経営の健全性・効率性について
経営の健全性については、④企業債残高対給水収益比率が示す通り企業債残高は少なく、平成28年度の③流動比率は昨年度より増加しており、かつ理想値である200%を超えているため十分な現金等の資産があるといえる安定した経営状況です。また、川西市は約半分以上を県営水道から受水しているため、平成28年度の⑥給水原価190.01円/㎥は、類似団体の平均値に比べて34.32円/㎥高い状況ですが、⑤料金回収率100.70%は昨年度より0.51ポイント増加し、料金のみで必要な経費を回収できています。①経常収支比率は、平成17年度に料金改定を実施し経営改善を図ったことにより、それ以降は100%を超えており、経常利益が続いている状況となっています。経営の効率性については、主に老朽化した鉛管改良工事や継続した漏水調査を行っているため、平成28年度の⑧有収率は95.51%と、類似団体の平均よりも高く、効率よく事業運営を行っていますが、⑦施設利用率は年々減少しており、施設が過大となっています。
老朽化の状況について
本市水道事業では、昭和40年代前半からの大規模団地の造成や、昭和47~50年にかけて人口流入の増大に対応するために多くの管路を布設したため、今後、多くの水道管が法定耐用年数の40年を迎え、老朽化した管路が右肩上がりに増加していくと予想されます。厚生労働省等の布設条件等の実態調査により、本市の約80%を占めるダクタイル鋳鉄管の実使用年数は60~80年の耐用が可能とされています。さらに、阪神大震災における施設被害等の状況を考慮すれば、いまだに十分な耐用力があり、安全であると判断しています。しかし、今後管路更新事業が本格化していく中、アセットマネジメント手法を導入し、中長期的な視点に立った管路更新計画の策定を行っていきます。また、配水池等施設については、耐震診断を行い、順次耐震改修、並びに水需要を見据えダウンサイジングを含めた築造工事を計画していきます。
全体総括
今後も内部留保等の資金を活用して、老朽化した施設の更新や耐震化等の事業を行い、少しでも長く今の料金体系を維持していきたいと考えています。現在経営戦略の策定に取り組んでおりますが、企業債の活用、適正な時期の料金の見直し、固定費及び経費の削減など、さらなる効率的・効果的な事業継続を目指し、安心・安全な水道水の供給に努めていきます。