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地方財政ダッシュボード

北海道中標津町の財政状況(2022年度)

🏠中標津町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

類似団体平均より下回っている。町税の増収等はあったものの、面積が広く、第一次産業を中心とした産業形態により、町の財政構造は自主財源に乏しく、歳入の約3割を地方交付税に依存している。今後も、歳入の根幹となる町税等の収納率向上に努めるとともに、手数料等受益者負担の公平性を図るなど、多額の財政需要に見合う自主財源の確保に努めるとともに、歳入総額の減少に耐え得る歳出構造の構築に取り組む。

経常収支比率の分析欄

類似団体平均より上回っている。前年度よりも公債費が増加し、交付税等の減により、前年度比増となっている。今後についても事務事業の見直しを進め、優先度の低い事業などについては計画的に廃止・縮小を行うほか、経常経費の見直しにより歳出削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均を上回っている。人事院勧告に基づく俸給の引き上げ、勤勉手当支給割合の改定、退職手当組合清算納付金や会計年度任用職員の共済組合移行などにより増額となっている。また、委託料の増などにより物件費も増加していることから、人件費・物件費等全体では前年度より増額となっている。今後も引き続き、効率的な事務の執行を推進し、歳出削減に努めるほか、施設管理運営にあたっては、指定管理者制度による委託化を進める。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均より下回っている。今後も、職員の定員管理計画に基づき、適正な定員管理を行うとともに、義務的経費の抑制に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均を上回っている。本町は、広大な行政面積を有し、多数の施設を保有していること、また、中標津農業高等学校への教職員等の配置などにより、平均を押し上げている。今後についても、事務事業体系の見直し等を行い、柔軟で積極的な行財政運営を可能とする新しい組織体制の構築を目指すとともに、引き続き、将来の行政経営を担う人材を計画的に確保しながら適切な定員管理を図る。

実質公債費比率の分析欄

類似団体平均を上回っている。過去に借入れた辺地対策事業などの償還が終了したことなどに伴い前年度比0.4%の減となっている。今後も「中標津町行財政健全化緊急対策方針」に基づき、早期健全化基準を超えないよう、地方債借入の抑制を行い公債費負担の適正化に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均より上回っている。普通建設事業費の減に伴う地方債の現在高の増はあったものの、充当可能基金の増により前年度から1.7%の減少となった。今後は、公債費負担の適正化を行うとともに、経費の削減に向けた事務事業の見直しや地方債借入の抑制などにより、行財政改革を進め、健全な財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

類似団体平均を下回っている。職員の定員管理計画に基づき、今後も、行政需要の変化に対応した定員配置や事務事業の見直しなどにより、効果的な行財政運営に向け、適正な定員管理を図る。

物件費の分析欄

類似団体平均より下回っている。燃料・光熱水費の高騰により前年度比増となっている。今後も、効率的な事務の執行を推進し、歳出の削減に努める。

扶助費の分析欄

補助費等の扶助費以外の割合が高いため、類似団体平均を下回っている。社会保障関連の扶助費については、公債費とともに増加傾向にあることから、今後も財政運営上注視していく必要がある。

その他の分析欄

類似団体平均より上回っている。その他の大半を占めている繰出金については、各特別会計において独立採算によることを原則とし、公費負担の適正化に努めていく。

補助費等の分析欄

類似団体平均より上回っている。関係事務組合への負担金が増加傾向となっていることに加え、病院会計への多額の繰出金が平均を押し上げている。また、前年度比減の要因としては、経営改革等による病院会計の繰出金の減などが挙げられる。補助金等(補助金、報償金、負担金)については、目的・必要性を各団体等と協議し、縮減・廃止も視野に今後とも検討していく。

公債費の分析欄

類似団体平均を上回っている。過去に借入れた辺地対策事業などの償還が開始したことなどに伴い前年度比増となっている。今後も地方債借入の抑制を行い、類似団体平均程度の水準となるよう、公債費負担の適正化に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体平均と同水準である。補助費等が類似団体平均を大きく上回っている状況であることから、目的・必要性を各団体等と協議し、縮減・廃止も視野に今後とも検討し、同程度の水準となるよう簡素で効果的・効率的な行財政運営に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

決算額全体でみると、民生費が占める割合が一番大きく、続いて、教育費、衛生費、農林水産業費の順となっている。民生費については、新型コロナウイルス感染症対策に係る子育て世帯臨時特別給付金などにより減額となったものである。教育費については、広陵中学校長寿命化改良事業や体育施設等改修などの実施により前年度比が増額となったものである。衛生費については、関係事務組合への負担金や病院会計への多額の繰出金により、類似団体と比較しても高く推移しているため、今後も財政運営上注視していく必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

