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地方財政ダッシュボード

茨城県ひたちなか市の財政状況(2019年度)

🏠ひたちなか市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

前年度と指数に変化はなく,過去5年間をみても常に類似団体平均を上回る状況である。3ヶ年平均では0.96を維持しているものの,単年度でみると前年度の0.969に対しマイナス0.008となる0.961となっている。これは,社会福祉費等の上昇が影響していると考えられる。今後も社会保障関連経費の伸びが見込まれることから,税収等の歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

昨年度から0.4ポイント上昇し96.3%となった。地方税及び地方交付税等の増収により経常一般財源が増となった一方,一般財源による公営企業等への繰出金が増となったことによる上昇とみられる。令和2年度より会計年度任用職員制度が導入されることにより,人件費の増加が見込まれることから,さらなる財政硬直化が懸念される。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均よりも低い水準で推移しているものの,上昇が続いている。体育館や文化会館等の公共施設への指定管理制度の導入,消防,廃棄物処理等の広域化などコスト削減を図ってきたが,施設の老朽化による維持補修費の増加がこれを上回る状況とみられる。公共施設総合管理計画に基づき計画的な補修を行うほか,一時的な物件費上昇の要因とはなるが,老朽化した施設解体等も行い公共施設の適正管理を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

職員の若年化及び初任層の在級期間が国や他市町村と比較して長期であることにより,類似団体及び全国市の平均を下回っている状況である。今後も,市の財政状況並びに国・他市町村の状況等を踏まえ,引き続き給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体内で最低水準となっている主たる要因としては,消防業務及び可燃性廃棄物の中間処理に関する業務をひたちなか・東海広域事務組合が担っており当該部門の職員数が計上されていないことに加え,公立保育所及び公立幼稚園の職員数が類似団体内平均を下回っていることが挙げられる。これまで本市では事務の共同処理や民間委託,民間事業者との適切な役割分担のもとでの公立保育所及び公立幼稚園の再編に努めており,こうした取り組みが成果として表れているものと認識している。しかし,複雑化・多様化する行政ニーズに対応し,市民サービスを低下されることなく将来にわたって提供し続けることのできる組織体制を維持するためには,必要な人員は確保していかなければならないと考えていることから,年齢構成の平準化を図りながら継続的な採用を続けていく。

実質公債費比率の分析欄

地方債の償還に充てたと認められる繰入金及び平成27年度発行の臨時財政対策債の償還開始による元利償還金の増により,0.3ポイントの上昇となった。船窪土地整理組合から承継した債務の償還が完了したものの,大型事業の実施による借入やひたちなか・東海広域事務組合による施設整備への費用負担等が見込まれている。今後整備を予定している事業については,規模の見直し,整備時期の調整等により後年度負担の軽減,平準化に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均を上回る状況であり,特に前年度との比較ではプラス31.4ポイントの大幅な上昇となった。これは将来負担額において統合校建設事業等の学校施設整備により地方債の借入額が償還額を上回ったこと及び充当可能財源額において,財政調整基金等を取り崩したことによるものである。今後も大型事業が控えていることから,地方債の償還額を借入額が上回る見通しであり,比率の上昇が見込まれることから,事業実施時期等の適正化を図り,財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

職員給の増があるものの,経常一般財源の増により比率は横ばいとなった。今後は会計年度任用職員制度の導入により人件費の増が見込まれるため職員及び非常勤職員の適正配置を推進する。

物件費の分析欄

類似団体平均と比較し低い水準にある。廃棄物処理施設を一部事務組合にて運営していることが一因とみられる。前年度と比較すると0.2ポイント下回るものの,近年,警備や清掃業務等の委託料単価に上昇がみられることから,比率の上昇が見込まれる。施設管理等の費用は抑制が難しいが,仕様の見直し等に努める。

扶助費の分析欄

障害福祉サービス費や施設型給付費を始め経費全体で上昇がみられたものの,特定財源を伴うものが多く比率としては0.1ポイントと小幅な上昇に留まった。しかし,各種福祉施策の充実により,国県の負担はあるものの市の財政負担もあわせて増となっている。類似団体平均と比較しても高い水準であることから,財政負担の軽減を図ることが必要である。

その他の分析欄

前年度より0.9ポイント上昇し,類似団体平均との差も大きくなった。要因としては,下水道事業において公営企業法の一部適用企業への移行を控え,繰出金が増加したことが挙げられる。繰出金については,国民健康保険事業の広域化や令和3年度に控える介護保険料改定による影響についても見極めていく必要がある。また,繰出金の抑制のため,保険税率の見直しや予防・保健事業への取組み強化に努める。

