経営の健全性・効率性について
福岡地区水道企業団の経営状況は、平成38年度までの長期財政収支見通しにおいて、必要な事業計画の策定や適切な事業費を見込み料金設定を行っていることから経常収支比率や料金回収率ともに100%を超えており、累積欠損金も生じていない。流動比率が100%を超えていることから資金的にも健全である。企業債残高については、借入利息軽減及び借入残高の縮減のため、企業債借入を抑制していることから減少傾向にある。なお、水資源機構への償還金の残高を含めると354.74%(H26)であり、類似団体と同等にある。効率性については、給水原価が類似団体に対して高額であるが、筑後川からの流域外導水(約25km)や海水淡水化センター等にかかる施設整備に多額の経費がかかるためであり、コストの削減に努めた結果徐々に下がっている。また、施設利用率は類似団体に比較し高率で推移しており、有収率は100%で推移している。
老朽化の状況について
福岡地区水道企業団は昭和48年度に設立し、昭和49年度から管路整備を始めており、平成26年度に管路の法定耐用年数40年を迎え始めているところである。そのため類似団体と比べて老朽化はまだ進んでいない。今後は長期計画に基づき更新を進めていく予定である。
全体総括
経営比較分析の結果、福岡地区水道企業団の経営状況は概ね安定している。福岡都市圏の安心で快適な住民生活を支える水道として、将来にわたって、効率的な経営のもとに、安全で良質な水道用水を継続して安定的に供給していくことができる見込みである。