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地方財政ダッシュボード

岩手県洋野町の財政状況(2017年度)

🏠洋野町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少(前年同期-384人2.2%減)と併せ、農林水産業以外に中心産業がないことから財政基盤が弱く、類似団体平均から0.12ポイント下回っている。基準財政需要額は、29年度までの過去3年間で150,202千円増(平成29年度の2.5%相当)。基準財政収入額は、同じく109,282千円増(平成29年度の7.3%相当)となっており、それぞれ増加し、財政力指数は0.01ポイント増加した。引き続き、自主財源の確保に努めながら、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

前年度と比較して0.3ポイント減少し、類似団体平均とは1.1ポイントの開きとなった。歳入は臨時的収入が総額で696,796千円の減、経常的収入が59,382千円の増。歳出は臨時的支出が662,988千円の減、経常的支出が42,819千円の増となり、経常収支比率は90.8%となった。臨時的収支の主なものは、県支出金(-150,103千円)、普通建設事業費(-433,360千円)等である。経常的収支の主なものは、地方税(140,286千円増)、公債費(111,160千円増)、人件費(75,553千円増)及び扶助費(51,851千円増)となっている。全体として財政の硬直化が幾分改善されたが、高い水準となっているため、引き続き指標改善に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

1人当たり決算額は前年度と比べ3,930円増加し、類似団体平均の伸び(3,876円増)と同水準の伸びとなった。人件費は、国に準じた給与改定等により90,459千円(5.4%)の増となった。物件費は、庁内LANセキュリティ強化システム構築業務委託料、中野小学校初度整備用備品購入費、観光施設復興支援事業業務委託料等がそれぞれ減少し、物件費全体では79,928千円(5.6%)の減となった。物件費が減少したが、人件費が増加していること、分母側である人口が減少していることから、1人当たりの決算額が増加したものと分析する。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度と同数の92.4となり、類似団体の数値異動により3.4ポイントの差となった(但し、給与実態調査公表前の数値であり、前年度数値を引用していること)。平成27から平成28にかけては、引上げ率の相違及び採用・退職による職員構成の変動により0.4ポイント増となったものの、階層変動に係る職員構成の変動等により0.7ポイント減少し、全体として0.3ポイント減少となった。総人件費の削減に努める一方でラスパイレス指数の改善にも取り組む必要があり、両方のバランスを取りながら適正な定員管理を進める。※平成29年度数値については、平成30年度調査結果未公表のため、前年度の数値を引用している。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均を上回っており、差異が0.94ポイントに開いた。一般職員等における対前年度比は前年度今年度ともに198人の同数であったが、分母となる人口の減(17,515人→17,131人)が影響している。今後も定員適正化計画を基本に退職不補充等に取り組みつつ、専門性の高い部門への専任職員の適性配置等、適正な定員管理を進める。

実質公債費比率の分析欄

平成28年度に類似団体との比率が逆転し、平成29年度においてその差が2.1ポイントに開いた。公共事業等債(橋梁長寿命化)及び公営住宅建設事業債が影響しているほか、中野小学校大規模改築事業及び洋野消防署整備事業による起債借入の負担が増す見込みであることから、プライマリーバランスの確保や実質公債費比率18%(起債許可団体)を超えないよう、予算の選択と集中を徹底し町債発行の平準化に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体より7.2ポイント高い指標となっており、前年度から6.1ポイント減少した。算式の分子では、地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減、基準財政需要額参入見込額の減による充当可能財源の減により分子全体で、19.5ポイント減となった。分母では、標準財政規模が0.2ポイントの増、控除となる算入公債費が6.5ポイントの増となり、分母全体で1.1ポイントの減となった。基金を有効活用しながら規模を維持し、起債発行の平準化等に留意しながら、事業の選択と集中に努める必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

類似団体平均と比較すると、経常収支比率の人件費分に係る比率の差異が増加した(1.9→2.5)。ラスパイレス指数は平均より低く、1千人あたりの職員数(11.56人)が類似団体より0.94人多く、指数としては0.6ポイント増加した。定員適正化計画に基づき職員数の適正化に取り組むとともに、類似団体と比べ指数が上回り、差異が開いていることからも、公営企業の経営を含め人件費関係経費全体について、抑制に努める。

