経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、過去5年間において単年度の収支が黒字であることを示す100%以上を維持しているが、全国平均値及び類似団体平均値より低い水準にとどまっており、また料金回収率も100%に届いていない状況である。累積欠損金は発生していないものの、流動比率は減少傾向が続いており、全国平均値及び類似団体平均値を下回っている。企業債残高対給水収益比率は、平成27年度に簡易水道事業及び飲料水供給事業を経営統合したため増加した。平成28年度は水道料金改定により若干改善したが、平成29年度は給水収益の減少により再び増加に転じている。施設利用率は、全国平均値及び類似団体平均値とほぼ同水準であるものの、ここ数年は減少傾向にある。有収率も、家庭での使用水量の減少等の影響もあり、平成28年度以後は減少に転じている。
老朽化の状況について
水道施設の老朽化の状況を示す有形固定資産減価償却率や管路経年化率は、全国平均値及び類似団体平均値よりも高く、施設の更新・耐震化工事の早急な実施が必要である。管路更新率は、全国平均値及び類似団体平均値よりも上回っているが、全ての管路の更新には、長期間を要する状況である。
全体総括
経営の健全性について、平成28年度の水道料金改定により、一定の改善は図られたが、料金回収率は100%に至らず、流動比率の減少や企業債残高対給水収益比率の増加の傾向がみられる。また、水道施設の老朽化は、全国及び類似団体の平均的な状況より進んでいる。今後においても、給水人口の減少等による給水収益の減少傾向が見込まれる中、水道施設の更新・耐震化を促進するため、より一層、効果的で効率的な事業運営を図る必要がある。