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地方財政ダッシュボード

岩手県洋野町の財政状況(2019年度)

🏠洋野町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少(前年同期-388人2.3%減)と併せ、農林水産業以外に中心産業がないことから財政基盤が弱く、類似団体平均から0.1ポイント下回っている。基準財政需要額は、令和元年度までの過去3年間で106,754千円増(令和元年度の1.7%相当)。基準財政収入額は、同じく110,375千円増(令和元年度の6.9%相当)となっており、それぞれ増加し、財政力指数は0.01ポイント増加した。引き続き、自主財源の確保に努めながら、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

前年度と比較して0.1ポイント減少したものの、類似団体平均との差は前年度と同じく1.4ポイントとなっている。歳入は臨時的収入が総額で202,244千円の減、経常的収入が45,927千円の減。歳出は臨時的支出が393,905千円の減、経常的支出が86,809千円の減となり、経常収支比率は91.5%となった。臨時的収支の主なものは、県支出金(1,104,797千円減)、普通建設事業費(924,191千円減)等である。経常的収支の主なものは、地方交付税(40,887千円減)、補助費等(57,600千円増)となっている。全体として財政の硬直化が進み、高い水準となっているため、引き続き指標改善に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

1人当たり決算額は前年度と比べ13,802円増加し、類似団体平均の伸び(441円増)を上回る伸びとなった。人件費は、退職金の増のほか、選挙対応、台風災害対応などによる増により66,212千円(3.8%)の増となった。物件費は、森林経営管理制度意向調査準備業務委託料、漁港海岸漂着物等除去業務委託料、プレミアム付商品券事業、定住促進団地整備計画策定業務委託料などが増加しており、物件費全体では95,926千円(6.9%)の増となった。人件費、物件費とも増加していることに加え、分母側である人口が減少していることから、1人当たりの決算額が増加したものと分析する。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度比0.2増の92.2となり、類似団体平均とは3.2ポイントの差となった。高齢・高給者の退職及び採用職員の初任給が経験年数階層内の他職員に比べて低いことや、大卒・高卒の経験年数30年以上の職員分布の変動による階層変動に伴い、指数前年度比増となった。総人件費の削減に努める一方でラスパイレス指数の改善にも取り組む必要があり、両方のバランスを取りながら適正な定員管理を進める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均を上回っており、差異が1.06ポイントに開いた。一般職員等における職員数対前年度比が3人増であることと、分母となる人口の減(16,824人→16,436人)が影響している。今後も定員適正化計画を基本に退職不補充等に取り組みつつ、専門性の高い部門への専任職員の適性配置等、適正な定員管理を進める。

実質公債費比率の分析欄

平成28年度に類似団体との比率が逆転し、令和元年度はその差が3.7ポイントに開いた。事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費は、-23,408千円の減となったものの、災害復旧費等に係る基準財政需要額は、過疎対策事業債、臨時財政対策債、合併特例事業債の増等により118,406千円の増となり、基準財政需要額算入額は93,225千円の増となった。一方、元利償還金は、地方道路等整備事業債、辺地対策事業債等が減となったが、合併特例事業債、過疎対策事業債、臨時財政対策債の増により、192,896千円の増となった。これらのことや、合併算定替等の影響による普通交付税の減等が影響し、悪化したものである。プライマリーバランスの確保や実質公債費比率18%(起債許可団体)を超えないよう、予算の選択と集中を徹底し町債発行の平準化に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体より7.5ポイント高い指標となっており、前年度から7.4ポイント増加した。算式の分子では、地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減、基準財政需要額参入見込額の減による充当可能財源の減により分子全体で、27.0ポイント減となった。分母では、標準財政規模が0.4ポイントの増、控除となる算入公債費が2.3ポイントの減となり、分母全体で1.1ポイントの増となった。分子では、将来負担額が4.7ポイントの減となっているものの、控除となる充当可能財源が、充当可能基金の10.9ポイント減などにより7.2ポイントの減となり、分子全体では37.9%の増となっている。基金を有効活用しながら規模を維持し、起債発行の平準化等に留意しながら、事業の選択と集中に努める必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

類似団体平均と比較すると、経常収支比率の人件費分に係る比率の差が開いた(1.5→1.9)。ラスパイレス指数は平均より低いものの、1千人あたりの職員数(12.29人)が類似団体より1.06人多く、指数としては0.7ポイント増加した。定員適正化計画に基づき職員数の適正化に取り組むとともに、類似団体と比べ指数が上回っていることからも、公営企業の経営を含め人件費関係経費全体について、抑制に努める。