物件費の分析欄

前年度より0.5ポイント減少し、類似団体平均を0.3ポイント下回った。庁内LANセキュリティ強化システム構築業務委託料-14,342千円(皆減)、中野小学校初度整備用備品購入費-13,814千円(皆減)、観光施設復旧支援事業業務委託料-12,556千円(皆減)等により、物件費全体で-79,928千円(5.6%減)となった。今後、施設の老朽化に伴う物件費の増加が見込まれることから、施設の統廃合や臨時職員数の削減等による物件費の徹底した見直しを行い改善に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を0.1ポイント下回っており、前年度より0.6ポイント増加した。社会福祉費が32,356千円(5.7%)増、老人福祉費が8,197千円(23.9%)増などにより、扶助費全体で39,239千円(3.5%)の増となった。町民サービスに直結する経費であり上昇傾向にあるが、財政を過度に圧迫することのないように注視する。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は前年度より1.5ポイント減少し、類似団体比5.1ポイントの差異となった。アグリパークおおさわ管理運営費貸付金-4,000千円(66.7%減)、財政調整基金等の積立金が-211,102千円(73.7%減)などにより、その他の経費全体としては減少となった。繰出金も-226,918千円(19.7%減)となっており、特別会計においては独立採算の原則に立ち、一般会計に負担が生じる繰り入れに依存しないように、引き続き努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度より1.0ポイント減少したが、依然として類似団体平均を上回っている。各種団体への補助金や久慈広域連合への負担金等が増加傾向にあることが、ポイント増加の要因である。今後とも、通常事業分については町単独補助金の整理合理化を図り、補助費等の抑制に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は前年度比1.5ポイント増となり、類似団体平均を3.3ポイント上回った。過疎対策事業債が87,734千円(115.7%)増、辺地対策事業債が23,165千円(9.6%)増などにより、公債費全体で111,160千円(7.6%)の増となったことが要因と考えられる。今後においてもプライマリーバランスの確保、実質公債費比率の動向を見極めながら、緊急性、必要性を検討し事業の取捨選択に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は前年度比1.8ポイント減少し、類似団体比2.2ポイントの減となった。人件費や扶助費で増加しているものの、物件費やその他の費目で減少しており、特に積立金・貸付金-391,358千円(53.6%減)などが要因となっている。経常経費であり簡単に削減することのできない費目ではあるが、町単独補助金の整理合理化を図るなどし、抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

消防費及び衛生費において、類似団体との乖離が顕著である。消防費は、八木地区宅地嵩上げ事業-70,429千円(40.4%減)及び洋野消防署整備工事-25,721千円(6.4%減)等により全体として減少しているものの、それぞれの事業規模が大きいことや、新たに戸類家・玉川地区消防屯所整備事業8,721千円(皆増)を実施したことなどから、消防費の類似団体内順位1位が継続しているものである。衛生費は、カーボン・マネジメント強化設備工事等業務委託料442,382千円(皆増)が増加要因であるが、当該年度のみの特別要因であり、平成30年度以降は平準化されるものと見込まれる。また、災害復旧費における平成25年度から平成26年度の減少幅が大きいのは、東日本大震災の事業進捗状況を表しているもの。諸支出金において平成25年度が突出しているのは、震災による高台移転者の土地購入費(2,670千円)と、農林業振興等多用途用地購入費(118,000千円)を要因とするものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

普通建設事業費のうち新規整備分については、前年度比-39,046千円と大きく減少し、類似団体との順位も1位から3位となったが、依然として類似団体との差異が大きい。種市高等学校学生寮整備事業及び中野中学校テニスコート改修事業等が要因と考えられるが、今後の新規整備は減少する見込みである。また、普通建設事業のうち更新整備に係る費用は、前年度、類似団体最下位の24番目から今年度15番にランクされ上昇傾向にある。今後もこちらの費用が嵩んでいく事が予想される。積立金は年度によって変動が大きく、平成29年度は21,558千円の減少となった。毎年の経営努力等により基金残高は増加傾向だったが、平成30年度以降は減少していく見込みとなっており、基金の有効活用に考慮しつつ、適宜適切に積立額をコントロールしていきたい。平成26年度に突出している貸付金は、地域総合整備資金貸付金(洋野角浜太陽光発電事業)575,000千円(皆増)によるもの。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金については、残高が徐々に増加しているが、平成30年度以降においては主要財源として取り崩しを見込んでおり、基金を有効活用しつつも枯渇しないよう、残高をコントロールしていく必要がある。実質収支について、平成28年度は翌年度繰越額が大きかったことから1.78%となっていたが、平成29年度は例年並みの実質収支額に戻る傾向となり、2.95ポイントの増加となった。地方交付税の合併算定替段階的縮減が平成28年度から始まっており、一層厳しい財政状況となっている。経常経費の縮減を進めるなどの努力が必要である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