普通建設事業費については、前年度に引き続き、広陵中学校長寿命化改良事業などの大規模建設事業を継続して実施しているため、類似団体と比較して高い水準に位置している。また、各施設の老朽化などにより維持補修費の割合も高くなっており、類似団体と比較して高い水準に位置している。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な更新・統廃合・長寿命化等の検討、財政負担の軽減・平準化、公共施設等の最適な配置など、長期的な視点を持って公共施設等の総合的かつ計画的な管理により健全な財政運営に努めていく。また、補助費等については、病院会計への多額の繰出金により、類似団体と比較し高い水準に位置しており、引き続き、経営の効率化を図り、健全経営の樹立に向けて努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

標準財政規模については、普通交付税の追加交付の影響により、昨年度より減少している。また、財政調整基金については、町有地の売払にかかる収入や国の補正予算に伴う追加算定などにより上振れした普通交付税などを積み立てたことから、残高が増加しているが、実質単年度収支においては、減少している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

例年、赤字会計となっていた町立中標津病院事業会計においては、令和2年度から経営コンサルタントを招いて取り組んでいる経営改革に加え、令和3年度及び令和4年度においては診療収入が増加したことなどにより、赤字が解消された。一方で、町立中標津病院事業会計については、赤字を解消したもののなおも、一般会計からの多額の繰出金を要していることから、さらに経営の効率化を図り、健全経営の樹立に向けて努めていく。下水道事業特別会計においては、法適用に伴い、打切決算による3月調定分の下水道使用料未収分が、赤字額の主な要因となっている。また、一般会計においては、普通交付税の追加交付の影響により、昨年度より、黒字額の比率が低くなっている。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

公営企業債の元利償還金に対する繰入金が減少していることや、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等が減少しているものの、大型の普通建設事業における元利償還金の増要因が上回ったことに伴い、実質公債費比率の分子は増加している。今後についても、公債費の償還額を超える町債の借入れを原則行わないなどの取り組みや、公債費負担の適正化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担比率の分子については、一般会計等に係る地方債残高が大規模建設事業等の影響で増加傾向にあるほか、基準財政需要額算入見込の減少などの増加の要因がある一方で、公営企業債等の繰入見込額の減少、組合等負担等見込額の減少、充当可能基金の増加などにより、減額となっている。今後も広陵中学校長寿命化改良事業などの大規模建設事業が予定されていることから、さらなる財政の健全化に向けて公債費負担の適正化に努めるとともに、基金の運用など、効果的・効率的な行財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)町有地の売払にかかる収入や普通交付税の追加交付などにより、収支不足の財源調整としての繰入れを行わなかったことから、残高は前年度と比較し増加した。(今後の方針)令和4年度においては、普通交付税の追加交付等により一時的に基金残高が増加したが、今後も収支不足が見込まれることから、抜本的な施策の見直しや徹底した歳出の削減・効率化、歳入確保などにより、安定的な財政基盤を確立し収支不足の解消を図り、基金への積立を行う。

財政調整基金

(増減理由)町有地の売払にかかる収入や普通交付税の追加交付などにより、収支不足の財源調整としての繰入れを行わなかったことから、残高は前年度と比較し増加した。(今後の方針)今後も収支不足が見込まれることから、抜本的な施策の見直しや徹底した歳出の削減・効率化、歳入確保などにより、安定的な財政基盤を確立し収支不足の解消を図り、財政調整基金への積立を行う。

減債基金

(増減理由)財源不足の財源調整を行わず、積立も運用利息分のみであり少額であることから、前年度から変動していない。(今後の方針)今後、公債費が増加することが見込まれることから、抜本的な施策の見直しや徹底した歳出の削減・効率化、歳入確保などにより、安定的な財政基盤を確立し収支不足の解消を図り、減債基金への積立を行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)○総合体育館建設基金~総合体育館建設に伴い借り入れた地方債の償還などに充当する。○地域福祉基金~高齢者等の保健福祉の増進を図るために必要な財源に充当する。○ふるさと応援基金~中標津町ふるさと応援制度に基づき収受した寄附金を適正に管理し、寄附者の意向を反映した施策の展開に必要な経費の財源に充当する。○地域振興基金~福祉活動の推進、快適な生活環境の形成を図るために必要な経費に充当する。○特定地方交通線標津線代替輸送確保基金~路線バス運営費補助及びバス更新費補助などの財政需要に充当する。(増減理由)近年、各分野において山積している行政課題に対応するため、目的に応じた基金の繰り入れを行ったことにより、前年度と比較し減少した。(今後の方針)将来に渡り町の発展に必要不可欠な施策を確実に実施するため、地域経済の状況などに配慮しながら施策の取捨選択や歳入確保を行い、基金の繰り入れを抑制しつつ有効活用を行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体平均を下回っており、3年度間における伸び率も同程度に収まっている。今後も「中標津町公共施設等総合管理計画」等に基づき、有形固定資産の適切な修繕・更新・統合・除却等に努める。