物件費の分析欄

前年度より2.5ポイント減少し、類似団体平均を3.4ポイント下回った。会計年度任用職員制度の開始により、物件費(臨時職員経費)であった分が人件費に移動したこと等により、195,598千円(15.9%)の減となった。今後、施設の老朽化に伴う物件費の増加が見込まれることから、施設の統廃合などによる物件費の徹底した見直しを行い改善に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を0.8ポイント下回っており、前年度より0.2ポイント減少した。老人福祉費が1,658千円(4.0%)減、児童福祉費が9,374千円(1.9%)減となったが、社会福祉費が29,345千円(4.9%)増などにより、児童手当等を含めた扶助費全体では21,662千円(3.8%)の増となった。町民サービスに直結する経費であり上昇傾向にあるが、財政を過度に圧迫することのないように注視する。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は前年より0.1ポイント減少したものの、類似団体比5.3ポイントの差異となった。積立金は、過疎地域自立促進特別事業基金積立金が50,701千円(78.2%)の減等により34,332千円(13.2%)の減であった。一方、繰出金は、国民健康保険特別会計事務費繰出金5,071千円(38.7%)増、同診療施設特別会計繰出金6,000千円(13.6%)増、久慈広域連合介護負担金22,837千円(7.8%)増、公共下水道事業特別会計繰出金5,000千円(2.3%)増等により41,985千円(4.9%)の増となった。特別会計においては独立採算の原則に立ち、一般会計に負担が生じる繰り入れに依存しないように、引き続き努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度より1.2ポイント増加し、依然として類似団体平均を上回っている。久慈広域連合塵芥処理負担金(建設分)が171,465千円(389.9%)の増、久慈広域連合し尿処理負担金(建設分)が40,297千円(629.2%)の増であったことや、各種団体への補助金が増加傾向にあること等がポイント増加の要因である。今後とも、通常事業分については町単独補助金の整理合理化を図り、補助費等の抑制に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は前年度比0.8ポイント増となり、類似団体平均を6ポイント上回った。合併特例事業債13,704千円(3.9%)増、緊急防災・減災事業債11,889千円(11.5%)増、過疎対策事業債39,249千円(15.3%)、臨時財政対策債18,023千円(5.2%)の増等により、公債費全体で18,864千円(15.0%)の増となったことが要因と考えられる。今後においてもプライマリーバランスの確保、実質公債費比率の動向を見極めながら、緊急性、必要性を検討し事業の取捨選択に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は前年度比1.0ポイント減少し、類似団体を4.6ポイント下回った。人件費や扶助費、補助費等は増加しているものの、物件費が195,598千円(15.9%)減、投資及び出資金・貸付金が26,717千円(皆減)となっていることなどが要因となっている。経常経費であり簡単に削減することのできない費目ではあるが、町単独補助金の整理合理化を図るなどし、抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

消防費は、普通建設事業費の155,346千円(90.6%)減等が寄与し、住民一人当たりのコストは前年度比7,584円(20.3%)減となった。伴って類似団体内順位も7位から9位に下がり、類似団体との平準化が進んだものと見ることができる。衛生費は、補助費が久慈広域連合塵芥処理負担金197,481千円(128.2%)増、久慈広域連合し尿処理負担金43,905千円(116.9%)増、国保種市病院事業会計負担金10,000千円増などにより、合計253,211千円(40.3%)増、投資及び出資金が3,086千円(3.5)%増、繰出金が1,714千円(14.1%)増などにより、住民一人当たりのコストは17,434円(30.2%)増となった。衛生費においては、平成30年度において類似団体内順位が6位から10位に下がったものの、令和元年度は8位となっている。また、公債費においては年々増加傾向にあり、類似団体内順位は7位から5位に上がっており、額の開きも大きくなっている(23,976円→25,618円)。起債発行には今後も注意が必要な状況である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