病院事業については、収益的収支で169,649千円の純損失となり、資本的収支では35,039千円の不足額となった。一方経常収支においては、入院収益及び介護サービス事業収益の減、給与費及び支払消費税調整額の増などにより、収入減、支出増となり、115,139千円の経常損失を計上した。水道事業については、資本的収支における250,546千円の不足額を、消費税及び地方消費税資本的収支調整額及び過年度分損益勘定留保資金で補填したものである。町村合併後の課題でもある料金改定に着手するなど、一般会計からの負担を縮減する必要がある。一般会計については、実質単年度収支が大幅に減となった平成28年度の反動もあり、標準財政規模比が2.94ポイント増加した。公共下水道事業では、歳入が15.1%の減、歳出が14.6%の減となり、7,959千円の実質収支黒字となっている。歳入では国庫支出金及び町債等の減、歳出では公共下水道事業費の減が要因である。国民健康保険会計については前年より0.04ポイント増加した。実質収支は6,608千円の黒字を維持したが、一般会計からの繰入によるところが大きい。平成30年度から国保運営主体が都道府県に移管されているが、引き続き国保財政の健全化を図っていく必要がある。その他の会計についても、一般会計からの繰入金等で、黒字を維持している状況であるが、一般会計の負担を必要最低限に抑えるため、基準外繰入を抑えるよう努め、収支均衡を図っている状況である。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

元利償還金については増加傾向が続いており、平成29年度は111百万円の増となった。過疎対策事業債87,734千円(115.7%)増及び辺地対策事業債23,165千円(9.6%)増等が要因である。実質公債費比率の分子についても増加傾向となっており、平成29年度は659百万円となった。当初予算編成では12億円を目安に公債費を計上しているところだが、中野小学校改築事業、洋野消防署建設事業等の大型事業が続いたことから、今後平成34年度のピークに向かって公債費が増加していく見通しである。基金を有効活用しつつ規模を一定程度維持しながら、住民サービスを低下させることなく有利な起債の活用に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

将来負担額は、これまで発行してきた地方債残高が、平成29年度末で145億1,384万1千円であり、前年度に比べて1億9,830万2千円、1.3%減、公営企業債等繰入見込額は2億8,946万7千円、5.2%減、退職手当負担見込額が4,295万円、5.5%減となった。全体では5億3,212万9千円、2.5%の減となった。充当可能財源等は、財政調整基金が前年度に比べ2,677万9千円増、減債基金が4,115万4千円減となっており、全体で充当可能基金が4,155万5千円、0.8%増となった。基準財政需要額算入見込額は、前年度に比べ1億7,403万4千円、0.2%増となった。標準財政規模は、67億8,559万1千円で前年度に比べ1,478万5千円、0.2%増となった。将来負担比率は27.0%で、前年度の33.1%と比べ、6.1ポイント減となっている。要因としては、算式の分子では、地方債現在高の減、公営企業債等繰入見込額の減、基準財政需要額参入見込額の減による充当可能財源の減により分子全体で19.5ポイント減。分母では、標準財政規模が0.2ポイントの増、控除となる算入公債費が6.5ポイント増となり、分母全体で1.1ポイント減となった。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)平成28年度から平成29年度にかけては、38百万円の減となった。財政調整基金は増加したものの、減債基金やその他の特定目的基金において減少したため。減債基金では、公債費償還金増額相当分として30百万円の取り崩しを行った。また、東日本大震災復興交付金基金では、八木地区宅地嵩上げ事業に基金の活用を進めたことなどから、基金全体として減少した。(今後の方針)予算見込みを上回った税収や、税収以外の収入について積み立てを進めるとともに、事業実施の段階においてもコスト意識を持って当たり、そこから生じる不用額を積み立て財源としていきたい。但し、いたずらに基金残高が膨れ上がり、一方で町民へのサービスが低下することの無いよう、バランスを取りながら基金残高の管理を進めて参りたい。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金残高は、平成29年度にかけて増加している。普通交付税の合併算定替特例措置の段階的縮減及び社会保障関係経費の増大を考慮して積み立てたもの。予算としては取り崩しを見込んで計上しているが、効率的な事業実施を図り、実際の取り崩し額を低く抑えることができている。(今後の方針)決算状況を踏まえ、可能な範囲での積み立てをして参りたいが、町民サービスの質量の低下を招かないよう留意していきたい。また、今後は厳しい財政状況の中で、積み立てよりも取り崩しによる基金残高の減少が予想される。

