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地方財政ダッシュボード

岩手県洋野町の財政状況(2021年度)

🏠洋野町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少(前年同期-315人2.0%減)と併せ、農林水産業以外の中心産業が少ないことから財政基盤が弱い。また、市町村類型が変わったことにより類似団体平均より0.24ポイントと大幅に下回っている。基準財政需要額は、令和2年度から29,155千円増(令和2年度の0.5%相当)。基準財政収入額は、同じく38,602千円減(令和2年度の2.3%相当)となり、財政力指数はやや減少したが端数処理により同値となった。引き続き、自主財源の確保に努めながら、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

前年度と比較して4.5ポイント増加して90.3%となり、また、市町村類型が変わったことにより類似団体平均を6.8ポイント上回った。歳入は臨時的収入が総額で1,638,818千円の減、経常的収入が282,488千円の増となった一方、歳出は臨時的支出が1,725,289千円の減、経常的支出が619,693千円増となったことにより経常収支比率が増加したもの。経常的支出の増要因は、臨時的経費としていた会計年度任用職員人件費を経常的経費に移行したことによる人件費の増等で、経常的収入の増は普通交付税、国庫補助金(児童保護分)の増によるもの。今後は公債費が令和4年度にピークを迎えることや、人口減少により交付税額の減が見込まれることから人件費抑制や補助金見直し等により経常経費の縮減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

1人当たり決算額は前年度と比べ10,041円増加、また、市町村類型が変わったことにより類似団体平均を大幅に上回った。分母側の人口減少は避けられないことから分子側の伸びを抑制する必要がある。人件費は、種市こども園の民営化等により26,814千円(1.4%)減となった。物件費は、新型コロナウイルスワクチン予防接種業務委託料、コンビニ交付システム導入委託料等により全体で101,672千円(7.5%)増となった。定員管理適正化による人件費抑制や公共施設管理適正化による維持補修費の縮減等により経費削減に努めたい。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度と同値の91.8となったが、市町村類型が変わったことにより類似団体平均との差は4.4ポイントに拡大した。高齢・高給者の退職及び採用職員の初任給が経験年数階層内の他職員に比べて低いことや、大卒・高卒の経験年数30年以上の職員分布の変動による階層変動に伴い、指数は前年度比減となった。総人件費の削減に努める一方でラスパイレス指数の改善にも取り組む必要があり、両方のバランスを取りながら適正な定員管理を進める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年比で0.25ポイント増加し、また、市町村類型が変わったことにより類似団体平均との差異が3.09ポイントに開いた。一般職員等における職員数は対前年度1人減であったが、分母となる人口の減(16,436人→16,032人)が影響したものである。今後は再任用職員や定年延長を加味しつつ、定員管理計画に基づき適材適所・適正配置を基本とした定員管理を推進していく。

実質公債費比率の分析欄

前年度比0.6ポイント改善したが、市町村類型が変わったことにより類似団体との差は3.6ポイントに拡大した。事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費は29,172千円の減となったものの、災害復旧費等に係る基準財政需要額は過疎対策事業債、東日本大震災全国緊急防災施策債償還費、合併特例事業債の増等により45,289千円の増となり、基準財政需要額算入額は7,188千円の増となった。一方、元利償還金は、地域総合整備事業債、辺地対策事業債、地方道路等整備事業債、公営住宅建設事業債、公共事業等債の減等により17,580千円の減となった。標準税収入額等が増加したことにより比率が改善したものである。公債費は令和4年度にピークを迎える見通しであることから、予算の選択と集中を徹底し町債発行の平準化に努め、プライマリーバランスの黒字を確保し引き続き比率改善を図る。

将来負担比率の分析欄

市町村類型が変わったことにより、類似団体より8.7ポイント高いものの、前年度比では10.2ポイント改善した。算式の分子では、地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減により分子全体で、52.1ポイント減となった。分母では、標準財政規模が3.2ポイントの増、控除となる算入公債費が0.9ポイントの増となったものの分母全体で3.8ポイントの増となった。起債発行の平準化等により地方債現在高をコントロールするとともに、可能な限り有利な起債を活用し算入公債費の確保に努める。基金の計画的な管理運用等により充当可能財源を確保し持続可能な財政運営を目指す。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

前年度比0.3ポイント減少し、類似団体平均を1.1ポイント下回った。種市こども園の民営化等により、人件費全体では減となっているが、計画的な定員管理の推進が必要である。