普通建設事業費は、新規整備分が14,018円(40.4%)の増、更新設備分が3,801円(16.6%)の減となり、全体では前年度比52,952円(38.1%)の減、類似団体平均との比較は-27,434円で、類似団体内の順位は前年度の4位から15位となった。また、積立金は、類似団体が34,290円であるのに対し13,752円となっており、類似団体内順位も17位に位置付けられている。毎年の経営努力等により基金残高は平成29年度まで増加傾向だったが、平成30年度以降は減少していく見込みとなっている。町の規模に合わせ、事業のダウンサイジングによる繰入れの抑制を図りつつ、適宜適切に積立額をコントロールしながら基金の有効活用を図る必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金については、165,655千円の積立てに対し、505,500千円を取り崩しており、339,596千円の減となった。町の規模に合わせた事業のダウンサイジングにより繰入れの抑制を図りつつ、積立額をコントロールしながら基金の有効活用を図る必要がある。実質収支については、歳入歳出差引額が大きく増加(H30:369,134千円→R1:601,677千円)しているものの、翌年度繰越財源も大きく増加(H30:53,368千円→R1:513,335千円)したことから、実質収支が227,424千円の減額となり、実質単年度収支も-7.84%の大幅減となった。地方交付税の合併算定替の終了等により一層厳しい財政状況となっていることから、経常経費の縮減を進めるなどの努力が必要である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

病院事業については、収益的収支で119,141千円の純損失となり、資本的収支では47,654千円の不足額となった。水道事業については、収益的収支で11,843千円の純利益を計上しており、資本的収支においては197,841千円の不足額を過年度分損益勘定留保資金で補填している。町村合併後の課題だった料金改定を令和元年度から実施しており、一般会計負担の縮減に寄与するものと期待している。一般会計については、、実質単年度収支が大幅に減となった(-222,369千円)ことから、標準財政規模比も1.31%と大きく減少した。公共下水道事業では、歳入が11.9%の増、歳出が11.8%の増となり、4,625千円の実質収支黒字となっている。歳入においては、新たに公営企業会計適用に当たっての起債借入れを行ったことなどにより町債が増となったほか、国庫支出金等の増、歳出においては、公共下水道事業費等の増が要因である。国民健康保険会計については前年より0.45ポイント増加し、実質収支は48,501千円の黒字を維持した。歳入においては、繰入金と繰越金が増となったものの、県支出金が69,809千円の減となったことが大きな要因である。歳出においては、保険給付費が72,676千円の減、国民健康保険事業費納付金が29,847千円の減となったことなどによるものである。その他の会計についても、一般会計からの繰入金等で、黒字を維持している状況であるが、一般会計の負担を必要最少限に抑えるため、基準外繰入を抑えるよう努め、収支均衡を図っている状況である。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

元利償還金については増加傾向が続いており、令和元年度は19,000千円の増となった。合併特例事業債(67,476千円)増、過疎対策事業債(220,631千円)増、臨時財政対策債(56,083千円)の増等が要因である。実質公債費比率の分子についても増加傾向となっており、令和元年度は724,000千円となった。事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費は、-23,408千円の減となったものの、災害復旧費等に係る基準財政需要額は、過疎対策事業債、臨時財政対策債、合併特例事業債の増等により118,406千円の増となり、基準財政需要額算入額は93,225千円の増となった。今後も令和4年度のピークに向かって公債費が増加していく見通しである。基金を有効活用しつつ規模を一定程度維持しながら、住民サービスを低下させることなく有利な起債の活用に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担額は、これまで発行してきた地方債残高が、令和元年度末で132億1,491万2千円であり、前年度に比べて6億9,798万6千円、5.0%減、公営企業債等繰入見込額は前年比1億8,229万1千円、3.6%減、退職手当負担見込額は前年比2,964万8千円、4.8%減となった。全体では9億1,202万5千円、4.6%の減となった。充当可能財源等は、財政調整基金が前年度に比べ3億3,959万6千円減、減債基金が9,212万7千円減となっており、充当可能基金全体では5億7,444万円、10.9%減となった。基準財政需要額算入見込額は、前年度に比べ6億9,241万7千円、5.5%減となった。標準財政規模は、67億3,327万7千円で前年度に比べ2,863万6千円、0.4%増となった。将来負担比率は27.5%で、前年度の20.1%と比べ、7.4ポイント増となっている。要因としては、算式の分子では、地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減等により将来負担額は減となっているものの、財政調整基金の減・基準財政需要額算入見込額の減等による充当可能財源の減少のほうが大きくなったことにより、分子全体で38.2ポイント増。分母では、標準財政規模が0.4ポイントの増、控除となる算入公債費が2.3ポイント増となり、分母全体で1.1ポイント増となった。なお、将来負担比率の分子(A)-(B)「1,501」について、表中の百万円単位の数値を計算すると「1,502」となるが、端数処理の影響によるものである。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)平成30年度から令和元年度にかけては、340,000千円の減となった。財政調整基金は平成30年度まで増加していたが、令和元年度から財源不足により505,500千円取り崩したほか、東日本大震災復興交付金基金において、震災復興事業の清算による返還金等が生じたことにより51,792千円の減となっていることに加え、減債基金やその他の特定目的基金において減少したため。(今後の方針)合併算定替が終了する令和2年以降の予算編成から財源不足が著しく、積み立てることはおろか基金を維持していくのも困難となってきている。そのような中にあっても、予算見込みを上回った税収や税収以外の収入について積み立てを進めるとともに、事業実施の段階においてもコスト意識を持って当たり、そこから生じる不用額を積み立て財源としていきたい。

