宇部市:簡易水道事業(法適用)

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経営比較分析表(2018年度)

経営の健全性・効率性について

毎事業年度黒字計上により経常収支比率は100%を超えるとともに、流動比率は265.15%となっていることから、本市の水道事業は、現時点においては経営の健全性を保っていると言える。しかし、今後は、老朽化施設の維持費や、施設更新に伴う減価償却費の増加が見込まれる一方で、主な事業収益である給水収益が減少していくと考えられることから、これらの指標は、徐々に下降していくと考えられる。企業債残高対給水収益比率については、企業債の新規発行額を償還額の範囲内に抑えてきた結果、給水収益の三倍以下まで減少したものの、今後、給水収益の減少が見込まれるとともに、老朽施設の大規模更新時期を迎えることから、現状以上の抑制は難しい。このため、施設更新にあたっては、施設規模の適正化を図り事業費を圧縮することにより、引き続き企業債発行額の抑制に努める必要がある。料金回収率の低下については、鉛製給水管の取替え費用や施設更新に伴う減価償却費の増加により給水原価が上昇したことによる。有収率については、平成29、30年度と老朽管の漏水や発見が困難な漏水があり90%を下回っている。有収率は効率的な事業運営のための重要な指標と捉え、計画的な管路更新や漏水原因である鉛製給水管の取替え等、予防的対策についても積極的に取り組む必要がある。

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率については、法定耐用年数を経過した浄水場電気計装設備の更新を実施したため一時的に低下したが、施設更新計画では、法定耐用年数でなく実耐用年数に応じて優先順位を付け更新する予定であることから、今後も上昇傾向となる。管路経年化率については、老朽管の更新事業に年次的に取り組んできた結果、類似団体よりも下回っているが、上昇を抑えるためには継続的な更新が必要となる。管路更新率については、平成30年度は管路更新工事の繰越が多かったため例年よりも率が低下し、類似団体を下回っている。今後の更新目標としては年1%以上とし、管種ごとの実耐用年数を定め、管路の状況、重要度等を勘案し計画的な更新事業に取り組むこととしている。

全体総括

現在、経常収支比率が高く単年度で黒字を計上しているが、施設利用率は低く、給水原価も類似団体と比べ高くなっているなど課題も多い。今後、水需要の減少に伴い水道料金収入の減少が見込まれる中、老朽施設の更新のための財源確保に努めるとともに、効果的な投資をするためにも中長期的な更新計画を策定し、水道サービスの維持に努める必要がある。また、施設更新に際し、近隣事業体との広域化も視野に入れ、施設規模の適正化を図る必要もある。

類似団体【A2】

函館市 釧路市 帯広市 苫小牧市 青森市 弘前市 盛岡市 岩手中部水道企業団 石巻地方広域水道企業団 山形市 福島市 水戸市 日立市 つくば市 ひたちなか市 茨城県南水道企業団 伊勢崎市 熊谷市 春日部市 狭山市 上尾市 草加市 新座市 久喜市 坂戸、鶴ケ島水道企業団 野田市 佐倉市 流山市 八千代市 山武郡市広域水道企業団 小田原市 秦野市 長岡市 上越市 高岡市 福井市 甲府市 長野県 長野市 松本市 大垣市 沼津市 富士市 磐田市 豊川市 刈谷市 安城市 西尾市 小牧市 津市 松阪市 鈴鹿市 宇治市 岸和田市 茨木市 八尾市 寝屋川市 和泉市 伊丹市 加古川市 宝塚市 川西市 鳥取市 米子市 松江市 呉市 東広島市 下関市 宇部市 山口市 徳島市 今治市 久留米市 春日那珂川水道企業団 佐賀市 佐世保市 都城市