物件費の分析欄

前年度から増減なく、類似団体平均との差は1.6ポイントに縮小した。委託料が増となったことにより、物件費の経常経費全体で54,613千円の増となったが、経常的一般財源が増加したことにより比率は横ばいとなったもの。今後、施設の老朽化に伴う物件費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき施設の統廃合などによる物件費の徹底した見直しを行い改善に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を0.3ポイント下回っているが、前年度より0.4ポイント増加した。補助事業の保育給付費等の増により増加したものである。町民サービスに直結する経費であり上昇傾向にあるが、財政を過度に圧迫することのないように注視する。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は前年より3.9ポイント増加し、類似団体比を0.8ポイント下回った。繰出金の増により比率が増となったもの。特別会計においては独立採算の原則に立ち、一般会計に負担が生じる繰り入れに依存しないように、引き続き努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度より0.5ポイント増加し、類似団体平均を上回っている。経常的一般財源は増加したものの、飲食業等事業継続支援給付金等の増により、比率が増となったもの。今後とも、通常事業分については町単独補助金の整理や合理化を図り、補助費等の抑制に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は増減なしであるが、市町村類型が変わったことにより類似団体平均との差は6.8ポイントに拡大した。緊急防災・減災事業債、過疎対策事業債、臨時財政対策債の増により公債費の経常経費全体で49,334千円の増となった一方、経常的一般財源が増加したことにより比率は横ばいとなったもの。今後においてもプライマリーバランスの確保、実質公債費比率の動向を見極めながら、緊急性、必要性を検討し事業の取捨選択に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は前年度比4.5ポイント増加したが、市町村類型が変わったことにより類似団体平均と同値となった。経常的支出のうち扶助費、補助費等が増となったことが要因となっている。経常経費であり簡単に削減することのできない費目ではあるが、町単独補助金の整理合理化を図るなどし、引き続き抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、特別定額給付金事業-1,623,500千円(皆減)等により大幅に減となったもの。民生費は、種市こども園の民営化による人件費の減や大野保育所整備事業の皆減等があったものの、扶助費の大幅増により全体で増となったもの。衛生費は、人件費34,813千円の増、新型コロナウイルスワクチン接種業務委託料73,600千円増等による物件費の増、久慈広域連合し尿処理負担金231,461千円の増や国保種市病院事業会計負担金56,247千円の増などによる補助費等の増により大幅な増となった。商工費の増は新型コロナウイルス感染症対策としての各種補助金等やにぎわい創造交流施設及びサテライトオフィス等整備工事等の増によるもの。公債費においては年々増加傾向にあった中、令和2年度は減となったが、令和3年度は5,092千円の増となった。令和4年度までは増加が見込まれることから引き続き事業の厳選や地方債発行の平準化に留意が必要である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費については、種市こども園の民営化や種市幼稚園の閉園等により費用は減となっているが、人口減により住民一人あたりのコストは増となっている。扶助費の大幅増は、住民税非課税世帯臨時特別給付金(社会福祉費199,062千円増)や子育て世帯への臨時特別給付(児童福祉費263,273千円増)等によるもの。補助費の大幅減は、特別定額給付金-1,623,500千円(皆減)等によるもの。災害復旧事業費の減は令和元年台風19号災の皆減によるもの。公債費は緊急防災・減災事業債25,974千円増、過疎対策事業債27,470千円増、臨時財政対策債13,683千円増等によるもの。令和4年度までは増が見込まれる。積立金の大幅増は、財政調整基金積立金211,958千円の増等によるもの。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

新型コロナの影響により未執行事業や事業費の減額が発生した一方、コロナ対策に当たり国庫補助金や交付金等を有効活用したことにより財政調整基金については取り崩しがなく、残高は271,046千円増となった。今後はポストコロナを見据えながら繰入れの抑制を図りつつ、積立額をコントロールし基金の持続可能な活用を図る必要がある。実質収支については、歳入歳出差引額が減少(R2:822,404千円→R3:571,670千円)したものの、翌年度繰越財源は大幅に減少(R2:314,849千円→R3:5,407千円)したことから、実質収支が58,708千円の増額となった。地方交付税の合併算定替の終了等により今後一層厳しい財政状況が見込まれることから、経常経費の縮減を進めるなどの努力が必要である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

病院事業については、収益的収支で8,368千円の利益となり、資本的収支では18,254千円の不足額となった。水道事業については、収益的収支で25,495千円の純利益を計上しており、資本的収支においては261,422千円の不足額を過年度分損益勘定留保資金で補填している。町村合併後の課題だった料金改定を令和元年度から本格実施しており、一般会計負担の縮減に寄与するものと期待している。一般会計については、実質単年度収支が増となった(148,547千円)ことから、標準財政規模比も7.96%と増加した。公共下水道事業では、歳入が22.4%、歳出が22.1%それぞれ減となり、3,801千円の実質収支黒字となっている。歳入においては国庫支出金等の減、歳出においては、公共下水道事業費等の減が要因である。国民健康保険会計については実質収支の黒字額は17,246千円から20,473千円(18.7%)に増加した。その他の会計についても、一般会計からの繰入金等で黒字を維持している状況であるが、一般会計の負担を必要最少限に抑えるため、基準外繰入を抑えるよう努め、収支均衡を図っている状況である。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

