経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、平成26年度から100%を下回っているが、昨年と比べると改善傾向にある。流動比率は、1年以内に支払うべき債務となる流動負債のうち未払金が大きく占めており、未払金は県への負担金のみである。支払先となる県側は一般会計であるため、請求が4月以降になり毎年度未払金が発生している。県への負担金については、県によるダム保全事業費によるところが大きく、年度により数値が前後するが、流動負債に比べ流動資産の割合がかなり大きいため、類似団体の平均値より高い値となっている。企業債残高対給水収益比率は、企業債償還が平成31年度に完了予定であり、企業債残高が少ないことから、類似団体の平均値よりも低い値となっている。料金回収率は、会計制度の見直しがあった平成26年度以降、減価償却費の一部を給水収益へ反映できていないことから、100%を下回っている。給水減価は、修繕費の増に伴い増加傾向となっているが、類似団体の平均値よりも低い値となっている。施設利用率は、昨年と同様に道路拡幅工事等により吉田ダムからの用水供給を約40日間止めたため、約57%に留まったが、工事がなければ平成26年度以前と同様に約60%の施設利用率と推測できることから、類似団体の平均値と大きな差異はない。有収率は、100%を下回り、ほぼ横這いに推移しているが、類似団体の平均値と大きな差異はない。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、みなし償却廃止となる会計制度の見直しにより、有形固定資産減価償却累計額が大きく増えたことで、平成26年度以降数値が高くなっている。管路経年化率は、類似団体平均値とほぼ差異はない。管路更新率は、経年管に漏水等の問題もなく、これまで管路更新を行っていないことからゼロとなっている。4年後には再び法定耐用年数を経過する管路が増加することが予想されることから、計画的な更新を行っていくこととなる。
全体総括
経常収支比率については、中長期的な計画に基づき改善する見込みであるが、経営の健全性・効率性のより一層の向上のため、維持管理費の見直しについては随時行っていく。また、施設の老朽化が進むに連れ、施設更新費用の増加が見込まれる。用水の安定供給を行っていくうえでも計画的な更新が必要があり、更新費用の平準化を図っていくこととなる。なお、経営戦略の策定については、平成30年度より企業団として水道事業を行うことから、小豆地区広域行政事務組合の水道用水供給事業は平成29年度をもって廃止することとしているため、小豆地区広域行政事務組合水道用水供給事業としては経営戦略を策定しないこととしている。