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地方財政ダッシュボード

茨城県ひたちなか市の財政状況(2022年度)

🏠ひたちなか市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

基準財政需要額,基準財政収入額とも前年度から増額となっているが,基準財政需要額の増額幅の方が大きかったため,前年度より0.02ポイント低下している。過去5年間,類似団体平均を上回る状況が続いており,引き続き交付団体となることを見込む。今後も市税等の一般財源の増を見込めない中,人件費や扶助費等の義務的経費については引き続き増加することが見込まれるため,厳しい財政運営が予想される。公共施設の適正管理など中長期的な取組を通して行財政改革を推進し,引き続き経費の削減に努める。

経常収支比率の分析欄

公共施設の電気料高騰による物件費の増や消防庁舎建設に係る一部事務組合への負担金の増,学校改修事業等に係る市債償還元の増などの影響により,昨年度から2.5%増の94.4%となり,過去5年間をみても常に類似団体平均を上回る状況である。要因としては,義務的経費のうち特に公債費が類似団体と比較して高い。これは,小中学校耐震化事業や統合校建設等の教育関連事業に係る償還額の増が影響している。令和4年度においては社会経済活動の回復による地方税の増等が要因となり経常一般財源が増となったが,人件費や扶助費等の義務的経費については今後も逓増が見込まれるため,引き続き行財政改革の推進に取り組むほか,企業誘致の推進やふるさと納税の拡充等により自主財源の確保に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均よりも低い水準で推移しているものの,上昇が続いている。体育館や文化会館等の公共施設への指定管理制度の導入,消防,廃棄物処理等の広域化などコスト削減を図ってきたが,施設の老朽化による維持補修費等の増加がこれを上回る状況とみられる。公共施設総合管理計画や個別施設計画に基づき計画的な補修を行うほか,一時的な物件費上昇の要因とはなるが,老朽化した施設解体等も行い公共施設の適正管理を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

職員の若年化及び初任層の在級期間が国や他市町村と比較して長期であることにより,類似団体及び全国市の平均を下回っている状況である。今後も,市の財政状況並びに国・他市町村の状況等を踏まえ,引き続き給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

これまで本市では事務の共同処理や民間委託等に努めており,こうした取り組みが成果として表れ,人口当たりの職員数が類似団体内で低い水準となっているものと認識している。しかし,増加し続ける自治体の事務に対応し,市民サービスを低下されることなく将来にわたって提供し続けることのできる組織体制を維持するためには,必要な人員は確保していかなければならないと考えていることから,定年引上げを踏まえつつ年齢構成の平準化を図りながら継続的な採用を続けていく。

実質公債費比率の分析欄

統合校建設に係る償還や区画整理事業における繰上償還等による元利償還金の増等の要因により前年度から0.6%増の10.4%となった。この数値は,本市においては,直近10年で一番高い値であり,引き続き類似団体平均を上回っている状況となっている。今後も,地方債を活用した佐和駅東西自由通路整備事業,東中根高場線4車線化整備事業等の大型事業が控えており,元利償還額の増が見込まれることから,地方交付税措置のある起債の活用や整備時期の調整等により後年度負担の軽減,平準化に努める。

将来負担比率の分析欄

地方債現在高において,臨時財政対策債振替額の大幅な抑制等による減,公営企業債等繰入見込額において,下水道事業会計における地方債現在高の減少による繰入見込額の減等を主な要因として,将来負担額が約30億6,100万円減少したことで,前年度から6.9%減少して73.7%となったが,短期集中的に実施した学校耐震化事業や統合校建設事業等の教育債借入残高が依然として大きいことから地方債残高が高止まりとなっており,引き続き類似団体平均を上回っている。今後も雨水幹線整備や河川改修のほか,新庁舎建設等の大型事業が控えており,比率の上昇が見込まれることから,事業実施時期等の平準化を図り,財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

類似団体と比較して低い水準で推移している。地方税の増等により経常一般財源等は増加したが,常勤職員の基本給及び会計年度任用職員の報酬の増に伴う経常的な経費の増加の幅が上回ったことから,前年度から0.1ポイント上昇した。今後も人件費については増加していくことが見込まれることから,職員等の適正配置を推進する。