減債基金

(増減理由)減債基金の残高は、平成29年度にかけて減少している。公債費償還金増額相当分として30百万円の繰入を行ったことが主要因である。また、種市小学校改築事業及び種市学校給食センター新築事業等の影響も考えられる。(今後の方針)中野小学校改築事業及び洋野消防署新築事業等、大型事業が続いたことから、平成34年にかけて実質公債費比率がピークを迎える。これに伴って減債基金の残高も減少していくことが見込まれるところである。

その他特定目的基金

(基金の使途)合併振興基金:合併に伴う地域の振興及び住民の一体感醸成。福祉基金:町民の保健福祉の増進。公共施設等整備基金:町が行う公共施設その他の施設の整備等。(増減理由)福祉基金:介護保険特別会計を平成28年度に廃止したことにより、介護保険特別会計基金を福祉基金に振り替えたため、平成28年度末の残高が増加した。但し、シルバー人材センター補助金等の福祉事業に充当を進めたことから、9百万円の減となった。公共施設等整備基金:今後想定される公共施設等の改修等に備え、決算状況に考慮しつつ100百万円を積み立てたこと等により、105百万円の増となった。東日本大震災復興交付金基金:八木地区宅地かさ上げ事業及び八木北港避難路整備事業の進捗により、当該基金の活用を進めたため、89百万円の減となった。(今後の方針)福祉基金:着実に増大している社会保障費に対し、町民サービスのレベルを維持していくためには、福祉基金の取り崩しは避けられない。東日本大震災復興交付金基金:復興関連事業の完了を目前にし、当該基金の活用終了とともに、精算による返還が生じるものと見込まれる。公共施設等整備基金:合併前に設置した公共施設等の整理や、老朽化した施設の改修等に伴い、公共施設等整備基金の活用が見込まれる。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

資産の減価償却がどの程度進んでいるか、資産の経年の程度を表す有形固定資産減価償却率は、62.4%となり、類似団体を大きく上回っている。公共施設等総合管理計画を平成28年3月に策定し、これに基づき施設の維持管理を適切に進めている。また、令和2年度までに個別施設計画を策定することとしており、計画的な修繕・改善による施設の品質保持や機能改善に努める。

