経営の健全性・効率性について
経営の健全性、効率性を表す指標については、類似団体と比較しても概ね良好な数値で推移しており、健全な経営を維持している。但し、施設の効率的な利用率を示す施設利用率は節水型生活様式の進展による配水量減少などの要因により、平均値を下回っており、効率的な施設の利用が課題であるとともに、施設・管路のダウンサイジングによる施設規模を適正化についても検討を行う必要がある。なお経常収支比率が昨年度と比較して改善している点及び給水原価が昨年度と比較して下がっているのは、大阪広域水道企業団の用水供給単価が引下げられ受水費が大幅に減少したことに起因するものである。有収率は漏水防止調査の取組を年次的に進めているところであるが、昨年度と比較して0.16ポイント下がる結果となった。しかしながら、類似団体平均値を大きく上回る結果となっている。
老朽化の状況について
老朽化を示す指標について①有形固定資産減価償却率並びに②管路経年化率は何れも類似団体と比較して平均値を上回っており、老朽化が進んでいる状況が見受けられる。有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を上回っている要因は、早期に水道施設、管路を整備したことにより減価償却が進んでいることによる。管路経年化率が類似団体平均値を上回っている要因は、前期の第8期施設等整備事業計画(平成23年度~27年度)に基づき、水道施設(配水場、ポンプ場)の更新に重点的に取り組んできたためである。今後は、令和2年度を初年度とする第10期施設等整備事業計画に基づき、年間4,000mから5,000mを目標に管路更新事業に取り組んでいく。
全体総括
水道事業については人口減少、節水型生活様式の進展に伴う配水量の減少など厳しい経営環境が続く中においても、健全経営を堅持しつつ、安定給水の確保に必要なライフラインを次世代に良好な状態で引き継ぐために、施設・管路の更新に必要な投資を適切に行っていく必要がある。第9期施設等整備事業計画及びアセットマネジメントに基づき、更新需要の平準化と財政収支のバランスを保ちつつ、基幹管路を中心とした水道管路の更新及び耐震化を進めていく。また、投資と財源の均衡を図ることを目的に「水道事業経営戦略」を平成30年度に策定したところであり、同戦略に基づき、引き続き健全経営に努めていく。