物件費の分析欄

類似団体平均と比較し低い水準で推移しているが,要因としては廃棄物処理施設を一部事務組合にて運営していることが挙げられる。地方税の増等により経常一般財源等は増加したが,電気料金高騰による各公共施設での光熱費の増や,ふるさと納税業務拡大に伴う業務委託料の増加の幅が上回ったことから前年度から0.8ポイント上昇した。物価高や人件費の増に伴う警備や清掃業務等の委託料単価が上昇していることから,今後も比率の上昇が見込まれる。公共施設の適正管理の推進により維持管理費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

類型が変更となった令和3年度からは,類似団体と比較して低い水準となっている。地方税の増等により経常一般財源等は増加したが,障害福祉サービスや医療福祉費支給,生活保護等にかかる費用の増に伴う経常的な経費の増加の幅が上回ったことから前年度から0.3ポイント上昇した。今後も子育て支援をはじめとする各種施策の実施に伴う市の財政負担の増加が予想されることから,適切な財源措置を求める。

その他の分析欄

前年度より0.1ポイント上昇し,類似団体平均を0.1ポイント下回った。要因としては,令和3年度に今後の臨時財政対策債の償還に備えるため,普通交付税の増額分を積立てた市債管理基金元金積立金の皆減が挙げられる。繰出金については,国民健康保険事業会計などの福祉会計への繰出において,今後も団塊の世代の高齢化等に伴う保険給付費等の増加が見込まれることから,予防・保健事業への取組みを強化し,将来の繰出金の抑制を図る。

補助費等の分析欄

類似団体平均と比較して高い水準で推移しているが,要因としては,一部事務組合にて広域的に運営している事務が複数あり,直営であれば人件費や物件費,維持補修費等に計上される費用が補助費として計上されていることによるものである。前年度と比較では,消防庁舎建設に係る一部事務組合への負担金が増加したことにより,前年度から0.7ポイント上昇した。今後,当該負担金の増加が見込まれることから,各種補助金等について効果や公益性等の観点から適宜見直しに努める。

公債費の分析欄

類似団体と比較して高い水準で推移している。地方税の増等により経常一般財源等は増加したが,学校施設改修事業等に係る償還元本の増に伴う経常的な経費の増加の幅が上回ったことから,前年度から0.7ポイント上昇した。今後も佐和駅周辺地区整備事業や高場陸橋の4車線化などの大型事業が続くことから,地方債残高の削減は難しく,類似団体と比較し高い水準となる見込みである。

公債費以外の分析欄

前年度より1.8ポイント上昇したが,類似団体平均を3.5ポイント下回った。地方税の増等により経常一般財源等は増加したが,人件費において常勤職員の基本給及び会計年度任用職員の報酬の増,物件費において電気料金高騰に伴う光熱費の増,扶助費において障害福祉サービス費等の増などの影響により,経常経費に充当した一般財源の増加の幅の方が上回ったため,比率の上昇につながった。今後も,繰出金や補助費等については,一部事務組合への経費負担や福祉関連会計への繰出等,一般財源にて措置する経費の増加が見込まれるため,経常収支比率の上昇の抑制は困難な状況である。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体と比較して住民一人当たりコストが高いのは主に土木費及び公債費,商工費である。土木費については,浸水被害軽減プランに基づく雨水幹線や,地域間を結ぶ都市計画道路の整備を主として進めていることから,河川費や,都市計画費のうち特に街路費及び区画整理費が類似団体平均よりも高くなっており,公債費については,小学校校舎改築やトイレ改修等の学校教育施設等整備事業債の元利償還金が増加し,類似団体平均を大きく上回る状況となっている。商工費については,新型コロナウイルス感染症対策として,中小企業等支援や経済活性化のためのプレミアム付き地域商品券の発行事業等を積極的に実施したことが,類似団体平均を上回った要因に挙げられる。住民一人当たりコストが低いのは主に民生費及び衛生費である。民生費については,子育て世帯等への臨時特別給付金など新型コロナウイルス感染症対策費の縮小により決算額が減少した点を除いても,類似団体と比較すると,生活保護費及び地方単独の児童福祉費が大きく下回っている。衛生費については,廃棄物処理事業等を一部事務組合にて実施していることから特に委託料について類似団体平均を下回っている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体と比較して住民一人当たりコストが高くなっているものは新規整備に係る普通建設事業費や繰出金,補助費,公債費となっている。新規整備に係る普通建設事業費については佐和駅東西自由通路整備や東中根高場線4車線化,しおかぜみなとに係る事業費が増となっていることによるものである。繰出金については,後期高齢者医療事業会計や介護保険事業会計等の福祉関連会計への繰出のほか,市内7地区において実施している区画整理事業への繰出が類似団体と比較しコストが高くなっている要因に挙げられる。補助費については,一部事務組合にて広域的に運営している事務が複数あり,直営であれば人件費や物件費,維持補修費等に計上される費用が補助費として計上されていることから,類似団体平均を上回っている。公債費については,小学校校舎改築やトイレ改修等の学校教育施設等整備事業債の元利償還金が増加したことが要因である。住民一人当たりコストが低くなっているものは主に人件費,物件費である。人件費については,消防事業の広域化により消防職員の人件費が計上されていないことや,公営企業に属する職員の人件費については補助費等または繰出金に含まれることによるものであり,物件費については廃棄物処理事業等を一部事務組合にて実施していることによるものである。また,扶助費については国等が実施する新型コロナウイルス感染症対策関連の給付事業の終了に伴い令和3年度と比較して減となっているが,その点を差し引いても住民一人当たりコストは依然として上昇を続けている。類似団体平均も同様の傾向であることから,当市に係る特殊要因によるものとは考えにくく,今後の抑制も困難とみられる。さらに,次年度以降も継続する佐和駅東西自由通路整備事業等の大型事業により普通建設事業費,公債費のコスト増が見込まれることなどから,公共施設総合管理計画に基づいた公共施設の適正管理,事業実施時期の見直し等に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