財政調整基金

(増減理由)令和元年度以降の財源不足による減少を見据え、毎年の経営努力等により残高は平成30年度まで増加傾向であったが、見込み通り令和元年度は財源不足により505,500千円を取り崩したことにより減少している。(今後の方針)厳しい財政状況の中で、積み立てよりも取り崩しによる基金残高減少を見込んでいるものの、取り崩すだけでなく、町の規模に合わせた事業のダウンサイジングを徹底することで繰入れの抑制を図りつつ、町民サービスの質量の低下を招かないよう留意して適宜適切に積立額をコントロールしながら基金の有効活用を図る必要がある。

減債基金

(増減理由)減債基金の残高は、令和元年度にかけて減少している。公債費償還金増額相当分として87,187千円の繰入を行ったことが主要因である。(今後の方針)中野小学校改築事業及び洋野消防署新築事業等、大型事業が続いたことから、令和4年にかけて実質公債費比率がピークを迎える。これに伴って減債基金の残高も減少していくことが見込まれるところである。

その他特定目的基金

(基金の使途)合併振興基金:合併に伴う地域の振興及び住民の一体感醸成。福祉基金:町民の保健福祉の増進。公共施設等整備基金:町が行う公共施設その他の施設の整備。ふるさと創生基金:伝統、文化、産業等を活かした特色のある町づくり。過疎地域自立促進特別事業基金:地域医療の確保、住民の日常的な移動のための交通手段の確保、集落の維持及び活性化など、住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現。(増減理由)合併振興基金:運用益金の積立て(411千円)による増。福祉基金:積立額が9,467千円(うち、ふるさと納税9,369千円等)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が67,700千円であり、58,233千円減となったもの。公共施設等整備基金:積立額が54千円であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が67,200千円であり、67,146千円減となったもの。ふるさと創生基金:積立額が2,259千円(うち、ふるさと納税2,212千円)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が42,300千円であり、40,041千円減となったもの。過疎地域自立促進特別事業基金:積立額が14,106千円(医師養成奨学資金貸付事業返還金9,600千円、国際交流スポーツ振興事業4,500千円等)であったのに対し、各事業に充当するための取崩額が37,800千円であり、23,694千円減となったもの。(今後の方針)福祉基金は、着実に増大している社会保障費に対し、町民サービスのレベルを維持していくため、取り崩しは避けられない。その他の特定目的金についても財源不足により継続的な活用が見込まれるものの、これ以上の基金残高減は一般的な公共サービス低下を必ず招くおそれもあるため、機構改革や公共施設の統合、行政サービスの電子化など進め、人件費を含む全ての事業で事業の廃止を含み見直しを進めたい。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

全体の有形固定資産減価償却率は67.1%と類似団体平均を上回っており、老朽化による施設の更新が必要な施設が多くなっている。原因としては、統廃合による学校施設や児童館施設など老朽化による休眠施設が多く、除却が必要な施設が多くなっている。今後の少子高齢化による人口減少を鑑み、公共施設等総合管理計画を中核として、需要に応じて適切に改修又は更新を図るとともに、不用施設の民間譲渡や除却を計画的に実施する必要がある。

