経営の健全性・効率性について
①経営の健全性について単年度収支比率は、類似団体の平均値と比べ若干下回る数値で推移しているが、H22年度から比較すると約7.6%上昇しており、H26年度は前年度を若干下回りはしたものの、年々改善してきている。また、料金回収率についても、年々僅かに改善してきてはいるものの、類似団体の平均値を下回る結果となっているため、単年度収支比率と見比べながら、適正な料金を検討していくことが必要である。債務残高については、類似団体の平均値を上回っているが年々改善してきている。②経営の効率性について有収率については類似団体の平均値を大きく上回り、施設の稼働状況が収益に反映できていると言える。しかしながら一方で、施設利用率は類似団体の平均値を下回る結果となっていることから、今後は有収率とも見比べながら適正な施設規模の把握に努め、場合によってはダウンサイジング等を行うことによって更なる経営の効率化を図っていくことが必要である。また、給水原価については、年々改善はしてきているものの、類似団体の平均値を大きく上回る結果となっていることから、今後は維持管理費の抑制を図るなど経営の効率化に向けた取り組みが必要である。
老朽化の状況について
管路更新率について、類似団体の平均値と比べ大きく下回る結果となっているが、これは、現在、簡易水道事業の統合に向けて施設の整備を優先的に行っているため、管路の更新が先送りとなったことが原因として挙げられる。一方で、平成27年度において固定資産台帳の整備を行い管路及び施設の更新時期を把握することができるようになったため、今後は優先順位をつけて計画的に更新及び老朽化対策を図っていくことが重要である。
全体総括
概ねの指標において類似団体の平均値に達していない結果となりはしたが、全体的に年々改善傾向にある。今後は引き続き起債残高の縮減及び維持管理費の抑制に努める。一方で、水道料金については、給水人口の減少を見据えた収益と費用の将来予測を立てることで適正な料金の設定を検討し、経営の健全化を図っていく。また、将来の人口動態を踏まえた適正な施設規模の把握に努めるとともに、管路の更新等と併せて計画的に更新をしていくことで、費用の平準化を図り経営の効率化を目指す。