宇城市

目的別歳出の分析欄

【議会費】は、前年度より減少したものの、平成３０年度以降は類似団体平均より高い水準となっている。【総務費】は、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて支給した特別定額給付金などの影響により、各団体平均同様大きく増加した。【民生費】は、歳出全体に占める割合が最も高く（２４．８％）、熊本地震に係る臨時的経費の減少がみられたものの、私立保育所運営費負担金や障害福祉サービス費、児童発達支援事業費などの扶助費の伸びが顕著であったため、住民一人当たりのコストは増加した。【衛生費】は、平成２９年度まで急激な伸びを示していたが、これは熊本地震に伴う廃棄物処理業務委託など臨時的経費によるものである。令和２年度は水道事業会計への出資金の増加を主な要因として、前年度より増加している。また、今後計画されている宇城広域連合の施設更新に伴う負担金増もコスト引上げの要因となるため、影響を注視する必要がある。【農林水産業費】の平成２９年度までの伸びも熊本地震経費によるものであり、令和２年度は、農産物生産管理組合に対する生産総合事業補助金の皆減（－１７５百万円）により更に減少している。【商工費】は、プレミアム付商品券事業等、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて実施した経済対策に多額の支出を行ったため、大きく増加している。【土木費】は、災害公営住宅建設事業など大型事業の進捗により前年度からは減少したものの、依然として各平均（類似団体・全国・県）を上回る水準となっている。今後は戸馳大橋撤去工事や合併特例債を活用した大型事業が完了していくため、住民一人当たりのコストは減少する見込みである。【消防費】は、熊本地震を教訓とした防災拠点センターの建設を前年度から継続して行ったことから、住民一人当たりのコストが更にしている。建設事業完了後は、従前の水準へ減少する見込みである。【教育費】は、学校給食センターの建設等、複数のの建設事業を実施したことにより、増加傾向にあった前年度を更に上回り、各平均（類似団体・全国・県）を上回る結果となった。今後も小川中学校の建替等、大型建設事業を計画しているため、住民一人当たりのコストは増加していく見込みである。※【災害復旧費】と【公債費】については、「（５）市町村性質別歳出決算分析表（住民一人当たりのコスト）」と同様のため、分析を省略する。

性質別歳出の分析欄

【人件費】は、合併当時（平成１７．４．１現在）５５４人いた職員数を集中改革プラン等に基づく定員管理計画により１４８人削減（２６．７％）したことで、年々減少傾向にあり、前年度から類似団体平均を下回っている。【物件費】は、プレミアム付商品券業務委託料など様々な新型コロナウイルス感染症関連経費を支出したから、総額で大きく増加（前年度比＋２，３２５百万円）したため、住民一人当たりのコストも４０，４１１円増加した。【扶助費】は、保育園民営化に伴う私立保育所運営費負担金や障害福祉サービスなどの影響で、類似団体等の伸びと同様に右肩上がりに増加している。【補助費等】は、国民一人当たり１０万円を給付した特別定額給付金等、新型コロナウイルスの影響により臨時的な支出を要したことから、各平均（類似団体・全国・県）と同様、大きく増加している。また、宇城広域連合の施設更新（浄化センター、消防費等）が計画されていることから、今後も住民一人当たりのコストは増加する見込みである。【普通建設事業費】は本庁舎大規模改修事業や学校給食センター建設事業などの継続事業の他、更新時期を迎えた学校施設の更新など、過疎対策事業債や合併特例事業債など有利な財源を活用しながら取り組んでいる。【災害復旧事業費】は、熊本地震により甚大な被害を受けた公共施設等の復旧が進んだことにより、平成３０年度以降は類似団体と比較して低い水準で推移している。【公債費】は、熊本地震に伴う復旧・復興事業に充てた地方債の償還が始まったことで前年度より増加し、各平均（類似団体・全国・県）と比べて高い水準に位置している。令和３年度以降も、教育施設の更新など、複数の大型建設事業を予定しており、当分の間は高止まりする見込みである。

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は「保育所」であり、特に低くなっている施設は、「橋りょう・トンネル」、「公営住宅」、「港湾・漁港」である。【橋りょう・トンネル】の有形固定資産減価償却率については、戸馳大橋架替工事が旧施設の除却含め全て完了したことから、大幅に減少（対前年度－８．８ポイント）し、各平均（類似団体・全国・県）を大きく下回ることとなった。【公営住宅】の有形固定資産減価償却率については、市内４か所の災害公営住宅を整備した令和元年度以降、類似団体平均を大きく下回っている状況である。【港湾・漁港】の有形固定資産減価償却率は、合併（２００５年）以降に竣工した新しい施設も多いため、４５．２％と各平均を大幅に下回っている。【保育所】については、民間移譲を進めた結果、合併当初の７施設から４施設（令和２年度末時点）となったものの、１９６９～１９７５年度に建築した保育所が３施設を占め、いずれも耐用年数を超過していることから、各平均（類似団体・全国・県）を大幅に上回る６５．４％となっている。令和３年度よりさらに２施設を民間へ移譲したため、今後は一人当たり面積及び維持管理費用が減少することを見込んでいる。【児童館】については、耐用年数が超過した保育型施設を３館（１９６４～１９７７年度建築）所有していたが、令和２年度にすべての施設を除却している。【学校施設】については、１９９０年以降に建て替えた比較的新しい施設も多く、有形固定資産減価償却率は５３．４％と各平均を下回っている。今後も小中学校の建て替えを予定していることから、有形固定資産減価償却率は更に減少する見込みである。

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は「図書館」、「消防施設」であり、特に低くなっている施設は「福祉施設」である。【図書館】については、建設後２０年以上経過している中央図書館の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率が類似団体平均を上回っているものの、令和３年度に同施設の中規模改修を行ったことから、今後は改善する見込みである。【消防施設】については、耐用年数（３０年）を超過した防火水槽が多数含まれることから、有形固定資産減価償却率は８５．９％と極めて高くなっており、各平均（類似団体・全国・県）を大幅に上回っている。防火水槽は定期的な点検により機能維持を図っているが、老朽化による水漏れ等の修繕が困難な場合は撤去し、新設または消火栓で対応している。今後は、広域連合で所有している消防本部の建て替えが予定されているため、有形固定資産減価償却率の減少が見込まれる。【保健センター】について、合併当初は４施設あったが、事業の統合や施設の転用化により、比較的新しい２施設で運営（令和２年度末時点）しているため、有形固定資産減価償却率は各平均を下回っている。更に、令和３年度に１施設の解体が完了したため、今後は有形固定資産減価償却率、一人当たり面積ともに減少する見込みである。【福祉施設】については、不知火老人福祉センターの解体を主な要因として、平成３０年度から大幅に改善し、令和２年度は３４．５％となった。