経営の健全性・効率性について
本市は、簡易水道事業を6地区有し、給水収益と一般会計からの繰入金の収益で運営管理を行っている。収益的収支比率は、類似団体より低いものの、経年で比較した場合、料金回収率の向上とともに若干の改善が図られていることから、今後も収納対策が必要である。また、有収率が年々低下していることから、漏水等の原因を早急に特定する必要がある。今後は水道施設の老朽化による修繕費などのコスト増が見込まれることから、さらなる財源への圧迫が懸念される。
老朽化の状況について
本市の水道施設は、旧町村時代に地区の簡易水道事業の統合を繰り返し現在に至っている。古いもので事業認可を受けて以来50年以上が経過している施設もあり、施設の老朽化が著しく、安心安全な水を安定的に供給するためには、老朽化対策が喫緊の課題となっている。なお、管路については埋設場所が不明な箇所もあることから、管路網図システムを導入し管理の徹底を図っている。また、今後は管路経年化率を算出し、計画的な管路更新を検討する必要がある。しかしながら、簡易水道事業は脆弱な経営基盤であることから、安定的な施設更新を行うことが困難な状況である。
全体総括
経営状況は、給水収益以外の一般会計からの繰入金に依存していることから、料金回収率の向上対策と費用削減を継続的に行う必要がある。また、施設・管路の老朽化に伴う更新投資も考えられることから、引き続き改善点の分析検討を行い経営改善に向けた取り組みが必要である。今後は、上水道事業への統合を計画しており、安定的な財政基盤を構築し、より徹底したコスト削減を行い、効率的な運営管理を行う予定である。