元利償還金については増加傾向が続いており、令和2年度は減となったものの令和3年度は49,334千円の増となった。緊急防災・減災事業債25,974千円増、過疎対策事業債27,470千円増、臨時財政対策債13,683千円増等が要因である。実質公債費比率の分子についても増加し、令和3年度は628,228千円となった。事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費は29,172千円の減となったものの、災害復旧費等に係る基準財政需要額は、過疎対策事業債、臨時財政対策債、合併特例事業債の増等により45,274千円の増となり、基準財政需要額算入額は36,933千円の増となった。今後も令和4年度のピークに向かって公債費が増加していく見通しである。基金を有効活用しつつ規模を一定程度維持しながら、住民サービスを低下させることなく有利な起債の活用に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

将来負担額は、これまで発行してきた地方債残高が令和2年度末で12,247,508千円であり、前年度に比べて549,437千円(4.2%)減、公営企業債等繰入見込額は前年比397,827千円(8.6%)減、退職手当負担見込額は前年比76,386千円(12.1%)減となった。全体では1,025,162千円(5.7%)減となった。充当可能財源等は、財政調整基金が前年度に比べ271,046千円増、減債基金が5,097千円減となっており、充当可能基金全体では157,739千円(3.3%)増となった。基準財政需要額算入見込額は、前年度に比べ565,901千円(4.9%)減となった。標準財政規模は、7,107,376千円で前年度に比べ221,108千円(3.2%)増となった。将来負担比率は8.7%で、前年度の18.9%と比べ、10.2ポイント減となっている。算式の分子において、基準財政需要額算入見込額の減により充当可能財源は減となったものの、地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減等により将来負担額が減となったことにより分子全体で52.1%減となったこと。分母では、標準財政規模が3.2%の増、控除となる算入公債費が0.9%増となり、分母全体で3.8%増となったことが要因と考えられる。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)令和2年度から令和3年度にかけては、約180,000千円の増となった。減債基金は5,097千円減、その他の特定目的基金の公共施設等整備基金は109,592千円減等となったが、財政調整基金が271,046千円増となり、基金全体では増となったもの。(今後の方針)基金残高は令和2年に続き増加したものの、新型コロナの影響による事業中止や不用額の増等、特異な要因によるところが大きい。歳入においては人口減少や合併算定替終了により税収や普通交付税の減少が見込まれ、積み立てることはおろか基金を維持していくのも困難になってきている。歳出においては機構改革やデジタル化による行政効率化、公共施設の統合を含めた適正管理等、あらゆる事業見直しにより基金を確保し、行財政運営の維持にあたる必要がある。

財政調整基金

(増減理由)271,046千円を積立て、取り崩しはなかったことにより増額となった。当初予算においては取り崩しを見込んでいたものの、新型コロナの影響による事業中止や不用額の増等により取り崩しがなく、決算剰余金及びふるさと納税分等を積立てたもの。(今後の方針)財政状況が厳しさを増す中、積み立てを取り崩しが上回る状況が続き残高は減少していく見込み。人口減少が続く町の規模に合わせた事業のダウンサイジングを徹底することで繰入れの抑制を図りつつ、町民サービスの質量の低下を招かないよう留意して適宜適切に積立額をコントロールし、有利な基金運用も含め基金の有効活用を図る必要がある。

減債基金

(増減理由)減債基金の残高は、運用益金を積立て、公債費償還金増額相当分として5,339千円の繰入を行ったことにより5,097千円の減となった。(今後の方針)中野小学校改築事業及び洋野消防署新築事業等の大型事業が続いたことから、令和4年にかけて償還金が増加し、実質公債費比率もピークを迎える。これに伴って減債基金の残高も減少していくことが見込まれ、今後も残高を維持するため計画的な起債発行を図る。