債務償還可能年数の分析欄

ストック情報である実質債務(将来負担額-充当可能財源)が、経常経費一般財源と経常経費充当財源の収支を償還財源とする場合に、何年分あるかを示す債務償還可能年数は、5.9年となり、類似団体を0.6年上回った。分子を構成している将来負担額は、平成28年度以降減少している。また、充当可能基金残高も現状維持が困難となってきており、今後は数値の減少が見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成28年度における将来負担比率は33.1%、有形固定資産減価償却率は62.4%であり、類似団体を9.1ポイントと6.3ポイントそれぞれ上回った。将来負担比率は東日本大震災以降年々減少傾向にあり、地方債現在高及び充当可能基金現在高も今後減少が見込まれることから、類似団体との均一化が進むものとみている。また、有形固定資産減価償却率も類似団体と比較して高い数値であり、公共施設等総合管理計画を軸とした計画的な修繕・改善を進める必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は年々減少しているものの、実質公債費比率は上昇傾向にある。類似団体は両方の指標がきれいに減少傾向にあり、双方の折れ線グラフを重ね合わせるといびつな形となった。将来負担比率は、東日本大震災以降年々減少傾向にあり、地方債現在高及び充当可能基金現在高も今後減少が見込まれることから、類似団体との均一化が進むものとみている。実質公債費比率は、中野小学校及び洋野消防署の建設等により令和4年度に向けて上昇が続くと見込んでいるが、これら指標を注視しながら適切な起債活用に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、道路から公民館までほとんどの資産において類似団体を上回る数値となっている。これは、種市町と大野村が平成18年に合併した洋野町において旧両町村の類似資産重複があることや、施設の修繕及び長寿命化等が類似団体と比較して進んでいないことを表している。このような中にあって、学校施設の有形固定資産減価償却率が類似団体を下回っているのは、種市中学校、種市小学校及び中野小学校の改築が大きく寄与しているものと考えられる。他方、道路の一人当たり延長は146.074mであり、類似団体の38.886mを多きく上回っている。広大な面積の岩手県の中にあって、洋野町の面積も類似団体と比較して広大であることが伺える。また、学校施設や児童館の一人当たり面積も類似団体と比較して高い数値となっていることから、洋野町立小中学校再編(統合)計画に基づき検証・検討をさらに深め、教育環境の改善及び地域の声を重視しながら再編を図る必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館から庁舎における各施設においても、有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して高い傾向は変わっていない。特に、図書館、体育館・プール及び市民会館における一人当たり面積が、類似団体と比較して高い数値となっている。これは、旧種市町と旧大野村でそれぞれ保有している現有施設の重複等が要因である。一般廃棄物処理施設及び消防施設においては、類似団体比較の数値に極端な高低差がある。久慈広域連合が広域実施しているものであるため軽々に分析できるものではないが、いずれにせよ老朽化が進んでいる現状に変わりはない。但し、洋野消防署が平成29年度に供用開始しており、これによる数値の改善が見込まれる。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が△1,122百万円1.8%減(平成28年度:62,606百万円平成29年度61,484百万円)となった。各種減価償却累計額の伸びによる他、減債基金△108百万円13.4%の減(平成28年度:801百万円→平成29年度693百万円)が主な要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、△284百万円△2.9%(平成28年度:9,775百万円平成29年度:9,491百万円)となった。業務費用が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等4,221百万円だが、平成28年度4,115百万円と比較すると106百万円2.6%の増となった。公共施設等の適正管理に注力し、経費の縮減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の本年度差額は26百万円(平成28年度△952百万円→平成29年度:△926百万円)となり、2.7%増となった。税収等が△247百万円△3.4%(平成28年度:7,332百万円平成29年度:7,085百万円)、国県等補助金が179百万円9.6%増(平成28年度:1,865百万円→平成29年度:2,044百万円)で、純行政コストの金額に対する税収が減少し、国県等補助金受け入れ額が増加した。徴収業務の強化及び国県等補助金の積極的な活用により、財源確保に努める。なお、本年度純資産変動額の差が比較的大きい(平成28年度:△527百万円平成29年度:△923百万円)が、平成28年度に大野堆肥センター用地等の増減移動が多かったことが要因である。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支は△2百万円△0.2%(平成28年度:980百万円平成29年度:978百万円)となり、経常的な活動に関する収支に大きな変動は見られなかった。投資活動収支は、平成28年度△1,399百万円から平成29年度△797百万円に推移しており、602百万円の収支改善がみられた。投資活動収入は前年度比微減にとどまったが、投資活動支出が多きく減少(平成28年度:2,416百万円平成29年度1,829百万円)したことが要因である。収支均衡の観点からは改善とみることができるが、投資活動支出の減少を単純に好評価することは難しいところである。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は358.9百万円であり、類似団体平均値285.8百万円より73.1百万円25.6%高くなっている歳入額対資産比率は5.33年であり、類似団体平均値4.12年より1.21年多くなっている。以上のことから、類似団体より資産額が多い状況が見られるが、平成18年1月の合併前に旧町村毎に整備した公共施設があるため、保有施設数が多くなっているものと考えられる。しかし、老朽化した施設が多いため、公共施設等の集約化・複合化を含めた検討が必要である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体と同程度であるが、将来世代負担比率は21.1%となっており、類似団体平均値17.5%と比較して3.6ポイント高い数値となった。中野小学校整備事業及び洋野消防署整備事業等により高水準で地方債残高が推移していることが要因と考えられるが、今後もプライマリーバランス等を注視しながら、将来世代に負担が偏らないように努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは58.7万円であり、類似団体平均値の58.0万円を0.7万円上回っている。類似団体平均値との差が1.8ポイントから0.7ポイントに減少しているが、これは類似団体平均値が56.2万円から58.0万円に上昇したもの。経常収支比率が90%超の高水準で推移している本町にあって、当該指数の改善が課題であると言える。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は91.1万円であり、類似団体平均値の78.3万円を12.8万円上回っている。基礎的財政収支は245.0百万円であり、類似団体平均値の265.5万円を20.5万円下回っている。プライマリーバランスとしては類似団体よりも均衡していると言えるが、一人当たり負債額は類似団体の当該値を上回っており、地方債を有効に活用しつつも、バランスを取りながら抑制していく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は3.6%であり、類似団体平均値の3.7%を0.1ポイント下回っている。類似団体との比較としては、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は低くなっているが、経常費用の伸びをいかに抑制するかが課題となっている。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,