経営の健全性・効率性について
「経常損益」経常収支比率は100%以上を継続し、類似団体平均値を上回っているが、主要な収入である給水収益については減少傾向にあり、今後も更なる経費削減に努める必要がある。「累積欠損」累積欠損金は発生していないが、給水収益は減少にあるため、今後も経費削減に努め、健全経営を図る必要がある。「支払能力」23年度から上昇傾向にあったが、26年度の会計制度の見直しにより減少した。「債務残高」企業債残高対給水収益比率は、類似団体平均値を上回っているが、起債発行額の抑制により起債残高は減少傾向にある。今後は老朽施設の更新を控えているため上昇すると思われるが、施設更新の際には、施設規模の適正化を図り、起債発行額を抑制する必要がある。「料金水準の適切性」23年度から上昇傾向にあったが、26年度の会計制度の見直しにより給水原価が上昇したため減少した。「費用の効率性」23年度から減少傾向にあったが、26年度の会計制度の見直しにより上昇した。「施設の効率性」人口減少や省エネ型社会への移行に伴う水需要の減少により、施設利用率は低い値で推移している。今後老朽施設の更新時には、施設規模の適正化を図る必要がある。「供給した配水量の効率性」有収率については23年度から上昇傾向にあったが、26年度は発見困難箇所での長期間漏水や大型の老朽管からの多量漏水が発生し有収率が減少した。今後も漏水調査業務を実施し、漏水の早期発見に努める。
老朽化の状況について
「施設全体の減価償却の状況」類似団体平均値とほぼ同じ数値で、また、類似団体と同様に上昇傾向にある。今後は施設規模の適正化を図り更新を行う。「管路の経年化の状況」及び「管路の更新投資の実施状況」類似団体及び全国の平均値と同等もしくは高い水準にある。1%前後の管路更新率で今後も推移すれば、管路経年化率は更に上昇していくが、基幹管路更新を推進するなど、更新においては優先順位等を的確に判断し計画的に管路更新を進めていく。
全体総括
現在、経常収支比率が高く単年度で黒字を計上している状況であるが、施設利用率は低い水準にあり、起債残高対給水収益比率も類似団体と比べ高くなっているなど課題もある。これから人口減少などによる水需要の減少に伴い水道料金収入が減少していく中、老朽化施設更新のための財源を確保するため、より一層の経費削減をし今後も健全経営に努める必要がある。また、施設更新に際しては、近隣事業体との広域化を推進し、水道施設の規模の適正化を図りながら更新を進めていく必要がある。
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2021年度