経営の健全性・効率性について
地方公営企業会計制度が見直されたため、決算数値は平成26年度から大きく変動しています。「経常収支比率」は未稼働資産の費用化に伴い減価償却費等が増加したことから、前年度に比較して下回っていますが100%は超えています。「流動比率」は対前年度と比較して30%と大きく低下していますが、これは制度改正により企業債を資本から負債に変更した際、1年以内に返済期限が到来するものを流動負債に振替えたためであり、支払い能力が低下したものではありません。「給水原価」が前年度に比較して増加していますが、「経常収支比率」と同様の理由から費用が増加したことによるものです。また、「給水原価」が増加したことから、「料金回収率」は前年度を下回っていますが100%を超えており、給水収益で賄えています。「施設利用率」は全国平均を上回っており、「有収率」も99%を超え、施設の利用状況は良好な状態であるといえます。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は、全国平均よりは若干高めの割合で、徐々に施設の老朽化が進んでいることを示しています。「管路経年化率」も、全国平均に比べて高く、法定耐用年数を超えるものは全体の約4割ほどありますが、これは昭和40年代から50年代に集中的に建設されているためであります。
全体総括
愛知県水道用水供給事業の経営状況は、健全でありますが、老朽化施設更新等による費用の増加が見込まれますので、引き続き効率化等を推進し、今後とも健全経営に努めていきます。また、管路については、「管路経年化率」が全国平均と比較すると高い数値を示しており、今後の更新需要に対応するため、平成24年度に「管路更新計画」(平成24年度から平成33年度)を策定し、地震防災対策や老朽化した水道設備の更新などの事業と合わせて、順次更新を行っております。これらの計画を着実に進め、これからも安全で安定した水道用水の供給に努めていきます。