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茨城県桜川市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

前年度より0.01ポイント減少の0.46ポイントとなった。単年度の財政力指数は、令和4年度が0.462、令和5年度が0.474で0.012ポイント増加している。これは、固定資産税の増等により基準財政収入額が増加したことが要因である。また、類似団体平均値と比較して0.09ポイント上回っているが、その理由は令和2年度国勢調査により産業構造の割合が変動したことにより市町村類型がⅠ-2からⅠ-1となったためである。今後も行政評価等による歳出の見直しを実施するとともに、人口減少の中にあっても自主財源の柱である税収の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

令和5年度についても全国平均及び茨城県平均よりも低い比率となっており、類似団体と比較しても5.4ポイント低い比率となった。前年度と比較して横這いの数値となっているが、これは医療福祉費等の増により扶助費が増加したが、公営企業への繰出金が減したことにより補助費が減少したためである。今後も事務事業評価等による各事務事業の点検・見直しによる経常経費の削減・抑制に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費の適正化を目指し、職員数の削減等による人件費の削減及び物件費の削減を実施しているため、類似団体平均よりも低くなっている。また、消防やごみ処理について一部事務組合で行っていることも、類似団体よりも低い決算額となっている要因と考えられる。類似団体よりは低い状況が続いているが、会計年度任用職員も含めた人件費は年々増加傾向にあるため、DXを推進するなどにより他の歳出費目を圧迫しないよう維持・抑制に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均を下回る状態が続いていたが、人事給与改革を行い類似団体と同水準となっている。今後は、組織改編を視野に入れた職員構成の改善を図る計画的な採用を行い、給与水準の確保に努めつつ適正な組織体制となるよう取組んでいく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

職員数は昨年度から1人減となっているが、人口減少により人口1,000人当たりの職員数は0.2人の増となった。しかしながら、定員適正化計画を下回る数値であり、類似団体平均でも平均値より低い値となっている。今後も行政サービスを安定的に提供できる職員数の確保に努め、行財政改革の推進を図り、今後の人口減少を視野に入れつつ、計画に基づいた定員管理を引き続き行っていく。

実質公債費比率の分析欄

令和2年度決算に基づく健全化判断比率の再算定により7.7%から7.6%に修正となっている。令和5年度決算に基づく当該比率は類似団体平均と比較すると1.3ポイント下回っており、前年度と比較すると同率となっている。要因は、分子を構成する水道事業会計への基準外繰入額が増加したが、固定資産税の増などにより分母となる標準税収入額が増加したため同率となった。合併特例債や公営企業の元金償還開始に伴う繰入金の増加が見込まれるため、地方債発行の新規事業の精査等により当該比率の上昇を抑制していく。

将来負担比率の分析欄

令和2年度決算に基づく健全化判断比率の再算定により62.7%から60.9%に修正となっている。令和5年度決算に基づく当該比率は令和4年度より17.2ポイント減少しており、類似団体平均値より4.3ポイント上回っている。前年度から減少した要因は、公営企業債の償還が進んだことにより一般会計から公営企業会計への繰入見込額が減少したこと、公共施設建設に備えて関係基金への積立を行っていることにより充当可能財源が増加したことが要因である。合併特例債事業を始めとする大規模事業が継続し、複合施設や新庁舎の建設事業も同時に進行しているため、新規事業の実施等についての点検等を行うことで地方債の新規発行額を管理し、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費については、前年度比で0.3ポイント増加したが、類似団体平均と比較して2.4ポイント下回る結果となった。これは、適正な定員管理に加え、職員構成の階層変動が影響していると思われる。今後も質の高い行政サービスを安定的に提供できる職員数を確保することを念頭に、将来的な人口減少を踏まえ、適正な職員定員管理を行い人件費の抑制に務める。

