収益等の状況について
当該施設は、歳入の約半分が特定の商業施設への回数券販売に依存している。また、京都市や大阪市などの大型商業施設のパークアンドライド駐車場としてもPRするなど歳入の確保に努めてきたが、依然として収益的収支比率が100%を大きく下回っており、赤字経営となっている。平成24年度、平成25年度については、機械装置のハイルーフ化による修繕費用の増加により、売上高GOP比率やEBITDAが負数となっている。
資産等の状況について
当該施設は平成26年度に企業債を完済したが、機械装置は法定耐用年数の10年を超過しており、従前は保守点検に基づきその都度修繕を行ってきた。修繕コストの平準化を目的に平成28年度より機械装置の長期修繕計画を策定したところ、今後は毎年少なくとも約1,000万円の修繕コストが必要なことが判明している。また、当該施設敷地の地価については、周辺よりも高いことから、他施設への転用を視野に入れた高度利用を検討していく必要がある。
利用の状況について
当該施設は、稼働率が100%を超えてはいるものの、類似施設の平均を下回っていることから、他施設に比べて駐車需要が小さいと考えられる。また、利用の大部分は一時利用が占めており、近隣に商業施設が立地していない。
全体総括
当該施設の現在の経営状況としては、利用台数が減少傾向であることに加え、今後は設備の維持補修に伴う修繕コストの増加が懸念される。今後の経営改善策として、機械装置の老朽化による修繕コストを平準化するための長期修繕計画を策定したが、今後も赤字経営が見込まれ、本市の他3施設と比べても厳しい経営状況である。そこで、将来にわたって安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」の策定に取り組む中で、周辺の駐車需要を分析し、規模の縮小や他施設との統合等将来的な施設のあり方を検討していく。