補助費等の分析欄

類似団体平均より高い水準にあるが,これは一部事務組合にて広域的に運営している事務が複数あり,直営であれば人件費や物件費,維持補修費等に計上される費用が補助費として計上されていることによるものである。今後,消防施設整備等で一部事務組合への経費負担が増加する見込みであるため,各種補助金等について効果や公益性等の観点から適宜見直しに努める。

公債費の分析欄

前年度より償還金は増加しているものの,充当可能な特定財源が増になったうえ,経常一般財源の増もあり比率としては0.5ポイント減少した。当該年度の元金償還の範囲内で市債を発行する方針であるが,今後も統合校建設事業,佐和駅東西自由通路整備事業などの大型事業が続くことから,地方債残高の削減が難しい状況になりつつある。

公債費以外の分析欄

前年度より0.9ポイント上昇し,類似団体平均も5ポイント上回っている。人件費や物件費,補助費等,扶助費は前年度との比較において横ばいもしくは小幅な変動に留まっていることから,その他に含まれる公営企業への繰出金が影響しているとみられる。下水道事業への負担のほか,国民健康保険事業の広域化やコロナ禍の医療・介護への影響等,特に医療福祉関連の事業については経費の増減が不透明となっており,先を見通すのは困難な状況である。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体と比較して住民一人当たりコストが高いのは主に土木費及び教育費である。土木費については,地域間を結ぶ都市計画道路の整備を主として進めていることから,都市計画費のうち,特に街路費及び区画整理費が類似団体平均よりも高くなっており,教育費については,令和3年度開校予定の統合校建設事業や田彦小学校増築事業等により,小学校費,中学校費で類似団体平均を大きく上回る状況となっている。住民一人当たりコストが低いのは主に総務費及び民生費,衛生費である。民生費については,公立保育所の統廃合を進め,新規整備や大規模改修等を行っていないことから児童福祉費が特に低くなっており,衛生費については,廃棄物処理事業等を一部事務組合にて実施していることから特に委託料について類似団体平均を下回っている。総務費については,那珂湊支所新庁舎の整備が平成29年度に完了して以降大きな整備事業を抱えておらず,また庁舎等の施設数が少ないこともあり低コストとなっているとみられる。学校施設整備事業や区画整理事業については,次年度以降も続くことから,事業費の抑制に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体と比較して住民一人当たりコストが高くなっているものは主に繰出金,新規整備に係る普通建設事業費となっている。繰出金については,国民健康保険事業等の医療福祉関連会計のほか,下水道事業,7地区において施行中の土地区画整理事業等の公営企業への繰出によるものであり,新規整備に係る普通建設事業費については令和3年度開校予定の統合校建設事業に着手していることにより事業費が増となっていることによるものである。住民一人当たりコストが低くなっているものは主に人件費,物件費である。人件費については,消防事業の広域化により消防職員の人件費が計上されていないことや,公営企業に属する職員の人件費については繰出金に含まれることによるものであり,物件費については廃棄物処理事業等を一部事務組合にて実施していることによるものである。また,扶助費については歳出の増が続いており,住民一人当たりコストも上昇を続けている。類似団体平均も概ね上昇傾向であることから,当市に係る特殊要因によるものとは考えにくく,今後の抑制も困難とみられる。さらに,次年度以降に控える佐和駅東西自由通路整備事業等の大型事業により普通建設事業費,公債費のコスト増が見込まれることなどから,公共施設総合管理計画に基づいた公共施設の適正管理,事業実施時期の見直し等に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

令和元年度は,法人市民税や固定資産税等の税収の増があったものの,国民体育大会実行委員会への負担金等,一般財源による歳出の増が上回り,財政調整基金を約6億円取崩した。しかし,平成30年度に基金取崩しを回避したことにより単年度収支(純繰越金)が例年より少額であったことから,基金を取り崩してもなお令和元年度の実質単年度収支は黒字に回復する結果となった。財政調整基金の残高を維持するため,補助金等の歳入確保や事業の見直しによる歳出抑制を図っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

水道事業会計においては,水道料金や修繕引当金戻入益の減等により営業収益,営業外収益がともに減となった一方,旧阿字ヶ浦配水場解体工事や支払利息の減により営業費用,営業外費用とも減となった。費用の減額幅が大きかったことから,前年比プラス2.45ポイントとなった。また,一般会計において,市税の増や市債の借入に加え,財政調整基金及び減債基金から取崩しを行ったことにより歳入が増となり,黒字が拡大したことで前年比プラス2.44ポイントとなったことなどから,連結実質黒字は全体で増加となっている。しかし,墓地公園事業特別会計を除く特別会計については一般会計からの繰入金を受けており,基準外繰入や収入補てん的な繰入金を抑制しなければ財政を圧迫する恐れがある。特別会計においても事業の精査や財源の確保を図りつつ,一般会計からの繰入金の適正化に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