物件費の分析欄

物件費の経常収支比率については、燃料費の増加等により前年度比で0.6ポイント増加した。類似団体平均と比較して低い水準を保っているが、物価高騰等による光熱水費等の増加が見込まれるため、日頃からの物件費削減に努め、行政評価などによる事務事業の見直しを行うなど、類似団体平均を上回らないよう抑制に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費の経常収支比率については、昨年度比で0.6ポイントの増加となった。これは医療福祉費の増加が要因と考えられる。類似団体平均を下回り続けている状況ではあるが、物価高騰等による経済の低迷、少子高齢化の進行による扶助費の増加が見込まれるため、資格審査等の適正化などにより極力歳出額を抑えるよう努めていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率については、類似団体より1.7ポイント下回っており、昨年度より0.1ポイント減少している。各事業会計への繰出金等に大きな変動はなかったため、横這いの数値となった。医療費の増加による国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計への繰出金が多額となってきているが、比率を改善することは困難な状況となっているため、国民健康保険税の適正化を図ることにより繰出金の額の抑制に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費等については、類似団体平均と比べて7.8ポイント上回っている。これは、筑西広域市町村圏事務組合等の一部事務組合への負担金及び国営霞ヶ浦用水事業への負担金が多額であることが原因である。公営企業会計への負担金等については各事業の運営状況を注視し、各種団体への補助金については補助金検討委員会の開催等により補助の適正化に務めていく。

公債費の分析欄

公債費の経常収支比率は、類似団体平均と比較しても7.0ポイント下回っているが、現在合併特例債を活用した大規模事業を進めているため、比率は増加傾向で推移していくと見込まれる。そこで公債費の額を抑制するために、他事業における地方債の発行を抑制し、プライマリーバランスの黒字が持続できるよう努めていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率については、類似団体よりも1.6ポイント上回っており、昨年度より0.1ポイント増加している。令和4年度に比べて、補助費等において病院事業会計の企業債の償還が進んだことにより負担金が減したことで1.3ポイント減少したが、人件費及び扶助費、物件費で医療福祉費等により増したため0.1ポイントの増加となった。今後、物価高騰等が見込まれるため、扶助費における資格審査等の適正化や、物件費における事務事業の見直し等により、歳出を抑えるよう務めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

全体的には、土木費だけが類似団体を上回っている。土木費は、住民1人当たり102,770円で昨年度よりも1,523円減少しており、類似団体よりも39,080円上回っている。これは、新庁舎建設事業や上曽トンネル整備事業などの大規模事業の進捗により支出が増加したためである。また、教育費については、住民1人当たり46,960円で昨年度よりも23,163円減少している。これは、令和4年度に複合施設建設(図書館と公民館分)の工事が発注されたが、令和5年度は建設中のため支出が少なかったためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民1人当たり543,878円となっており、類似団体を上回っている項目は、投資及び出資金、普通建設事業費(うち新規整備)である。投資及び出資金については、住民1人当たり11,872円で昨年よりも10,822円増加しており、類似団体よりも7,352円上回っている。これは、下水道事業への出資金が増加したためである。普通建設事業費(うち新規整備)は、住民1人当たり26,974円で昨年よりも9,683円減少しており、類似団体よりも7,944円上回っている。これは、令和4年度に複合施設建設の工事が発注されたが、令和5年度は建設中のため支出が少なかったためである。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和5年度の財政調整基金については、預金利子による積立しか行っておらず、標準財政規模が増加したことで0.03ポイント減少した。実質収支額については、令和5年度は令和4年度と比較して、地方債の減等により歳入が約1,450百万円減少したため、5.45ポイント減少した。実質単年度収支についても、実質収支額が減少したことにより、4.31ポイント減少した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

実質赤字および公営企業会計の資金不足はいずれも生じておらず、連結実質赤字比率に該当するものはない。今後とも全庁的に需用費等の歳出額抑制に努め、黒字額を確保していく。引き続き経営の健全化を図っていくとともに、国民健康保険特別会計や水道事業会計など、会計によっては低下傾向となっている会計もあるため、今後も事務事業の見直しを行い、健全な行財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

実質公債比率の分子は、昨年よりも78百万円増加した。分子増の主な要因は、病院事業会計での償還額増による繰入金が増加したためである。今後も上曽トンネル整備事業や新庁舎建設事業などの大規模事業により多額の地方債発行が予定されており、元利償還金が増加していくと見込まれるため、事業を厳選し公債費の管理に務める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担比率の分子は、昨年よりも1,757百万円減少した。分子減の主な要因は、公営企業債の償還が進んだことによる公営企業債等繰入見込額が減したことと、公共施設建設に備えて関係基金への積立を行ったため充当可能基金が増したことが要因である。今後も上曽トンネル整備事業や新庁舎建設事業などの大規模事業により多額の地方債発行が予定されており、地方債現在高は増加の見込みである。交付税算入率の高い起債を活用し、将来負担比率の抑制に務める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては、191百万円の増加となっている。増加の要因は、減債基金に161百万円、ふるさと応援基金に233百万円の積立を行ったためである。(今後の方針)新庁舎建設に伴う基金取崩しを予定しているため、全体的には減少傾向となる見込みである。

