経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、給水人口の減少により有収水量も減少傾向であるが、経営努力による費用の削減等により、類似団体と比較しても高い数値となっている。なお、令和2年度の大幅な落ち込みは、コロナ禍による基本料金の免除の実施によるものである。流動比率は、直近5年間の類似団体の数値を比較しても、十分な支払能力を有していることを示している。企業債残高対給水収益比率は、企業債に頼らない経営を行っているため減少していくが、有形固定資産減価償却率や管路経年化率は増加傾向にある。昨今の漏水事故等を鑑みると、資金と投資のバランスにもよるが、企業債の借入による管路更新・耐震化も考慮する必要がある。料金回収率は、直近5年間の類似団体の数値よりも高い数値となっており、今後も維持できるように努める。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、管路経年化率のどちらの指標値も増加傾向にある。今後もこの傾向は変わらないと予測される。管路更新率は概ね目標値に達しており、計画的に管路の更新・耐震化を行っている。しかし、昨今の漏水事故等が頻繁に発生している現状を鑑みれば、更新・耐震化事業を加速化させる必要性も視野に入れ、資金と投資のバランスを取りながら経営を行っていかなければならない。
全体総括
経営の健全性・有効性については、概ね類似団体より高い数値であり、安定した経営である。しかしながら、老朽化の状況については、管路の老朽化が進んでいるため、今後も資金と投資のバランスを考慮しつつ、更新・耐震化を計画的に進めていく。