経営の健全性・効率性について
①例年、類似団体平均より常に高い水準で推移しており、経常収益の85%以上を給水収益で賄えている。経常収支には今のところ大きな問題はなく、今後もこの水準を維持することに努めていく。②累積欠損金は無い。③類似団体平均より常に高い水準で推移している。なお、平成26年度において前年度から大きく減少しているが、これは会計制度の改正によるものであり、短期債務に対する支払能力が低下したことを示すものではない。④繰上償還に係る借換えを除き、平成20年度以降新たな企業債の発行を行っていないため、企業債残高は毎年度減少している。そのことに伴い当該値も減少を続けており、類似団体と比較しても低い水準である。⑤例年119%前後であり、類似団体と比較しても高い水準で推移している。⑥例年110円程度であり、類似団体と比較しても低い水準で推移している。⑦例年75%程度であり、類似団体平均よりも高い水準で推移していることから、比較的効率の良い施設利用が行われていると考える。⑧平成27年度は、同年度に発生した寒波に伴う大規模な漏水により、当該値の大幅な低下がみられたが、平成28年度には例年と同程度の値となった。しかしながら、本市の値は依然類似団体平均を下回る水準で推移しているため、老朽管の更新等による漏水の防止等を行い、有収水量の増加に努めたい。
老朽化の状況について
①類似団体平均をやや上回る水準で推移しており、償却率も年々上昇傾向にあることから、施設の老朽化が着実に進行している。②類似団体平均をやや下回る水準で推移しているが、管路の老朽化は着実に進行している。なお、平成25年度を境にして値の大幅な上昇がみられるが、当該年度において耐用年数を終了した管路が多かったことに起因する。③当該値は各年度における既設管路の更新工事の執行状況に依存するため年度ごとの差異が大きく、平成28年度は次年度への繰越事業が例年より多かったことにより低い値となっている。なお、平成25年度の値が特に大きいのは、消費税率改定を前にして年度内執行に努めたことが一因である。
全体総括
ほとんどの項目において類似団体平均を上回っており、比較的良好な経営状況であると考える。しかしながら有収率については、類似団体平均を下回る水準が続いていることに加え、毎年度減少傾向となっており、当該値の改善は本市が抱える課題の一つである。改善に向けて、冬季到来前の水道管破裂対策の周知等の漏水対策を講じるほか、老朽管対策として、毎年度の布設替工事や耐用年数の長い管種の採用等により、引き続き計画的な更新や長寿命化を図る必要がある。なお、平成28年度に霧島市新水道ビジョン(経営戦略)を策定しており、当該計画に基づき、今後も安全で安定した給水サービスの持続を目指していく。