経営の健全性・効率性について
平成30年度は給水収益は前年度比横ばい、他会計繰入金などが増加し営業収益は増加となったものの、営業費用の増加により①経常収支比率はほぼ横ばいとなりました。類似団体や全国平均値と比べても良好な数値となっており、安定した経営が行われています。有価証券購入や未払金の増加により、③流動比率は、226.29ポイント減少しましたが、類似団体や全国平均値を上回っています。原水及び浄水費の委託料の増加等により、⑥給水原価が微増しましたが、類似団体や全国平均値よりも低く抑えつつ⑤料金回収率は100%を上回っており、給水に係る費用が給水収益で賄われています。⑧有収率や⑦施設利用率は類似団体や全国平均値を上回っており、このことが収益に反映されたものと考えられます。近年、新たに企業債を借り入れておらず、④企業債残高対給水収益比率は類似団体や全国平均値と比べて低いものとなっています。現状では短期的な資金負担に対する懸念はないものの、長期的には施設・管路更新に多額の費用が見込まれるため楽観視はできません。
老朽化の状況について
定期的に設備の更新を行っており、①有形固定資産減価償却率は類似団体や全国平均値よりも低く抑えられています。②管路経年化率は平均値を下回ってはいるものの上昇傾向であり、今後も管路の計画的な更新に取り組む必要があります。③管路更新率は前年度より下がりましたが、類似団体や全国平均値よりも高い更新率となっています。管路の更新にあたっては、実質的な使用可能年数に基づいて更新時期を定め、老朽化した管路の計画的な更新を図っていきます。
全体総括
平成30年度は安定した収益は確保できているものの、建設改良費は大幅な増加となりました。管路経年化率は毎年上昇し続けており、引き続き施設・管路更新に多額の費用が見込まれるため、次年度以降も投資額の増大は避けられない見通しです。また、収入面では節水機器のさらなる普及や大口需要者による地下水等への転換等により給水収益減が予想されます。新水道ビジョン(平成29年度策定)で定めた施策目標の達成と適切な事業運営を継続していくため、平成30年度に経営戦略を策定しました(令和5年度までに見直し予定)。目標に対する計画の進捗状況を管理するとともに、PDCAサイクルを回して継続的な改善を図ります。