債務償還比率の分析欄

令和4年度においては、充当可能財源等については前年度と同水準であるが、公債費が増加したことで前年度よりも債務償還比率が増加している。なお、後年度においても近年の大規模建設事業によって公債費が増加傾向にあることに加え、充当可能財源等が減少していくことから、類似団体平均を上回っていくことが予想されるため、「中標津町行政改革大綱」に基づき、公債費の適正化に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体と比較すると、将来負担比率は高く、有形固定資産減価償却率は低くなっている。これは近年、総合体育館建設事業や公営住宅建設事業などの大規模建設事業を実施したことにより、地方債発行額の増に伴って将来負担比率は増加傾向にある一方で、減価償却率の低い・新しい資産が増加したことで有形固定資産減価償却率が抑制されたことが要因と考えられる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して高くなっている。またいずれの比率も、広陵中学校長寿命化改良事業・総合体育館建設事業・公営住宅建設事業などの大規模建設事業に伴う地方債の発行、およびその償還開始によって増加傾向にあることや、今後も大型事業が予定されており比率が増加することが想定されるため、今後は「中標津町行政改革大綱」に基づき、公債費のさらなる適正化及び借入抑制に努める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、認定こども園・幼稚園・保育園以外の類型において類似団体平均を下回った。特に低い減価償却率となった児童館については、総合的な児童健全育成拠点である中標津町児童センターを平成27年に建設したことが要因である。維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、引き続き、子育て環境ならびに広域的な生徒児童交流の場の整備に取組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は多くの類型において類似団体平均を下回っているが、保健センター、福祉施設、消防施設、庁舎においては類似団体に比べ特に高い数値となっている。そのうち、償却率100%の福祉施設については、近年の利用実績も少ないことから、統合・除却等について検討を行っているところである。また保健センター、消防施設および庁舎については、平成22年度に庁舎の耐震改修を完了したほか、適切に日々の修繕を行っているため、管理運用上の問題はない。一方、類似団体に比べ特に低い減価償却率である体育館については、日々の運動を促進することによる町民の健康増進を目的として、平成28年に総合体育館を建設したことが要因である。本施設については、指定管理者制度を活用することで維持管理にかかる経費の削減に努める。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から▲354百万円(▲0.6%)となった。令和3年度決算における歳計剰余金を財政調整基金に積み立てるも、平成30年度-令和4年度間における変動額▲2,074百万円(▲3.5%)と比較すると、資産減少の傾向であることが分かる。また、内訳として変動の大きいものは、有形固定資産における減価償却累計額であり、建物・工作物・物品を合わせ対前年度▲2,522百万円となっている。有形固定資産の資産総額へ占める割合が92.5%(▲0.1%)に達する本町において、有形資産は今後も維持管理等に係る大きな支出を伴うものであることから、中標津町公共施設等総合管理計画に基づき、施設の改修・集約・除却に係る計画的な管理に努める。また、令和2年度決算で資金不足が生じていた病院事業会計においては、令和3年度決算に引き続き令和4年度決算についても資金不足が発生しておらず、負債総額が前年度末から▲428百万(▲11.6%)の減少となった。金額の変動が大きいものは地方債であり、平成28年度の医療器械器具の償還が終了したことが主な要因となる。今後も町立中標津病院経営改革プランに基づく経営状況の改善を図り、病院事業会計等の負債の減少、ならびに一般会計からの繰出金抑制に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等における経常費用は15,052百万円(対前年度▲427百万円、▲2.8%)となった。この理由としては、移転費用における補助金等▲831百万円が挙げられるが、その内訳としては高度無線環境整備推進事業(▲598百万円皆減)、子育て世帯臨時特別給付金(▲363百万円皆減)が占めている。また、人件費については、2,085百万円(対前年度+168百万円、+8.8%)となり、全体の14.4%を占めた。全体においては、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が一般会計等に比べ4,515百万円多くなっている一方で、特別会計における人件費・物件費の計上により業務費用が+6,380百万円となっているほか、国民健康保険や介護保険負担金の補助金等への計上に伴って移転費用が1,944百万円多くなっていることから、一般会計等に対する純行政コストは+3,811百万円(対前年度▲791百万円、▲4.2%)多くなった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源14,386百万円が純行政コスト14,406百万円を下回っており、差額は▲20百万円となった。このうち特に影響を及ぼしたものは、前述のとおり移転費用・補助金等(対前年度▲831百万円)である。畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業補助金等の10/10補助事業が一定数あるほか、高度無線環境整備推進事業(▲598百万円)、子育て世帯臨時特別給付金(▲363百万円)の皆減などにより、本年度の国県等補助金の変動は対前年度▲595百万円であることなどから、本年度差額は対前年度+84百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支については、前述のとおり移転費用・補助金等支出が▲831百万円となったことに伴う国県等補助金収入の減(684)が生じたほか、業務収入・その他の収入において、高度無線環境整備推進事業負担金返還金(+134百万円)の皆増などの要因により、総額として1,763百万円(対前年度+18百万円)となった。一方、投資活動収支については、本年度は緊急自然災害防止対策事業や緊急浚渫推進事業といった有期債事業を多く実施したことに加え、広陵中学校長寿命化改良事業など大規模事業を実施したことにより1,667百万円(対前年▲194百万円)となった。また財務活動収支については、地方債の発行を抑制(対前年度▲340百万円)したことにより、地方債償還支出が地方債発行収入を上回った結果、▲469百万円(対前年度▲561百万円)となった。以上の差引きから、収支バランスは対前年度▲738百万円となっており、公共施設等整備に係る投資活動収支及び財務活動収支の影響が大きいことから、有期債事業も含めた地方債発行事業について地方債償還額との均衡を意識し、事業を適時適切に実施するよう努める。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