その他特定目的基金

(基金の使途)合併振興基金:合併に伴う地域の振興及び住民の一体感醸成。福祉基金:町民の保健福祉の増進。公共施設等整備基金:町が行う公共施設その他の施設の整備。ふるさと創生基金:伝統、文化、産業等を活かした特色のある町づくり。農山漁村地域活性化基金:農山漁村地域の活性化を図る。(増減理由)合併振興基金:運用益金の積立て(181千円)に対し、取り崩しは無し。福祉基金:積立額が26,093千円(うち、ふるさと納税26,079千円)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が58,300千円であり、32,207千円減となったもの。公共施設等整備基金:積立額が8千円であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が109,600千円であり、109,592千円減となったもの。ふるさと創生基金:積立額が11,438千円(うち、ふるさと納税11,426千円)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が20,400千円であり、8,962千円減となったもの。農山漁村地域活性化基金:積立額が42,614千円(うち、ふるさと納税24,268千円)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が16,500千円であり、26,114千円増となったもの。(今後の方針)福祉基金は、着実に増大している社会保障費に対し、町民サービスのレベルを維持していくため、取り崩しは避けられない。その他の特定目的金についても財源不足により継続的な活用が見込まれるものの、これ以上の基金残高減は一般的な公共サービス低下を招くおそれもあるため、機構改革や公共施設の統合、行政サービスの電子化などを進め、人件費を含む全ての事業で事業の廃止を含み見直しを進めることにより取崩額の抑制を図る。積立については、ふるさと納税を含め積立額の確保に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

