経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、類似団体、全国と比較すると、いずれも平均以上であり、昨年度より2.64%向上しているが、料金収入の減少等により一般会計からの繰入金を増額したためである。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体、全国と比較すると、いずれも平均以下である。今後も引続き、経営の健全化に努めることが重要である。⑤料金回収率は、類似団体平均を上回っているが、年々、前年度を下回る傾向にある。元金償還額の増加による費用増加によるもので、給水にかかる費用が給水収益以外の収益で賄われていることがわかる。⑥給水原価は、類似団体、全国と比較すると、平均以下であるが、原因は、元金償還額の増加による費用の増加と有収水量の減少によるものと推測できる。⑦施設利用率は、類似団体、全国と比較すると、いずれも平均以下であり、施設能力が需要を必要以上に上回っていることがわかる。⑧有収率は、類似団体、全国と比較すると、いずれも平均以下であり、原因は、水道管の老朽化に伴う漏水の増加や遠隔監視システムの整備完了による、計測精度の向上が考えられる。
老朽化の状況について
③管路更新率は、類似団体、全国と比較すると、いずれも平均以下で、減少傾向にある。原因は、管路延長に対して、更新した管路が狭隘な地点への布設であったため延長が短く、管路更新が追い付いていない可能性がうかがえる。
全体総括
本市の簡易水道事業では、平成29年度から組織編制や公金徴収業務の民間委託を行い経営の健全化に努めたが、人口減少や節水意識の向上により、有収水量の大幅な増加が見込めないため、経営状況は一層厳しさを増すことが予想される。令和2年4月より公営企業会計へ移行したことから、固定資産データの活用を図り、アセットマネジメントに取り組むなど、より一層財政収支の適正を図り経営の健全化を図ることが求められる。そのため、平成30年度に策定した「北杜市上下水道経営基本計画」に基づき、財政の健全化を図るとともに、持続可能な事業運営に努める。