令和4年度は,個人消費や企業活動で持ち直しが見られ,個人市民税,法人市民税とも増収となった一方,税収増に伴う臨時財政対策債の減などにより,歳入全体では対前年度比0.6%の減となった。歳出においても,コロナ対策に係る民生費の減や各種事業の適正執行による支出額の抑制などにより,対前年度比0.7%の減となった。歳入歳出とも減額となっているが,歳入の減額幅の方が歳出よりも大きかったことから,前年度よりも実質収支額が減少し,実質単年度収支は赤字となった。財政調整基金については前年度剰余金や市税等の一般財源が確保できたことで全額取崩しを中止することができた。今後も大型事業が予定されていることから,財政調整基金の残高を維持するため,補助金等の歳入確保や自主財源の拡大,事業の見直しによる歳出抑制に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

水道事業会計において,収益について,物価高騰対策として水道料金減免を実施したことに伴う給水収益の減等により営業収益が減となったほか,貸倒引当金戻入益の減により特別利益も減となった一方で,営業外収益において物価高騰対策に係る一般会計補助金の増等により総収益では増となった。費用においては,受託工事費や支払利息の増により営業費用及び営業外費用が増となり,このほか流動資産が増となった結果,前年度比プラス2.3ポイントとなり,全体の連結実質黒字の増加に影響した。一般会計においては,地方特例交付金や臨時財政対策債の減少等により歳入が微減となったが,歳出においても,子育て世帯等への臨時特別給付金など新型コロナウイルス感染症対策費の縮小により全体の決算額が微減となった結果,前年度比+0.01ポイントに留まった。しかし,奨学資金特別会計と墓地公園事業特別会計を除く特別会計については一般会計からの繰入金を受けており,基準外繰入や収入補てん的な繰入金を抑制しなければ財政を圧迫する恐れがある。特別会計においても事業の精査や財源の確保を図りつつ,一般会計からの繰入金の適正化に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金等の全体としては,元利償還金において,一般補助施設整備等事業債,学校教育施設等整備事業債に係る元利償還金の額が前年度と比較し290百万円の増となったこと,債務負担行為に基づく支出額において,六ツ野土地区画整理組合から承継した債務の元利償還額の増などにより前年度と比較し199百万円の増となったことが大きく影響し,実質公債費比率の分子は,431百万円の増となった。今後も佐和駅周辺整備事業や高場陸橋の4車線化,消防庁舎の建替えなど大型事業が控えており,借入の増加が見込まれることから,整備予定の事業にあたっては,規模の見直しや整備時期の調整等を行い,後年度負担の軽減,平準化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担額では,一般会計等に係る地方債の現在高において,臨時財政対策債の借入額が大幅に減となったことにより2,234百万円の減となったことに加え,公営企業債等繰入見込額について,下水道事業特別会計における地方債現在高の減少による繰入見込額が722百万円の減となったことにより,全体として3,061百万円の減となった。充当可能財源等では,充当可能基金において国民健康保険支払準備基金残高の増等により1,018百万円の増となった一方で,基準財政需要額算入見込額において臨時財政対策債償還費や清掃費における過年度債の償還による算入額の減により1,768百万円の減となり,全体として793百万円の減となった。これにより将来負担比率の分子は2,268百万円の減となった。令和4年度においては将来負担額は減となったが,今後も大型事業に係る地方債の借入が償還額を上回る状況が続く見込みであることから,地方債残高は増加が想定されている。