資産の減価償却がどの程度進んでいるか資産の経年の程度を表す有形固定資産減価償却率は70.1%で、市町村類型が変わったこともあり類似団体の平均との差は縮小したが、依然として平均を上回っており老朽化が進んでいる状況にある。令和4年3月に改訂した公共施設等総合管理計画及び令和3年3月に策定した個別施設計画に基づき、計画的な修繕、長寿命化及び統廃合による施設の品質保持や機能改善に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還に充当できる一般財源(経常経費一般財源-経常経費充当財源ー償還充当限度額)に対する実質債務(将来負担額-充当可能財源)の比率である債務償還比率は、433.9%となり、市町村類型が変わったことにより類似団体の平均を上回ってしまったが、昨年度より13.5ポイント改善した。将来負担額は減少が続く見込みだが、人口減少等により経常一般財源等の確保は厳しさを増すことから比率の減少傾向は頭打ちとなる見込み。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和3年度における将来負担比率は8.7%、有形固定資産減価償却率は70.1%であり、類似団体の平均をそれぞれ8.7ポイントと5.8ポイント上回った。将来負担比率は、東日本大震災以降概ね減少傾向にあり、地方債現在高及び充当可能基金現在高も今後減少が見込まれることから、類似団体との均一化が進むものとみている。また、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して高い数値であるため、令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画と令和2年度に策定した個別施設計画による計画的な修繕、改善及び統廃合を進める必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、上記のとおり減少傾向である。実質公債費比率は上昇傾向にあったが令和2年度は改善に転じた。公債費は令和4年度にピークを迎えその後減少する見込みである。両比率とも改善傾向にあるが、依然として類似団体平均を上回っていることから、これらの指標を注視しながら引き続きプライマリーバランスの黒字を確保し、適切な起債活用に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、道路から公民館までほとんどの資産において類似団体を上回る数値となっている。これは、種市町と大野村が平成18年に合併した洋野町において旧両町村の類似資産重複があることや、施設の修繕及び長寿命化等が類似団体と比較して進んでいないことを表している。学校施設の有形固定資産減価償却率が類似団体とほぼ同値であるのは、種市中学校、種市小学校及び中野小学校の改築が大きく寄与しているものと考えられる。また、令和2年度に認定こども園・保育所・幼稚園の有形固定資産減価償却率が大きく低下したのは大野こども園の新築によるものである。他方、道路の一人当たり延長は162,905mであり、類似団体内順位が1位で平均の32,759mを大きく上回っている。広大な面積の岩手県の中にあって、洋野町の面積も類似団体と比較して広大であることが伺える。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館から庁舎までの各施設においても、有形固定資産減価償却率が類似団体平均と比較して高い傾向は変わっていない。一人当たり面積については、特に図書館、体育館・プール及び市民会館において類似団体平均を上回っており、旧種市町と旧大野村でそれぞれ保有していた現有施設の重複等が要因と考えられるため、施設の集約や規模の適正化を図る。常備消防施設及び一般廃棄物処理施設については久慈広域連合において広域実施しているものであるが、消防施設については洋野消防署が平成29年度に供用開始したことにより減価償却率が改善したものの、依然として類似団体平均より高い数値となっている。また、一般廃棄物処理施設については平成30年度から令和2年度まで実施した基幹的設備改良工事が完了したため大きく数値が改善し、令和3年度には、し尿処理場が移転新設したことによりさらに数値が改善した。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が1,394百万円△2.5%(令和2年度:54,913百万円→令和3年度:53,519百万円)となった。各種減価償却累計額(事業用資産、インフラ資産など)が主な要因である。負債については、△613百万円△4.5%(令和2年度:13,641百万円→令和4年度:13,028百万円)となった。臨時財政対策債現在高△196百万円、旧合併特例事業債現在高△263百万円、過疎対策事業債現在高△156百万円などが主な要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、505百万円5.0%増(令和2年度:10,197百万円令和3年度:10,702百万円)となった。移転費用が大きく増加しており、主な要因は補助金等が531百万円17.6%増(令和2年度:3,022百万円→令和3年度:3,553百万円)となっており、久慈広域連合し尿処理負担金(建設事業費分)の増が主なものである。また、業務費用のうち物件費は108百万円6.9%増(令和2年度:1,572百万円→令和3年度:1,680百万円)、維持補修費は80百万円85.1%増(令和2年度:94百万円令和3年度:174百万円)となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の本年度差額の差は△119百万円(令和2年度△793百万円令和3年度△912百万円)となった。税収等は△188百万円△2.4%(令和2年度:7,738百万円令和3年度:7,550百万円)、国県等補助金が△1,424百万円△37.9%(令和2年度:3,759百万円令和3年度:2,335百万円)で純行政コストの金額に対する財源は減となった。国県等補助金の減の要因は特別定額給付金事業費補助金や新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金等の減である。本年度純資産変動額の差は1,563百万円66.7%増(令和2年度:△2,344百万円令和3年度△781百万円)となった。増の要因は、令和2年度に特別養護老人ホームうなばら荘跡地の土地評価減があったためである。人口減少により税収や普通交付税等の減が見込まれることから、老朽化している公共施設等の統廃合など歳出の削減を図ることやふるさと納税等の寄附金増加などの施策の展開により財源確保に努めていかなければならない。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支は△126百万円△9.1%(令和2年度1,392百万円令和3年度:1,266百万円)となった。物件費等支出や補助金等支出が増となったことに加え、税収等収入が減となったことが要因である。投資活動収支は△213百万円(令和2年度△754百万円令和3年度△967百万円)となった。令和2年度に引き続き財政調整基金の取崩額はなく、基金積立金支出の272百万円増が主なものであり、本年度資金収支についても△471百万円△214.1%となっている。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は340.5万円であり、類似団体平均値238.9万円より101.6万円42.5%高くなっている。昨年度より2.0万円減少しているが、類似団体平均が大幅に減少しているため、類似団体平均との差は拡大した。歳入額対資産比率は4.31年であり、類似団体平均値3.58年より0.73年多くなっている。昨年度より資産は減少したものの、歳入が減少したこともあり類似団体平均との差は拡大しており、依然として資産額が多い状況となっている有形固定資産減価償却率は類似団体平均との差は縮小したものの、依然として類似団体より高い状況であることから、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の長寿命化や統廃合、未利用施設の売買及び解体による土地の売買等、計画的な施設の保有、運営、維持、処分に努める必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は75.7%で昨年度から0.5ポイント増加し、類似団体比率74.8%を0.9ポイント上回った。将来世代負担比率は20.9%で昨年度より2.1ポイント減少し、類似団体平均16.2%を4.7ポイント上回った。プライマリーバランスの黒字を保っていることにより地方債残高は減少している。引き続き、地方債においては世代間の公平に努めながら計画的に発行していく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは68.7万円であり、昨年度から8.0万円10.4%減少したが類似団体平均値53.5万円を15.2万円上回っている。単年度の純行政コストが△14億9,418万円と大幅減となったが、これは令和2年度の災害復旧事業費及び特別定額給付金事業により臨時損失が減少したことが要因である。また、公債費が令和4年度が償還ピークとなり、経常収支比率が高水準である。人口減少を注視しながら、行政コストの削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は82.9万円であり、昨年度より△2.2万円と改善しているが、類似団体平均値の60.4万円を22.5万円上回っており、類似団体平均値との差は拡大している。地方債現在高が減少傾向にあることから、引き続き地方債発行の抑制を図るほか、職員数の削減により退職手当引当金の減少に努める。基礎的財政収支は522百万円であり、類似団体平均を99.2百万円下回ったが、これは類似団体区分が変わったことにより類似団体平均が大幅に上がったことが要因である。業務活動収支では黒字となっているが、投資活動収支では787百万円の赤字となっている。人口減少による税収減等を見据え、歳出抑制に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は3.8%で昨年度より0.1ポイント上がった。類似団体平均値を1.2%下回ったが、これは類似団体区分が変わったことにより類似団体平均が大幅に上がったことが要因である。税負担の公平性やの確保については常に検討していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,