経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、コロナ禍による巣籠需要がなくなり、給水収益が減少する一方で、動力費等の経常経費がかさみ、前年度より、やや下回っているものの類似団体平均値を上回っており、良好な経営を維持している。②累積欠損金比率は、引き続き0%を維持できる見込みである。③流動比率は、459.15%で、前年度及び類似団体平均値を上回っており良好である。④企業債残高対給水収益比率は、前年度に比べやや上回っているが、老朽管等の更新費用に伴う企業債の借入増の影響のためで、必要な更新投資を行った結果である。⑤料金回収率は、前年度に比べやや下回っているものの、類似団体平均値を上回り良好を維持している。⑥給水原価は、地下水を利用しているため、類似団体平均値を大幅に下回っている。⑦施設利用率は、横ばいで推移している。施設能力については、災害など緊急時の備えを保持しつつ、将来的な更新規模の適正化を図っていく。⑧有収率は、前年度に比べやや改善している。これは、漏水対策として、予算の可能な限り漏水調査の調査距離を延ばすとともに、従来方式の漏水探知器による調査に加えて音圧センサーによる相関調査を追加し、より多くの漏水箇所の改善に努めた結果による。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、やや上昇傾向にあるが、必要な更新投資を行っていることで、全国平均や類似団体平均値を下回っている。②管路経年化率は、全国平均や類似団体平均値と比べて、依然として高い数値で推移しており、計画的な管路の更新が必要となっている。③管路更新率は、管路経年化率を引き下げるため、全国平均や類似団体平均値を上回るペースで管路更新を行っている結果である。
全体総括
令和3年度決算において、若干の経常収支率の低下が見受けられるが、現状の経営状況においては、健全経営を確保できていると言える。しかしながら、今後については、給水収益は減少していく一方で、動力費等の経常経費は増加が見込まれ、また、必要な設備投資も行っていかなければならず、近い将来において厳しい経営状況になることが想定されている。令和4年度から令和5年度にかけて、経営戦略及び水道ビジョンの見直し作業を行い、審議会の意見を踏まえた中、適正な水道事業の運営を管理していく。