経営の健全性・効率性について
平成27年度の経営状況は、概ね良好な値となっています。特に④企業債残高対給水収益比率は他団体と比較し大幅に低く、将来の負担が少ないことが伺えます。しかし、前年度との対比では悪化している指標もあり、なかでも③流動比率は75.57ポイントの減少と大きくマイナスとなっています。これらの主な要因は、水道施設の積極的な更新投資に対し、給水収益が減少傾向にあるためであり、今後とも効率的な事業経営を行っていく必要があると考えています。
老朽化の状況について
本市では、合併により増加した施設の統廃合と効率的な管網整備を目的として、水道事業基本計画を策定し、老朽施設の更新とあわせて資産規模の最適化に努めています。③管路更新率は、類似団体と比較し高い値となっていますが、①有形固定資産減価償却率、②管路経年化率は上昇傾向にあり、これら老朽化施設の更新に向け、さらなる投資の合理化に取り組む必要があると考えています。
全体総括
現在の本市の経営状況は概ね健全な状態であると考えますが、老朽施設の更新と耐震性向上への取組みによる費用の増加が見込まれる一方で、その財源となる給水収益は、節水機器の普及や将来の人口減少見込により、右肩下がりとなることが予想されます。現在の施設整備計画である水道事業基本計画は、間もなく見直しの時期を迎えるため、見直しに際しては、上記の問題点を踏まえ、将来にわたって安定的に事業を継続するための中長期的な経営計画を策定し、経営基盤の強化を図っていく必要があると考えています。