経営の健全性・効率性について
①経常収支比率(%)100%以上であり、健全な経営状態である。③流動比率(%)類似団体と比較すると下回っているが、200%以上であり、支払能力に問題はない。⑤料金回収率(%)100%を上回っており、経営に必要な経費を水道料金で賄えている。⑥給水原価(円)類似団体と比較すると低いが、維持費の増加により、増加傾向にある。企業債残高対給水収益比率は、類似団体と比べ低いものの、平成26年2月に改めて策定した「水道施設耐震化10ヵ年計画」を実施する上で、増加傾向にある。今後も国庫補助金や合併特例債等の財源を充て、急激な債務残高の上昇を抑えていく。経常収支比率は、100%以上を維持しているが、給水人口の減少に伴う給水収益減少や更新費用の増加も予想されるため、経費削減に努め、将来にわたり収入を確保するための検討が必要となる。また、水需要の減少から施設利用率を増加させるためにも水需要に対応した施設のダウンサイジング化も検討が予想される。
老朽化の状況について
現在の老朽管路状況は、管路総延長が約800kmに対し、法定耐用年数以上を経過した管路延長は約200kmであり、全体の約25%を占めている。また、簡易水道統合完了(平成28年度)までは、管路総延長が増加することが予想される。老朽管の更新は、法定耐用年数を超過し重要度、緊急度を考慮した更新計画に基づいて効率的に実施しているが、管路更新率は低い。管路経年化率については、平成35年度に28.0%、管路更新率については、平成35年度に0.8%の目標を掲げ、管路の健全度を低下させないように、適切な更新を行っていく。また、目標耐用年数を見直しすることで長寿命化の検討をし、合理的な新計画を策定していく。
全体総括
岩国市の水道事業を取り巻く情勢は、高度成長期に建設された大量の施設老朽化や「簡易水道事業統合計画」に基づき移管された大量の施設更新を「水道施設耐震化10ヵ年計画」に基づき着実に推し進める必要があり、その取組を実施するためには多額の財源を確保する必要がある。現状を多角的に分析した上で計画的に岩国市水道事業の見直しを行い、安定経営に努めていく。