引き続き地方債を適正に活用するとともに,充当可能財源等の確保に努め,将来負担額の抑制を図る。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)・財政調整基金,減債基金との前年度末残高を維持できたことに加え,ふるさと納税事業の拡大に伴う各特定目的基金への積立が大幅に増額したことから,基金全体では293百万円の増となった。(今後の方針)・令和10年度までを策定期間とした中期財政計画では5年間で約240億円の財源不足を見込んでおり,基金の取崩しによる財政運営を見込まざるをえない状況にある。今後も佐和駅東西自由通路整備事業や高場陸橋の4車線化など大型事業が予定されていることに加え,義務的経費の増加や不安定な世界情勢の影響による物価高が続くことが見込まれることから,限られた財源の適正執行や企業誘致の推進,ふるさと納税の拡充等により自主財源の確保に取り組むことで,基金残高の維持に努める。

財政調整基金

(増減理由)・令和4年度の当初予算編成においては不足する財源に対応するため,1,661百万円の取崩しを計上したが,予算執行の過程において,歳出予算の適正執行による差金の確保に努めたことや前年度決算剰余金や市民税などの一般財源の増分を確保できたことにより,全額取崩しを中止し,前年度末残高を維持することができた。(今後の方針)・令和4年度は財源不足を補う取崩しは避けられたものの,今後も佐和駅東西自由通路整備事業や高場陸橋の4車線化など大型事業が予定されていることに加え,義務的経費の増加や不安定な世界情勢の影響による物価高が続くことが見込まれることから,取崩しは避けられない状況にあり残高は減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)・令和4年度の当初予算編成においては不足する財源に対応するため,2,131百万円の取崩しを計上したが,予算執行の過程において,歳出予算の適正執行による差金の確保に努めたことや前年度決算剰余金や市民税などの一般財源の増分を確保できたことにより,全額取崩しを中止し,前年度末残高を維持することができた。(今後の方針)・令和4年度は財源不足を補う取崩しは避けられたものの,今後も佐和駅東西自由通路整備事業や高場陸橋の4車線化など大型事業の実施に伴い,中期財政計画上も財源不足が見込まれることから,取崩しは避けられない状況にあり残高は減少していく見込みである。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共用地取得基金公共用地取得の推進・福祉ふれあい基金社会福祉事業の推進・緑のまちづくり基金緑豊かで快適なまちづくり事業の推進(増減理由)・公共用地取得基金道路用地等購入のため30百万円を取崩したことによる減・福祉ふれあい基金ふるさと納税等による寄付金の積立と福祉関連事業への取崩しの結果,全体として18百万円の増となった・緑のまちづくり基金ふるさと納税等による寄付金の積立と記念樹の配布等,緑化推進事業への取崩しの結果,全体として8百万円の減となった(今後の方針)・公共用地取得基金公共施設等の借地解消を図るため,計画的に取崩しを行っていく。・福祉ふれあい基金社会福祉の増進に寄与する充当事業を精査し計画的に取崩す等の検討を行っていく。・緑のまちづくり基金今後も記念樹の配布等の緑化推進事業へ充当するため取崩しを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については類似団体平均より低い水準にある。令和6年3月に改定した公共施設等総合管理計画に定めた基本方針に基づき公共施設管理の適正化を進めているほか,生涯学習センター及び青少年センター等の機能を集約した子育て支援・多世代交流施設の整備,勤労者総合福祉センター,図書館等で個別施設計画を策定している。令和5年度以降も公共施設マネジメントを推進していく。