類似団体と比較して、住民一人当たりの資産額は高くなっている。要因としては、総合体育館建設などの大規模事業により、事業用資産が増加したことや、行政区域が広いため多くの公共施設を保有していることなどが挙げられる。令和4年度においては、令和3年度決算歳計剰余金を財政調整基金に積み立てするも、経年に伴う減価償却が進行したことにより資産総額が減となる。加えて、母数となる人口の減(▲249人)により、当該値は前年と比較して1.2万円(+0.5%)となった。有形固定資産減価償却率については、近年、大規模な建設事業などによって、新しい施設に更新されたことで、類似団体よりも低くなっている。しかし、小規模な施設の老朽化の進行に伴い、当該値は対前年度+1.7ポイントとなっていることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合等の検討や改修による長寿命化を図る。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

近年、総合体育館や公営住宅、計根別小中学校の建替、広陵中学校長寿命化改良といった、地方債発行を伴う建設事業を実施したことにより、純資産比率は減少し、類似団体よりも低い比率となっている。また、将来世代負担比率については、地方債借入額の増加や建設事業の実施に伴う基金の取り崩しが生じたことにより、類似団体と比較して高くなっている。いずれの比率においても、令和3年度、令和4年度間において特段大きな差異は生じていないものの、今後においては、健全な財政状況を維持していくため地方債発行額の抑制を行うとともに、過年度に借り入れた高利率の地方債の借換を検討するなど、地方債残高の圧縮を図り、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

平成30年度時点より、住民一人当たりの行政コストは類似団体に比べ高くなっていたが、令和4年度は対前年度比▲2.1万円(▲3.2%)となった。前年に比べて減少した要因としては、移転費用(補助金等)の▲953百万円が挙げられるが、その内訳としては高度無線環境整備推進事業(▲598百万円皆減)、子育て世帯臨時特別給付金(▲363百万円皆減)が占めている。また、一般会計から病院事業会計への繰出金が歳出総額の7.4%(+0.1%)となっている実態もあるため、町立中標津病院経営改革プランに基づく経営状況の改善により、病院事業会計への繰出金抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、類似団体の平均値を大きく上回っている。要因としては、近年、総合体育館や公営住宅、計根別小中学校の建替え、広陵中学校長寿命化改良といった大規模事業を複数実施したことにより、地方債発行額が増えたことが挙げられる。本年度は地方債の発行を抑制したことにより負債合計が対前年度342百万円減となるも、母数となる人口が減少(▲249人)したことにより、当該値は0.5ポイントの減に留まる結果となった。また、基礎的財政収支については、子育て世帯臨時特別給付金等の皆減や高度無線環境整備推進事業負担金返還金の皆増等の影響により業務活動収支が対前年度+10百万円となったが、地方債を財源とする投資活動の増により投資活動収支が対前年度▲371百万円となったことから、全体として対前年度▲361百万円となった。今後においては、健全な財政状況を維持していくため、地方債発行額の抑制や、業務活動収益の向上に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、前年度と比較すると1.1ポイント上昇しているが、依然として本指標から行政サービス提供に対する町民負担の直接的な割合が低いと言えることから、引き続き、経常費用の削減に努めるとともに、受益者負担の適正化に向け、公共施設等の使用料の見直しの検討などに努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,