経営の健全性・効率性について
経常収支比率と料金回収率はともに100%を上回った。これは、前年度と比較して退職給付費や減価償却費といった支出が減少したためであり、給水原価についても同じ理由で昨年度と比べ低くなった。流動比率は前年度から1.7倍程度上昇した。これは、固定資産である有価証券が満期を迎え、流動資産である預金での保有になったためである。企業債残高対給水収益比率は類似団体と比べ高くなっているが、創設事業(S61~H20)完了後の新規借入はなく、企業債残高は年々減少しており、償還を着実に実施している。施設利用率は前年度からほぼ横ばいとなっているが、末端給水事業において今後5か所の浄水場の廃止を計画しており、本事業の供給水量に対する依存度は増加し、施設利用率はより高くなっていくものと思われる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率が類似団体と比べて低くなっているが、施設の老朽化は年々進んでおり、平成13年度の供給開始以降、大規模な施設更新がないため、将来の大規模更新に備えた施設規模の検討や財源の確保が今後の課題となる。なお、管路については、法定耐用年数を迎えたものがなく、管路経年化率及び管路更新率はともに0%である。
全体総括
料金低減を目的として、未処分利益剰余金の活用により収入不足を補う財政計画としていたが、実績としては経費節減等により収入不足額が圧縮できており、当年度に関しては黒字に転じた。また、累積欠損金もないことから、経営は概ね健全であると判断できる。しかし、経常収支比率及び料金回収率が、供給開始以降ほとんどの年度で100%を下回っていることから、適正な料金設定が急務である。また、給水原価については、類似団体と比べ高い傾向が続いており、末端給水事業の浄水場の廃止を進め、本事業からの供給水量を増やすことで給水原価の低減を図る考えである。今後は、令和3年3月に策定した「佐賀西部広域水道企業団新水道ビジョン」に掲げる『安全で安定した水を確かな技術・運営力で継続的に』に基づき事業を推進していく。