債務償還比率の分析欄

類似団体平均と比較して253.9%上回っており,引き続き高い水準である。過去の大型事業に係る地方債の償還が進んでいるものの,平成29年度まで実施した学校耐震化事業債の償還が令和5年度から本格化するほか,令和2年度まで統合校建設に伴う借入を実施したことから,将来負担額は増加傾向と想定される。経常経費は,人件費や公債費が類似団体と比較し高い水準であり,特に人件費は今後も昇級や会計年度任用職員の増員など増加が見込まれ,経常一般財源の充当割合がより高くなる見通しであり,短期的な比率の改善は難しい状況となっている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和4年度の将来負担比率は類似団体平均を73.6ポイント上回る73.7となった。統合校建設事業の完了に伴い地方債の借入額が大きく減少したこと等から,前年度と比較して6.9ポイントの低下とはなったが,過去に実施した学校耐震化事業等の教育債借入額が大きく,依然として地方債残高が高止まりとなっていることが類似団体平均を大きく上回る要因といえる。令和5年度以降も都市整備関連の大型事業が続くことから,地方債の発行額が償還額を上回る状態が続くことが見込まれ,将来負担比率の上昇は続く想定である。有形固定資産減価償却率については,類似団体平均を5.3ポイント下回っている。インフラ資産では,高度成長期に整備された道路等が耐用年数を迎えていることから長寿命化を図る投資が必要となっており,事業用資産では,公営住宅や市民会館,保健センター等の老朽化対策を検討しなければならないという状況にある。今後も大型事業が控えており,将来負担比率も上昇の見通しにある中で,同時期に既存施設に係る長寿命化等を図ることは容易ではないため,公共施設マネジメントの推進などにより,適正管理に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率,実質公債費比率ともに類似団体平均を大きく上回る状態が続いている。平成28年度以降,地方債残高は増加傾向にあったが,統合校建設事業が令和2年度に完了したことや,学校施設改修事業に係る起債の償還開始等により令和3年度は微減となった影響から,将来負担比率が令和3年度と比較して6.9ポイント下がったが,今後も大型事業の実施に伴う借入が続く見込みであり,残高は今後も横ばいまたは増加すると想定しており,将来負担比率も比例して上昇するとみられる。将来負担比率にこれまで現れてきた地方債残高の伸びは,順次元金償還が開始されることにより,追って実質公債費比率にも反映していくため,こちらも比率の上昇が続く見通しである。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっているのは,公営住宅である。一方,類似団体平均を特に下回っているのは,認定こども園・幼稚園・保育所及び学校施設である。公営住宅については,市営住宅全体の老朽化が進んでいるため,類似団体平均を14.2ポイント上回っている。空き室もあることから,既存住宅に対して長寿命化計画を策定し,存続する住宅に対しては補修工事等の必要な手当をするとともに,老朽化が著しい住宅は解体を進め,適正な保有戸数となるよう管理していく。認定こども園・幼稚園・保育所については,類似団体平均を15.4ポイント下回っているが,これは,子育て環境の整備のため,老朽化した東石川保育所を建替えたためである。また,学校施設については,令和2年度から上昇した一方,統合校建設や耐震補強等の整備が完了したこと,各学校で順次給食調理場整備等が進んでいることから,毎年度,減価償却の開始間もない資産が追加され,類似団体平均を下回る要因につながっている。児童館については,築40年を超える那珂湊児童館等に対して新たな設備投資等を実施していないため減価償却費のみが増加し,令和4年度において有形固定資産減価償却率が類似団体平均を上回る結果となった。一人当たり面積については,児童館のみ類似団体平均を下回っている状況にあるが,その他の施設類型に属する施設についても,類似団体平均との比較のみならず,当市の現状に則した適正規模を考慮しながら今後の整備等について検討を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっているのは,消防施設及び市民会館,庁舎となっている。消防施設については,消防本部及び笹野消防署の新庁舎の建設を令和6年度供用開始に向けて進めているところである。市民会館については,耐用年数に近づいているが,令和6年3月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき,補修工事等の計画的な執行により存続を図っていく。また,当市は市民会館や保健センターなど複数の公共施設が同年代に建設され耐用年数の半分を経過する時期にあるため,施設の長寿命化を推進していく必要がある。一人当たりの面積については,類似団体平均との乖離の幅が大きいのは体育館・プール及び福祉施設である。福祉施設については老人福祉センターを多く有していることにより,類似団体平均を上回っているものとみられる。プールについては,いずれも耐用年数を経過し老朽化が目立つことから施設の集約化,廃止の検討を始めるとともに,令和6年度より,小学校の水泳授業の民間委託を開始するなど,今後の体育施設の適正配置や長寿命化に向けた協議を進めていく。