債務償還比率の分析欄

平成18年度から発行している合併特例事業債と平成22年度から発行している過疎対策事業債、平成24年度から発行している緊急防災・減災事業債の発行による償還のピークが令和4年度であることから、今後の人口減少による普通交付税の減額や税収の落ち込み等を考慮し、プライマリーバランスを保ち地方債の発行等をコントロールすることにより、債務残高は順調に減少しており、令和5年度以降の地方債発行についても、債務の平準化や町民の将来負担のコントロールをし、このまま安定させていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は平成27年度から減少傾向であったが、令和元年度で上昇に転じた。原因としては、プライマリーバランスの黒字化により地方債残高は減少させているが、財政調整基金を含め全基金残高が減少したことによる。また、有形固定資産減価償却率は道路、公営住宅、学校施設、保育施設、漁港施設等財政事情により老朽化対策が進んでいないことから、公共施設等総合管理計画により適切な長寿命化対策と未利用施設の譲渡及び除却を計画的に進めることで、減価償却率と将来負担比率の改善を図っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率及び将来負担比率は類似団体と比べ高くなっている。公債費の償還ピークは令和4年度となっていることから、実質公債費比率は令和7年度から減少になると想定している。また、将来負担比率についても、令和元年度に一時的に上昇したが、プライマリーバランスの黒字を保っていることから地方債残高は減少しており、令和2年度から減少に転じると想定している。両比率は分母である基金残高や交付税等の数値でも変動するため、財政調整基金や各種基金の計画的な取り崩しが必要なことから、予算規模のダウンサイジングを図りながら、今後の町民ニーズを適切に判断し、バランスのとれた財政運営が必要である。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