財政調整基金

(増減理由)預金利子積立による増加である。(今後の方針)人口減少等による歳入の減及び高齢化に伴う扶助費等の増加や上曽トンネル整備事業などの大規模事業による歳出の増を見込んでいるため、財政調整基金は今後減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)増加の要因は、地方債の元利償還金に備えるための財源として、161百万円の積立を行ったためである。(今後の方針)今後の大規模事業による起債額の増加を見込んでおり、それに伴い公債費の増加も見込んでいる。地方債の償還計画を踏まえ、決算余剰金等を積み立てていく予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:桜川市公共施設の整備資金に充てる。まちづくり振興基金:市民の連携強化及び地域振興を図る。地域づくり推進事業基金:桜川市地域づくり推進事業を継続的かつ効率的に実施する。(増減理由)公共施設整備基金:減少要因は、新庁舎建設に伴う解体工事等に充当するため、140百万円取崩したためである。まちづくり振興基金:減少要因は、公共バスや通学バス運行事業等に充当するため、115百万円取崩したためである。地域づくり推進事業基金:増加要因は、定住促進事業等に充当するため76百万円取崩したが、ふるさと応援寄付金により87百万円積立てたためである。(今後の方針)公共施設整備基金については、新庁舎や複合施設の建設への充当を見込んでいる。また、市内公共施設の老朽化も進んでいるため、今後の改修費用等も含めて計画的に充当していく必要がある。その他の特定目的基金についても、人口減少等による歳入減が見込まれるため、対象事業や充当額を精査し、有効に活用していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和5年度における当市の有形固定資産減価償却率は、庁舎、認定こども園、保健センター等において、築年数が経過し耐用年数を超過した施設が多く、老朽化が随所なことから、同時期の類似団体と比べ、高い比率となっている。今後も、施設維持管理コストの増加が懸念されるため、令和3年3月に策定が完了した公共施設個別施設計画を踏まえ、施設の集約化を進めていく。

