経営の健全性・効率性について
施設利用率は類似団体平均値を上回るとともに、有収率はほぼ100%に近い値であることから、施設の稼働状況は良好であると言える。経常収支比率は、前年度と比べて2.92%増加とわずかに改善しているが、5年間の推移をみるとほぼ横ばいの状況である。しかしながら、依然として100%を下回っており、累積欠損金比率が年々増加している。さらに、給水原価は類似団体と比べて高水準であるとともに、料金回収率は100%を下回っており、事業に必要な経費を料金で賄うことができていない状況である。また、ダムの建設負担金や浄水場、送水管路等の施設を建設するために多額の企業債の借入をおこなっており、企業債残高対給水収益比率は高い水準にある。短期の支払い能力については、流動比率が100%を上回っており、問題ないと言える。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して低いが、これは類似団体と比較して供給開始から日が浅い(平成5年度一部供給開始)ためと考えられる。同様の理由により、法定耐用年数を経過した管路はない。
全体総括
年々、累積欠損金比率が増加するなど非常に厳しい経営状況が続いている。このような状況を踏まえ、令和3年度に今後20年間の事業計画(建設・修繕・更新事業)を策定し、それに基づき事業実施し、毎年度進捗状況等のフォローアップも行っている(計画自体は5年ごとに見直し)。今後も、引き続き維持管理費の削減に務めながら、事業の進捗状況等を注視し、適切な資金確保を行っていく。