ほとんどの類型においては、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っている。特に、公営住宅は減価償却率が80.2%と高い傾向にあり、町営住宅等長寿命化計画により、継続管理、個別改善、建て替えなど適切かつ計画的に進めることとしている。漁港施設は、類似団体内順位が最下位で減価償却率が84.5%となっている。漁港施設は財源などを考慮すると大規模改修が難しいことから、長寿命化計画により、早期修繕による対応が必要である。認定こども園、幼稚園、保育所については、公立保育所が多い町であり、有形固定資産減価償却率が77.7%と類似団体内平均を大きく上回っている。種市保育園の民営化に伴い、公立保育園と公立幼稚園の統合による公立施設の除却を令和2年度から3年度に実施することとしており、施設の除却により率の改善が見込まれる。また、少子化による公立保育所の統廃合に伴う老朽施設の除却が必要であり、令和3年度から認定こども園(大野保育所)が新設されることから、その後、3施設の統合を検討することとしている。児童館施設については、有形固定資産減価償却率が86.5%と類似団体内平均を上回っている。大野地区に4つの専用施設があり、公共施設等総合管理計画により適切に維持管理することとしている。本欄の施設については、老朽化等による休眠施設も多く、今後、財政状況を考慮しながら、除却も進めていかなければならない。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館の有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を大きく上回っている。2施設あるうちの種市図書館は老朽化が進んでおり、他の統合施設を含め建て替えの検討が必要である。体育施設等については、種市体育館は屋根、床等の長寿命化、大野体育館は耐震補強や暖房施設の大規模改修を実施し、長寿命化を図っている。地区体育館についても、順次、トイレ、床等の改修を実施する予定としており、今後も適切な管理が必要である。町民文化会館については有形固定資産減価償却率は類似団体を下回っているが、建設から20年経過し、屋根、外壁、機械設備の老朽化が始まっていることから、令和2年度から3年度に大規模改修を予定しており、早めの老朽化対策を実施することとしている。一般廃棄物処理施設は久慈広域連合で管理しており、有形固定資産減価償却率が類似団体平均を大きく上回っている。震災で被災したことから、塵芥施設は令和2年度に大規模改修が完了予定であり、汚泥施設は新たな用地に建設中で令和3年度末には完成予定であることから、令和3年度中には老朽化が改善される予定である。消防施設は平成29年度に洋野消防署を建て替えにより新設したが、消防団施設等の建て替えが財政事情により進んでいないことから、今後、公共施設等総合管理計画により、適切に施設の更新を図り、安全、安心な消防団活動ができるよう対応する必要がある。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が△1,756百万円△3.0%(平成30年度:59,471百万円令和元年度:57,715百万円)となった。各種減価償却累計額(事業用資産、インフラ資産など)による他、減債基金は△42百万円△7.1%(平成30年度:588百万円→令和元年度:546百万円)、その他基金△222百万円△6.8%(平成30年度:3,275百万円令和元年度3,053百万円)で、東日本大震災復興交付金基金返還金△51百万円が主な要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、△776百万円△7.3%(平成30年度:10,631百万円令和元年度9,855百万円)となった。移転費用が大きく減少しており、主な要因は補助金等が△851百万円△67.6%(平成30年度:3,476百万円→令和元年度:2,625百万円)となっており、介護施設等整備事業補助金及び平成28年度平成29年度繰越・事故繰越決算である畜産競争力強化整備事業費補助金の減である。また、業務費用のうち人件費は64百万円0.6%増(平成30年度:1,701百万円令和元年度:1,765百万円)となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の本年度差額の差は181百万円(平成30年度:△1,229百万円令和元年度△1,048百万円)となり、14.7%となった。税収等は537百万円7.7%(平成30年度:6,958百万円→令和元年度7,495百万円)、国県等補助金が△1,046百万円△40.9%(平成30年度:2,558百万円令和元年度:1,512百万円)で純行政コストの金額に対する税収等が増となり、国県等補助金受入額が減少となった。税収等の増の要因は震災復興特別交付税(久慈広域連合し尿建設負担金)増であり、国県等補助金の減の要因は平成28年度・平成29年度繰越・事故繰越決算である畜産競争力強化整備事業費補助金事業の県補助金の減によるものである。本年度純資産変動額の差は201百万円16.3%(平成30年:△1,232百万円令和元年度△1,031百万円)となった。人口減少により税収や普通交付税等が見込まれることから、老朽化している公共施設等の統廃合など歳出の削減を図ることやふるさと納税等の寄附金増加などの施策の展開により財源確保に努めていかなければならない。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支は263百万円25.0%(平成30年度:1,050百万円令和元年度1,313百万円)となった。災害復旧事業費支出の臨時支出が132百万円356.8%及び業務支出の人件費76百万円4.5%増、業務収入の国県等補助金収入△1,033百万円△42.1%が減であったが、移転費用支出の補助金等支出△851百万円△47.3%及び業務収入の税収等収入532百万円7.6%増であったことから増となった。投資活動収支は39百万円9.2%(平成30年度:△421百万円令和元年度:△382百万円)となった。財源不足による財政調整基金の取崩額が500百万円を多額となったことから、各種基金の取り崩しを抑制するため、施設の統廃合、機構改革など行財政改革が必要である。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は351.1百万円であり、類似団体平均値292.1百万円より59百万円20.2%高くなっている。歳入額対資産比率は4.97年であり、類似団体平均値4.04年より0.93年多くなっている。以上のことから、類似団体と比較して、昨年度より減少したが、資産額が多い状況となっている。有形固定資産減価償却率も類似団体より高い状況であり、老朽化対策等が必要である。公共施設等総合管理計画を基づき、老朽化対策や施設の統廃合、未利用施設の売買及び解体による土地の売買等、計画的な施設の保有、運営、維持、売却に努める必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は75.6%で類似団体比率と同程度であり、昨年度より0.5ポイント比率が上がった。将来世代負担比率は20.2%で昨年度より0.5ポイント下がっている。プライマリーバランスを保っていることから、地方債残高が減少していることが要因であることから、引き続き、地方債発行等においては、世代間の公平に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは61.2万円であり、類似団体平均値59.3万円を1.9万円上回っている。昨年度より単年度行政コストは減少しているが、人件費、公債費(令和4年度が償還ピーク)などの経常収支比率が高水準であることから、人口減少を注視しながら、行政コストの削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は85.8万円であり、類似団体平均値の74.0万円を11.8万円上回っている。昨年度と比較すると2.3万円減少し改善している。地方債現在高が減少傾向にあることから、引き続き地方債発行の抑制に努め、職員数の削減による退職手当引当金の減少に努める。基礎的財政収支は350百万円であり、類似団体平均値の126.3百万円を上回っている。業務活動収支では黒字となっているが、投資活動収支では382百万円の赤字となっている。財政調整基金など基金取崩額が多額となっていることから、人口減少による税収減等を見据え、歳出抑制に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は3.8%であり、昨年度より0.2ポイント上がり、類似団体平均値の4.5%を0.7ポイント下回っている。直接的な負担割合が類似団体と比べて低いところであるが、税負担の公平性やの確保については常に検討していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,