公営企業債元利償還金に対する繰入金について,農業集落排水事業を除く6会計において軒並み増となり全体で前年比111百万円の増となったほか,一般会計等においても,平成27年度発行の臨時財政対策債の償還開始に伴い元利償還金の額が前年度と比較し63百万円の増となった。今後控える大型事業に伴い,借入の増加や一部事務組合において消防施設整備を予定することから元利償還金に対する負担金も発生する見込みである。今後整備を予定している事業については,規模の見直し,整備時期の調整等を行い,後年度負担の軽減,平準化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高について,統合校建設事業や田彦小学校増築事業をはじめとする教育関連施設整備に係る借入により借入額が償還額を上回り,現在高が1,906百万円の増となった。財政調整基金をはじめ複数の基金を取崩したことや都市計画事業に係る地方債残高が減少傾向となっていることから,充当可能財源等が減少している。このため,将来負担比率の分子が8,091百万円の増となった。今後控える大型事業に係る地方債の借入により,償還額を上回る状況が続く見込みであることから,地方債残高は増加が想定されている。今後も地方債を適正に活用するとともに,充当可能財源等の確保に努め,将来負担額の抑制に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金を606百万円,減債基金を2,250百万円,公共用地取得基金等の特定目的基金を75百万円取崩した一方,積立は全ての基金を合わせて17百万円に留まったことから,基金全体では2,914百万円の減となった。(今後の方針)令和7年度までを策定期間とした中期財政計画では5年間で約206億円の財源不足を見込んでおり,基金の取崩しによる財政運営を見込まざるをえない状況にある。各種事業計画等に配慮しながらも,予算編成過程において事業実施時期や内容の精査を図り,基金残高の維持に努める。

財政調整基金

(増減理由)・前年度決算時に取崩しを回避したことによる純繰越金の減(今後の方針)・大型事業が控えていることが影響し,中期財政計画上も財源不足が見込まれることから,取崩しは避けられない状況にあり残高は減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)・償還のため2,250百万円を取り崩したことによる減少(今後の方針)・集中的に取組んできた学校耐震化事業に加え,統合校建設事業や佐和駅東西自由通路整備事業等の大型事業を実施することから,地方債償還のピークは数年先と見込んでいるため,年次の償還に合わせ計画的に取崩しを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共用地取得基金公共用地取得の推進・福祉ふれあい基金社会福祉事業の推進・緑のまちづくり基金緑豊かで快適なまちづくり事業の推進(増減理由)・公共用地取得基金道路用地等購入のため47百万円取崩したことによる減・緑のまちづくり基金記念樹の配布や緑の保存地区助成金等の緑化推進事業へ充当するため19百万円取崩したことによる減(今後の方針)・公共用地取得基金公共施設等の借地解消を図るため,計画的に取崩しを行っていく。・福祉ふれあい基金社会保障関連経費の増加に対応するため,充当事業を精査し計画的に取崩す等の検討を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については類似団体平均よりやや高い水準にある。平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画に定めた3つの基本方針に基づき令和7年度までを計画期間として,公共施設の適正化を進めている。これまで,生涯学習センター及び青少年センター等の機能を集約した子育て支援・多世代交流施設の整備,勤労者総合福祉センター,図書館等で個別施設計画策定している。令和元年度以降も引き続き各施設の個別施設計画の策定を推進していく。

