経営の健全性・効率性について
①については、開発に伴う口径別納付金が減少したため、前年度に比べて2.6ポイント低下しましたが、類似団体平均値及び全国平均と比べても高い値となっています。②については、令和3年度に土地の所管換えに伴う固定資産譲渡損を計上したことによるもので、議会の議決を得て減資を実施したため、令和4年度への繰越欠損金は生じません。③については、工事の竣工時期等による未払金の増減や企業債償還額の増減により、流動負債に年度間のばらつきが見られます。類似団体平均値を下回っているものの、100%を上回っており、短期債務に対する支払能力については確保できています。④については、2.96ポイント低下し、類似団体平均値と比べて低い水準を維持しています。⑤については、令和2年度の回収率が大きく減少しているのは、新型コロナ感染症対策として料金減免を実施したことによるものです。令和3年度は、給水収益がコロナ禍以前の水準まで回復しておらず、前年度に比べて料金回収率は2.59ポイント増加し、100%を上回る健全な水準を維持することができたものの、類似団体平均値を下回る結果となりました。⑥については、前年度に比べて3.66ポイント増加しているものの、類似団体平均値よりも低い水準で推移しており、業務委託の推進などの経営効率化が一定の効率を効果を上げているものと考えています。⑦⑧については、類似団体平均値や全国平均値と比べて施設利用率が高く、有収率も高いことから、本市が所有する施設を効率的に運用ができてると考えられます。
老朽化の状況について
①②については、有形固定資産減価償却率、管路経年化率ともに、管路等の老朽化進行により、前年度に比べて増加しています。法定耐用年数を経過した管路は増加していますが、これらは、引き続き使用することが可能であり、平成27年3月に策定した「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画」において、厚生労働省の「実使用年数に基づく更新基準の設定例」を参考に本市の更新基準を定め、同計画に基づき管路の更新を着実に進めています。③については、前年度に引き続き管路更新率は1%を超え、類似団体平均値や全国平均を大きく上回る水準となっており、管路・施設の更新に重点を置いた取組の成果が数値となって表れたものと考えています。
全体総括
水道施設や管路の老朽化に伴う大規模な更新時期を迎える中で、「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画」に基づき、計画的に施設・管路の更新を実施していきます。本市の人口は微増傾向にありますが、節水意識の浸透等により、給水収益は減少傾向となっています。このような状況を踏まえた上で、経営基盤をより一層強化し、安全・安心で安定した水道水を供給するために、広域化等による経営効率の向上を視野に入れ、引き続き老朽管路等の更新を進めるとともに、そのために必要な財源確保に努めます。加えて、大口需要の減少などにより給水収益がコロナ禍以前の令和元年度の水準までには戻っていないこと、また、昨今の物価高騰等が給水原価に与える影響についても、慎重に見極めていく必要があります。