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては,資産総額が前年度末から1,398百万円(-0.7%)の減少,負債総額が2,506百万円(-3.7%)の減少となった。資産については,減価償却累計額の増加に伴い、インフラ資産の資産価値が減少したことによるものである。負債については、金額の変動が大きいものは地方債(固定負債)であり、平成30年度発行の統合校建設及び学校改修等に係る起債の償還開始に伴い,償還額が借入額を上回り、2,518百万円減少した。水道事業会計,下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は上水道管,下水道管等のインフラ資産を計上していること等により,一般会計等に比べて98,403百万円多くなるが,負債総額も下水道管きょ等の整備に地方債(固定負債)を充当していることなどから,80,440百万円多くなっている。ひたちなか市生活・文化・スポーツ公社,ひたちなか・東海広域事務組合等を加えた連結では,資産総額は,ひたちなか・東海広域事務組合の下水道に係るインフラ資産やひたちなか海浜鉄道(株)の資産を計上していること等により,一般会計等に比べて111,918百万円多くなっており,負債総額は,連結対象団体においては,借入れが比較的少ないことから,一般会計等との差異は91,399百万円にとどまっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては,経常費用は54,160百万円となり,前年度比893百万円(1.65%)の減少となった。そのうち,人件費等の業務費用は24,778百万円,補助金や社会保障給付等の移転費用は29,382百万円であり,移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは社会保障給付(13,982百万円、前年度比-1,913百万円)であり、純行政コストの26.51%を占めている。当該経費は義務的経費であることから,費用を圧縮することが難しく,財政硬直化の要因となっており,今後も増加傾向が見込まれることから、既存事業の見直しなど裁量的経費の抑制に努める必要がある。全体では,一般会計等に比べて,水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため,経常収益が4,540百万円多くなっている一方,国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため,移転費用が18,958百万円多くなり、純行政コストは22,158百万円多くなっている。連結では,一般会計等に比べて,連結対象企業等の事業収益を計上し,経常収益が5,599百万円多くなっている一方,人件費が3,347百万円多くなっているなど経常費用が42,713百万円多くなり、純行政コストは37.244百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(52,537百万円)が純行政コスト(52,537百万円)と同額となっており,純資産残高は1,108百万円の増加となった。増加の要因には、子育て支援・多世代交流施設の防水及び外壁改修や小・中学校の給食室改修による資産の増加が挙げられる。全体では,国民健康保険特別会計,介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから,一般会計等と比べて税収等の財源が24,478百万円多くなっており,本年度差額は2,320百万円となり,純資産残高は2,866百万円の増加となった。連結では,後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから,一般会計等と比べて税収等の財源が39,465百万円多くなっており,本年度差額は2,221百万円となり,純資産残高は3,143百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては,業務活動収支は5,252百万円であったが,投資活動収支については,佐和駅東西自由通路・新駅舎整備に着手していることから2,310百万円となっている。財務活動収支については,地方債の償還支出が発行額を大きく上回ったことから▲2,904百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から38百万円増加し,3,810百万円となった。全体では,国民健康保険税等が税収等収入に含まれること等から、業務活動収支は一般会計等より2,824百万円多い8,076百万円となっている。投資活動収支では,平成30年度より着手していた新上坪浄水場が,令和3年度に完成したことから、前年度から3,966百万円増加し,▲3,972百万円となった。財務活動収支は,地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから▲3,532百万円となり,本年度末資金残高は前年度から572百万円増加し,10,602百万円となった。連結では,生活・文化・スポーツ公社等の指定管理委託料等が業務収入に含まれることなどから,業務活動収支は一般会計等より3,169百万円多い8,421百万円となっている。投資活動収支では、ひたちなか・東海広域事務組合において,消防本部及び笹野消防署庁舎建設事業に着手していることから4,355百万円となって