債務償還比率の分析欄

類似団体平均と比較して282.1%上回っており,引き続き高い水準である。平成24年度に竣工したクリーンセンターに係る地方債の償還が進んでいるものの,義務教育学校建設による借入が令和2年度まで予定されており,将来負担額は増加傾向と想定される。経常経費は,扶助費が類似団体と比較し高い水準であり,会計年度任用職員制度の導入を控え人件費の増加が見込まれ,経常一般財源の充当割合がより高くなる見通しであり,短期的な比率の改善は難しい状況となっている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和元年度の将来負担比率は類似団体平均を63.4ポイント上回る81.8となった。これは,義務教育学校建設事業等の大型事業により地方債の発行額が償還額を上回ったこと及び地方債の償還や国民体育大会の開催による市負担金への対応のため,基金の取崩しを行ったことが主な要因である。義務教育学校建設事業は令和2年度まで予定され,その後も都市整備関連の大型事業が続くことから,地方債の発行額が償還額を上回る状態が今後数年間続くことが見込まれる。そのため,将来負担比率の上昇は続く想定である。有形固定資産減価償却率については,類似団体平均を2.2ポイント上回っている。インフラ資産では,高度成長期に整備された道路等が耐用年数を迎えていることから長寿命化を図る投資が必要となっており,事業用資産では,公営住宅や市民会館等の老朽化対策を検討しなければならないという状況にある。これから大型事業が控えており,将来負担比率も上昇の見通しにある中で,同時に既存施設に係る長寿命化等を図ることは容易ではない。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率,実質公債費比率ともに類似団体平均を上回る状態が続いている。平成28年度以降,地方債残高は増加に転じており,さらに令和2年度にかけて義務教育学校建設事業に係る大型の借入が実施される見込みである。償還の面では,平成24年度竣工のクリーンセンターに係る地方債の償還が折り返し地点を迎えているものの,残高のピークは数年先になると想定しており,将来負担比率の上昇も比例するとみられる。将来負担比率に現れた地方債残高の伸びは,順次元金償還が開始されることにより,追って実質公債費比率にも反映していくため,こちらも比率の上昇が続く見通しである。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっているのは,公営住宅である。また,平成30年度と比較すると学校施設のみ1.1ポイントの低下がみられる。公営住宅については,市営住宅全体の老朽化が進んでいるため,類似団体平均を7.1ポイント上回っている。空き室もあることから,既存住宅に対して長寿命化計画を策定し,存続する住宅に対しては補修工事等の必要な手当てをするとともに,老朽化が著しい住宅は解体を進め,適正な戸数となるよう管理していく。また,学校施設については,耐震補強等の整施設備が完了したこと,さらに各学校の給食調理場整備等が進んでいることなどから,毎年度,減価償却の開始間もない資産が追加され,ポイントの低下につながっている。一人当たり面積については,公営住宅のみ類似団体平均を上回っている状況にあるが,その他の施設類型に属する施設についても,類似団体平均との比較のみならず,当市の現状に則した適正規模を考慮しながら今後の整備等について検討を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっているのは,消防施設及び市民会館となっている。消防施設については,令和6年度の供用開始を目指し消防本部及び笹野消防署新庁舎建設の基本計画を策定したところである。市民会館については,耐用年数に近づいているが,補修工事等の計画的な執行により安定的な運営を行っている。また,当市は市民会館,保健センター等,複数の公共施設が同年代に建設され耐用年数の半分を経過する時期に入っているため,施設の長寿命化を推進していく必要がある。一人当たりの面積については,類似団体平均と比較し乖離の幅が大きいのは体育館・プール及び庁舎である。体育館・プールについては,市内に複数の体育館及び市民プールを有していることにより類似団体平均を上回っているものとみられるため,今後施設の適正配置や長寿命化に向けた検討を進めていく。庁舎については,当市は類似団体よりも市域が狭く,本庁舎以外に有する施設が支所1箇所のみであることから,類似団体平均を下回っているものとみられる。図書館については,平成30年度に那珂湊図書館の増築を行ったことから,類似団体平均を上回ることとなった。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては,資産総額が前年度末から540百万円(+0.26%),負債総額が1,910百万円(+2.99%)の増加となった。資産については、事業用資産において,美乃浜学園建設に伴う土地の取得や校舎建設の途上であることから建設仮勘定が大幅に伸びた一方で,現金預金において,大型事業による支出に対応するため財政調整基金や市債管理基金を取り崩したことによる減少があったことから,総額では小幅な伸びとなっている。負債については,美乃浜学園建設等の大型事業に対応した地方債の借入等により固定負債が1,609百万円(+2.77%)増加したことによるものである。水道事業会計,下水道事業会計等を加えた全体では,資産総額は上水道管,下水道管等のインフラ資産を計上していること等により,一般会計等に比べて72,190百万円多くなるが,負債総額も下水道管きょ等の整備に地方債(固定負債)を充当していること等から,50,403百万円多くなっている。ひたちなか市生活・文化・スポーツ公社,ひたちなか・東海広域事務組合等を加えた連結では,資産総額は、ひたちなか・東海広域事務組合の下水道に係るインフラ資産やひたちなか海浜鉄道(株)の資産を計上していること等により,一般会計等に比べて84,555百万円多くなっており、負債総額は,連結対象団体においては、借り入れが比較的少ないことから,一般会計等との差異は53,296百万円にとどまっている