債務償還比率の分析欄

令和5年度決算に基づく健全化判断比率等の債務償還比率は589.1%で、昨年度より56.6ポイント減少した。将来負担額が減少した要因として基金積立による充当可能財源が増となったことで分子が減少したこと、公営企業債の償還の財源に充てたと認められる繰入金の増による分母が増加したことが挙げられる。税収減や新庁舎建設等での基金取崩しによる充当可能財源の減少が見込まれるため、地方債事業の精査などによる適切な債務償還比率の維持に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和5年度における将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は、ともに類似団体を上回っている状況である。将来負担比率については14.5%で令和4年度決算から17.2ポイント改善し、類似団体との差が縮小傾向にある。改善の要因としては、ふるさと納税額増によるふるさと応援基金及び普通交付税再算定に関連した減債基金の積み増しが挙げられる。有形固定資産減価償却率については、庁舎、認定こども園、保健センターなどの老朽化のため上昇傾向にあり、令和5年度は類似団体と比較し3.6%上回っている。今後、減価償却が進むにつれ、大規模修繕や建て替え等の大きな負担が予測される。健全な財政運営のため、地方債事業の精査による歳出削減や市債残高の管理、計画的な資産管理に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和5年度決算に基づく実質公債費比率は7.7%となり、類似団体よりも1.3ポイント下回っている。単年度では公営企業債の償還の財源に充てたと認められる繰入金の増や臨時財政対策債発行可能額が減少していることにより増加傾向にあるが、3カ年で平均をとることで令和4年度決算と同水準となっている。将来負担比率については14.5%で令和4年度決算から17.2ポイント改善し、類似団体との差が縮小傾向にある。改善の要因としては、ふるさと納税額増によるふるさと応援基金及び普通交付税再算定に関連した減債基金の積み増しが挙げられる。新庁舎建設を控え、地方債借入の増加及び基金の取り崩しが見込まれるため、今後はこれまで以上に事業費の精査や事業進捗を注視し、公債費の適正な管理に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を特に上回っている施設は「認定こども園・幼稚園・保育所」「学校施設」「児童館」である。一方、下回っている施設は「橋りょう・トンネル」「公民館」である。「こども園・幼稚園・保育所」については、減価償却率が80%を大きく超えており全ての幼稚園、認定こども園で施設の老朽化が進んでいる。今後は少子化の影響を踏まえ、さらなる再編による施設の建替え等も視野に、計画的な修繕を行っていく。「学校施設」については、年間の償却額と新校舎整備に伴う資産増加分により緩やかな上昇となっている。「児童館」については、2棟が地区に譲渡となったが、市で継続して管理している児童館について減価償却期間を経過しており、減価償却率が100%となっている。「橋りょう・トンネル」については、類似団体平均を下回っているが、今後の維持管理等に伴う負担は重くなることが見込まれる。桜川市橋梁長寿命化修繕計画に基づき計画的に定期点検を実施しており、次年度以降も優先順位をつけて修繕を行っていく。一方で、一人あたりの数値で「道路」が比較的大きく類似団体平均を上回っている。道路については、集落が点在しているため総延長が長くなっている。道路の維持管理、更新工事等に伴う負担が今後も重くなることが見込まれるため、優先順位をつけて改良・維持補修を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して特に有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は「体育館・プール」、「一般廃棄物処理施設」、「保健センター・保健所」、「庁舎」である。「体育館・プール」については、平成17年の合併以前に各地域に体育館が1施設ずつ設置されており、それぞれ関連施設が各地域1~2施設ずつ整備されている。そのうち半数以上の施設が築30年を超過しており、今後は施設の老朽化対策が課題となっている。施設の耐震化は完了しているが、施設の老朽化に伴う対策の必要性を今後検討していく。「一般廃棄物処理施設」については、市内に1施設あり、すでに集約化は済んでいる。当該施設は築20年を経過しており、施設の老朽化等の状況により、対策を検討していく。「保健センター・保健所」については,市内に1施設あり、行政サービスを提供する場として必要不可欠であるが、他施設での運用が可能であり、施設の集約化を進める。「庁舎」については、いずれの庁舎も平成17年の合併以前に整備された旧2町1村の庁舎を継続して利用している。今後庁舎を集約し、新庁舎の建替えを行う予定である。一方で、類似団体と比較して一人当たり面積が特に小さい施設は,「図書館」である。桜川市には図書館が無く、数値は公民館内の図書室である。市内に3室を保有しているが、パブリックスペースを持たないため、住民1人あたりの面積は小さくなっている。3施設のうち2施設が築30年を経過しており、1施設は公民館と併せて複合施設として建替え・集約することが決まっっている。残る1施設については、建物の集約化や修繕の要否など今後の方向性をを検討していく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

令和5年度末の一般会計等において、資産総額が令和5年度期首時点から1,340百万円(2.05%)となり、負債総額については20百万円増加(+0.08%)となった。資産総額のうち、金額の変動が大きいものは、インフラ資産の減価償却であり、1,503百万円(▲3.01%)となった。一方、負債総額のうち、金額の変動が大きいものは、1年以内償還予定地方債であり、66百万円の増加(+4.65%)となった。複合施設や新庁舎などの公共施設整備に係る支出が続くため、公共施設整備に備え基金積み増しが行われたことにより、資産全体が増加してはいるものの、今後の減価償却の実施等により、将来的に老朽化に対応するための更新支出等が必要となることが予想される。これらのことから今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の適正管理に努める。全体の資産総額については、上・下水道事業会計のインフラ資産等が加わり、資産総額は88,634百万円となっている。また、連結の資産総額については、主に筑西広域市町村圏事務組合の事業用資産や土地開発公社の棚卸資産等が加わり、資産総額は93,964百万円となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

