改造工事を実施する方針としている。学校施設は老朽化が進み、有形固定資産減価償却率が増傾向にあるが、市内小中学校の長寿命化改良事業をスタートしたため、今後は一旦減となることが見込まれる。公営住宅、児童館及び公民館については、類似団体との比較で、いずれも一人当たり面積が大きいうえに減価償却が進んでいる状況であることから、公共施設総合管理計画等に基づき計画的に管理していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

中央図書館は、築30年を経過し老朽化が進んでおり、図書館の有形固定資産減価償却率が類似団体との比較で高くなっている。体育館は、規模の大きい総合体育館の改修を実施中であるが、減価償却が進んでいる状況に変わりはない。市民会館については、平成15年竣工の市民芸術館が、比較的築年数が短いため、全国平均を下回っている。庁舎は、市役所本庁舎が昭和34年建築の建物で老朽化が進んでいることが大きな課題となっている。一般廃棄物処理施設の一人当たり有形固定資産(償却資産)額及び消防施設の一人当たり面積が、平成30年度で大きく増となっているが、それぞれ松塩地区広域施設組合と松本広域連合保有の施設分を含めた数値に置換えたことによるもの。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産合計は414,897百万円となり、前年度末比1,539百万円の増(+0.37%)となった。これは、小中学校の空調設備新設等や松本市野球場の大規模改修による新規資産形成が、減価償却の進行等による減少を上回り、有形固定資産が増(+1,587百万円)となったことが主な要因である。一方、固定負債においては、市債の借入を抑制する取組みにより地方債が652百万円減少したが、リース資産の増に伴いその他固定負債が1,262百万円の増となり、負債全体では700百万円の増となった。全体会計における資産合計は前年度末比717百万円の増(+0.12%)、負債総額は前年度末比1,780百万円の減(△0.93%)となっている。一般会計等との比較では、特に、総資産に対する負債の割合が、一般会計等が21.2%に対し、全体会計では32.1%になっているのが特徴で、これは水道事業や下水道事業において、将来の使用料収入で資金の回収をすることを前提として市債を活用する仕組みとなっていることが要因と考えられる。連結会計における資産合計は614,035百万円(+1,838百万円)で、一般会計等の1.48倍、負債総額は195,930百万円(△1,742百万円)で一般会計等の2.26倍となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は110,164百万円となり、前年度比30113百万円の大幅な増(+37.6%)となった。これは、令和2年度に特別定額給付金の支給(23,789百万円)等、コロナ禍によりこれまでなかった多額の支出が発生したことによるものである。全体会計における経常費用は167,294百万円で一般会計等の1.52倍、行政サービスの対価として市民が負担する使用料及び手数料などの経常収益は18,193百万円となっている。この結果、純経常行政コストは149,101百万円、臨時損失・臨時利益を加味した純行政コストは149,209百万円となった。経常費用のうち割合が大きいものは補助金等で、構成比51.2%となっている。コロナ関係の給付に加え、国民健康保険事業等における国民健康保険団体連合会への負担金支出があるため、割合が高くなっている。連結会計における経常費用は197,427百万円で、一般会計等の1.79倍となっている。純経常行政コストは174,872百万円、臨時損失・臨時利益を加味した純行政コストは174,974百万円となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純行政コスト106,333百万円に対する財源が107,163百万円で、本年度差額が830百万円となった。純行政コストの増(29,544百万円)の主な要因である特別定額給付金については全額国庫補助金での対応であることや、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等の財源も増額となったことから、マイナスからプラスに転じた。なお、税収等のうち市税は36,579百万円(△745百万円)となり、前年度比2.0%の減となっている。純資産変動額は、無償所管換等を差し引きした結果、839百万円の増となっている。全体会計では、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計等が含まれるため、一般会計等と比べて税収等が77,957百万円と18,851百万円多くなっており、本年度差額は2,288百万円となっているまた、連結会計では、一般会計等に比べて税収等が31,639百万円多い90,745百万円となり、純資産残高は418,105百万円で、期首に比べて3,579百万円の増となっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等における投資活動収支は、小中学校への空調設備の整備や松本市野球場の大規模改修などを行ったことから△9,014百万円となった。また、財務活動収支は△1,023百万円となっており、地方債の償還額以内での発行に努めたことから、マイナスとなっており、本市の市債残高を減少させる取組みが、色濃く反映されている。加えて、業務活動収支は9,360百万円でプラスとなっている。これらのことから、市債の償還は進んでいるものの、今後見込まれる小中学校長寿命化事業等の投資活動支出の状況により、当年度の資金収支に影響がある。全体会計における業務活動収支は15,534百万円であり、投資活動収支は△12,232百万円、財務活動収支は△3,720百万円となった。財務活動収支の状況は、一般会計等と同様、市債償還が進んでいることを示している。連結会計においても傾向は同じで、業務活動収支は17,262百万円、投資活動収支は△12,975百万円、財務活動収支△3,550百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額及び歳入額対資産比率が類似団体を上回っている状況である。これは、類似団体と比較して資産を多く所有しているということになり、合併による資産の増加の影響が考えられる。その反面、有形固定資産減価償却率が類似団体を上回っていることから、類似団体と比較して施設の老朽化が進んでいることがわかる。これらのことから、保有資産が多く、かつ、その老朽化が進んでおり、将来世代の負担とならないよう、公共施設の統廃合を進めながら適切な管理に努めていくことが課題と言える。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率が、類似団体平均を上回っており、将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っている。また、将来世代負担比率は減傾向にある。これらのことから、将来世代に過度の負担を残さず資産形成を進めることができていることがわかる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

純行政コストは、特別定額給付金の支給など、新型コロナウイルス感染症対応事業の実施により、例年に比べ大幅な増となった。なお、市民一人当たりの純行政コストについては、例年同様、類似団体平均を上回った。令和3年4月の中核市移行に向けて人員体制の強化を図ったことによる人件費の増が影響していると思われる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、類似団体平均を若干上回っている。負債額自体も、前年度から69,975万円増加している。これは、市債の発行額を償還元金の範囲内に収める取組みにより、市債残高は減少しているものの、リース資産の増によりその他負債が増加したことによるものである。基礎的財政収支については、小中学校への空調設備整備事業等により投資活動収支のマイナスが大きくなり、数値がマイナスとなった。大きな要因となった空調設備整備事業は単年度で完了するが、同様の投資活動支出の状況により影響を受ける環境にある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常費用が、特別定額給付金の支給など、新型コロナウイルス感染症対応事業の実施により、例年に比べ大幅に増加した。そのため、受益者負担比率は0.6ポイントの大幅な減となったが、コロナ禍の特殊要素であるので、受益者負担が軽減されたとの評価はできない。なお、これまで類似団体平均値を下回っていたものが、上回ることに転じた要因は、令和2年度から小中学校の学校給食費を公会計化したことにより、経常収益及び経常費用ともに約1,0100百万円追加となったことが影響していると考えられる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,