経営の健全性・効率性について
【単年度の収支】収益的収支比率は、過去5年間100%を下回っていることに加え、類似団体平均値を下回っている。施設整備時の起債の償還が多額となっていることが原因である。償還額は年々が減少してきており、わずかながら収支改善が進んでいる。【債務残高】企業債残高対給水収益比率は、地理的条件により施設整備時の起債借入が多額であったため、類似団体平均値を上回ってるが、償還が進んでいることから、年々数値は下落し、平均値に近づいてきている。比率が上昇することの無いよう、今後の投資規模を図っていく必要がある。【料金水準の適切性】料金回収率は、過去5年間100%を割っていることに加え、類似団体平均値を下回っているが、年々上昇しており、平均値に近づいている。【費用の効率性】給水原価は、わずかながら減少傾向であるが、類似団体平均値を上回っている状況である。施設整備時の起債の償還が多額となっていることが原因である。【施設の効率性】施設利用率は、類似団体平均値を上回っている。今後も適正な施設利用を図っていく。【供給した配水量の効率性】有収率は、類似団体平均を上回っているが、年々減少傾向であるため、原因(漏水等)を特定し、数値の改善に努める必要がある。
老朽化の状況について
【管路の更新投資の実施状況】管路更新率は、過去5年間0.02%以下と低い状況であるが、今後更新すべき管路が増加していくことが予想され、計画的な更新を実施していく必要がある。
全体総括
経営状況は、類似団体と比べ非常に厳しいものである。施設建設時の起債の償還が多額(給水原価の7割超)となっていることが原因であるため、早期の経営改善は難しい状況である。平成29年には水道事業に経営統合を行う予定であり、統合後の経営状況を踏まえ、平成30年度までに経営戦略を策定し、経費節減や料金収入の確保に努めていく必要がある。