令和5年度末の一般会計等における純経常行政コストの内訳は、経常費用が18,946百万円となっている。業務費用については主にコロナウイルスワクチン接種など委託料の減により前年度比▲2.56%の9,888百万円、移転費用については障害者福祉費や国民健康保険特別会計への繰出増に伴い前年度比5.89%増の9,058百万円となり、業務費用が移転費用を上回っている。また、維持補修費や減価償却を含む物件費等は6,526百万円であり、経常費用の約34.45%を占めている。物件費等の内訳については、減価償却費と維持補修費の合計が2,207百万円であり、物件費等のうち約33.82%を占めている。以上から、公共施設等の老朽化に対する減価償却費や維持補修費、社会保障給付費の増大が今後の課題であり、より充実した行政サービスの実施とともにコスト減少の検討を進めていく。全体の純行政コストについては、一般会計等の純行政コストに7,946百万円を加えた26,513百万円となった。影響の大きなものとしては、国民健康保険特別会計に係る移転費用のうち補助金等(4,563百万円)である。また、連結の純行政コストについては、全体の純行政コストに5,263百万円を加えた31,776百万円となった。影響の大きなものとしては、後期高齢者医療広域連合における移転費用のうち補助金等(5,599百万円)である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において令和5年度の本年度差額▲899百万円の内訳は、純行政コスト▲18,567百万円、地方税等の財源が17,669百万円であった。うち税収等が268百万円増となったが、一方で国県等補助金が新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をはじめとする新型コロナウイルス対策関連補助や社会資本整備総合交付金の減により836百万円の減となった。後年度において公共施設等の老朽化に対する維持補修費などが増加すると考えられるので、今後も国・県の予算編成の動向を十分注視したうえで、積極的に補助金など特定財源の確保に努める。一方で、より一層税徴収の強化など市税確保策についても引き続き取り組んでいく。全体の本年度差額については、介護保険特別会計の本年度差額196百万円、国民健康保険特別会計の本年度差額151百万円、水道事業特別会計の本年度差額134百万円の追加等により、196百万円になっている。また、連結の本年度差額については、主に筑西広域市町村圏事務組合の本年度差額が38百万円となっていること等で、▲254百万円となっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において令和5年度は、業務活動収支は260百万円、投資活動収支は▲871百万円、財務活動収支は61百万円となり、年度末現金預金残高は歳計外現金残高を含めると、1,632百万円となった。当期収支としては▲551百万円となっており、令和5年度については業務活動収支に加え地方債の発行によって投資額を確保しているが、令和6年度以降については、業務活動による収入の確保や支出の削減を図り、将来世代に先送りしないような財政状態を維持する必要がある。全体については、主に下水道事業会計の業務活動収支257百万円、投資活動収支▲94百万円、財務活動収支8百万円が加わったことから、業務活動収支が1,409百万円、投資活動収支が▲1,030百万円、財務活動収支▲666百万円となっている。また、連結については、主に筑西広域市町村圏事務組合の業務活動収支75百万円、投資活動収支25百万円、財務活動収支▲33百万円が加わったことから、業務活動収支が1,480百万円、投資活動収支が▲1,036百万円、財務活動収支702百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

類似団体と比較して、「①住民一人当たり資産額」及び「②歳入「額対資産比率」が類似団体平均値を下回ってしまっているが、当団体では固定資産の老朽化が進んでいるため減価償却費が大きいことが影響している。「③有形固定資産減価償却率」は類似団体平均値からは少し大きくなってしまっている。固定資産の老朽化が進んでいるため、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、公共施設等の適正管理に努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

「④純資産比率」は類似団体平均値と比べて少し下回っている。これは、非資金項目による純行政コストの増加によって税収等の財源が純行政コストを下回っているためである。そのため、より一層税徴収の強化を図り、税収の安定確保に関する活動を行う。また、事業の見直しを行い、物件費等の削減を図っていく。「⑤将来世代負担比率」は社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す指標である。当該値は前年度を上回っているが、この原因は減価償却の実施等により分母である有形・無形固定資産残高が減少しているものの、分子である地方債の発行額が増加したためである。将来世代負担比率が悪化しないように、財政運営をしていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

「⑥住民一人当たり行政コスト」は類似団体平均値よりも下回っている。一方で、補助金等や社会保障給付等を含む移転費用の占める割合が大きいため、資格審査や各種手当への独自加算等の適正化による社会保障給付の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

「⑦住民一人当たり負債額」は昨年度より増加しているが、これは分母となる人口が▲791人減少したためである。今後は、地方債の償還計画や利率についてより適切に管理し、運営していく。また、「⑧基礎的財政収支」は昨年度より減少しているが、投資活動収支はやや改善したものの、業務活動収支が減少したことに伴い、基礎的財政収支が赤字となった。今後は、基礎的財政収支の黒字を確保に努め、歳入歳出のバランスが取れた財政運営をしていく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

「⑨受益者負担比率」は類似団体平均値を下回っており、昨年度と比較すると分母である経常費用が分子である経常収益より増加していることから、行政サービスに対する受益者の負担割合が下がっている。今後は、行政サービスに対する使用料の見直しを行うなどの対策により、受益者負担比率を上げて類似団体平均値に近づけるように進める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,