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては,経常費用は49,180百万円となり,前年度比2,006百万円(+4.25%)の増加となった。そのうち,人件費等の業務費用は22,110百万円,補助金や社会保障給付等の移転費用は27,070百万円であり,移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは社会保障給付(13,179百万円、前年度比+593百万円)であり、純行政コストの27.72%を占めている。当該経費は義務的経費であることから,費用を圧縮することが難しく,財政硬直化の要因となっており,今後も増加傾向が見込まれることから、既存事業の見直し等裁量的経費の抑制に努める必要がある。全体では,一般会計等に比べて,水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が4,951百万円多くなっている一方,国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため,移転費用が19,162百万円多くなり,純行政コストは20,246百万円多くなっている。連結では,一般会計等に比べて,連結対象企業等の事業収益を計上し,経常収益が5,832百万円多くなっている一方,人件費が3,583百万円多くなっているなど,経常費用が41,196百万円多くなり,純行政コストは35,398百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては,税収等の財源(45,164百万円)が純行政コスト(47,539百万円)を下回っており、本年度差額は2,375百万円となり,純資産残高は1,369百万円の減少となった。純行政コストの上昇が続いていることから,引き続き税収等の自主財源の充実に努める。全体では,国民健康保険特別会計,介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから,一般会計等と比べて税収等の財源が23,695百万円多くなっており、本年度差額は1,074百万円となったことから,純資産残高は1,771百万円の増加となった。連結では,後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから,一般会計等と比べて税収等の財源が38,257百万円多くなるものの、本年度差額は484百万円となり,純資産残高は1,202百万円の増加にとどまった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,514百万円であったが,投資活動収支については、美乃浜学園の校舎建設等に着手していることから,▲2,884百万円となっている。財務活動収支については,地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから1,231百万円となっており,本年度末資金残高は前年度から861百万円増加し,2,486百万円となった。全体では、国民健康保険税等が税収等収入に含まれること等から、業務活動収支は一般会計等より1,946百万円多い4,460百万円となっている。投資活動収支では,水道事業会計において上坪浄水場の更新事業を行っていること等から,▲5,456百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから2,394百万円となり,本年度末資金残高は前年度から1,398百万円増加し,7,318百万円となった。連結では,生活・文化・スポーツ公社等の指定管理委託料等が業務収入に含まれることなどから,業務活動収支は一般会計等より2,068百万円多い4,582百万円となっている。投資活動収支では,ひたちなか東海広域事務組合における東海消防署改修等により,▲5,399百万円となっている。財務活動収支は,2,362百万円となり,本年度末資金残高は前年度から1,543百万円増加し,8,373百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

有形固定資産減価償却比率について,インフラ資産のうち特に道路について,高度経済成長期に整備された橋りょうが耐用年数を迎えている。道路法等に基づく点検においても,改修が必要と判定される橋りょうが発生しており、長寿命化に係る設備投資が必要となっている。また、事業用資産においては,昭和45年建設の市役所行政棟の耐用年数が迫っていることから,庁舎のあり方を検討する必要がある。今後は,公共施設等総合管理計画に基づき,老朽化した施設について,点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど,公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

将来世代負担比率は,分母となる臨時財政対策債等を除く地方債残高が過去に発行したクリーンセンター建設事業債や第三セクター等改革推進債の影響を受けていることに加え,学校耐震化事業,公共施設の解体等の大型事業により,類似団体平均を6.7%上回っている。今後も、建設中の美乃浜学園など大型事業が続くことから,般会計等においてはこの水準が維持される傾向と推測される。施設の長寿命化や適切な時期に補修を行うこと,大型建設事業の平準化になどにより,残高を抑制できるよう努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っているものの,平成30年度との比較では1.1万円の上昇がみられる。障害福祉サービス給付費等の社会保障給付費が増加傾向にあることに加え,8地区ある土地区画整理事業など他会計への繰出金の増なども要因と考えられる。今後も社会保障給付費の増加は避けられない状況であり,引き続き,他の経費を含めて経費の節減を図るとともに財源の確保に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

基礎的財政収支は業務活動収支においては黒字だったものの,投資活動収支の赤字分が上回ったため、全体としては赤字となっている。昨年度と比較すると,業務活動収支については,社会保障給付費等の義務的経費が増加があったものの、税収や交付税の増加により,黒字幅が拡大している。投資活動収支については,公共施設等整備支出が2,670百万円の増となったことから,赤字幅が拡大している。住民一人当たりの負債額は類似団体の平均を1.8ポイント上回っている。大型事業が続いていることから,地方債の借入が償還額を上回ることで緩やかな増加傾向となっているとみられる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は,類似団体平均値を下回っており、前年度との比較においても0.4%減少した。公共施設の老朽化により,維持補修費等の経常費用が上昇傾向にあることから,公共施設等総合管理計画に基づき,長寿命化や計画的な補修を行うことで,経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,