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を下回っているが,これは、道路や河川敷地、所管不明土地など取得価額が不明であり,備忘価額1円で評価している資産がある点が要因と見られる。歳入額対資産比率は類似団体平均を若干下回る結果となった。前年度と比較すると、税収の増があった一方で、臨時財政対策債への振替額が大幅に抑制されたことによる減があり、ほぼ横ばいとなった。有形固定資産減価償却比率について,インフラ資産のうち特に道路について,高度経済成長期に整備された橋りょうが耐用年数を迎えている。道路法等に基づく点検においても改修が必要と判定される橋りょうが発生しており、長寿命化に係る設備投資が必要となっている。また事業用資産においては,昭和45年建設の市役所行政棟の耐用年数が迫っていることから,庁舎の建替え等を検討を進めている。今後は,公共施設等総合管理計画や個別施設計画等に基づき,老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。2.資産と負債の比率純資産比率は類似団体平均を下回っているが,本市では都市計画事業や区画整理事業,雨水幹線整備等の大型の建設事業を多数実施しており、それに伴い地方債の発行額が類似団体と比較して高くなっていることから,資産合計に対して純資産額が低く,比率に影響していると見られる。将来世代負担比率は,分母となる臨時財政対策債等を除く地方債残高が,過去に発行したクリーンセンター建設事業債や第三セクター等改革推進債の影響を受けていることに加え,学校耐震化事業,公共施設の解体等の大型事業により,類似団体平均を11.2%上回っている。令和2年度に竣工した美乃浜学園建設事業のほか、今後も都市計画分野等で大型事業が続くことから,一般会計等においてはこの水準が維持される傾向と推測される。施設の長寿命化や適切補修を行うマレ十市のルー

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を下回っているが,本市では都市計画事業や区画整理事業,雨水幹線整備等の大型の建設事業を多数実施しており、それに伴い地方債の発行額が類似団体と比較して高くなっていることから,資産合計に対して純資産額が低く,比率に影響していると見られる。将来世代負担比率は,分母となる臨時財政対策債等を除く地方債残高が,過去に発行したクリーンセンター建設事業債や第三セクター等改革推進債の影響を受けていることに加え,学校耐震化事業,公共施設の解体等の大型事業により,類似団体平均を11.2%上回っている。令和2年度に竣工した美乃浜学園建設事業のほか、今後も都市計画分野等で大型事業が続くことから,一般会計等においてはこの水準が維持される傾向と推測される。施設の長寿命化や適切補修を行うマレ十市のルー

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っている。令和3年度との比較では,子育て世帯や住民税非課税世帯等への臨時特別給付金事業などの臨時的支出が減したことなどから、コストが微減となった一方,障害福祉サービス給付費等の社会保障給付費は依然として増加傾向にあることに加え,7地区ある土地区画整理事業など他会計への繰出金の増加も見込まれる。今後も社会保障給付費の増加は避けられない状況であり,引き続き,他の経費を含めて経費の節減を図るとともに、財源の確保に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

基礎的財政収支は,投資活動収支においては赤字だったものの,業務活動収支の黒字分が上回ったため、全体としては黒字となっている。昨年度と比較すると、業務活動収支については、子育て世帯や住民税非課税世帯等への臨時特別給付金の減により社会保障給付費等の義務的経費が減少したほか、税収の増加により,黒字幅が拡大している。投資活動収支については,佐和駅周辺地区整備事業が進捗し,国県等補助金収入が増加したこと等により、赤字幅が微減した。住民一人当たりの負債額は類似団体の平均を11.0ポイント上回っている。近年大型事業が続き、地方債の借入が償還額を上回る状況が続いたことが増加の要因となっているとみられる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は,類似団体平均値を下回っており、前年度との比較においては0.1%減少した。コロナ禍からの回復期にあったが,経常収益においては、公共施設等の施設使用料収入が依然として低く,コロナ禍前の水準まで届かなかった。また、公共施設の老朽化によある物件費等の経常費用が引き続き上昇傾向にあることから,公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、公共施設の長寿命化や計画的な補修を行うことで,経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,