経営の健全性・効率性について
平成26年度から新会計制度へ移行したことに伴う長期前受金戻入の新設により、経常収支は黒字化し①経常収支比率が103.78%に上昇するとともに、新制度移行前の利益として多額の未処分利益剰余金変動額を計上したため、累積欠損は解消し②累積欠損金比率は0%となった。しかし、本業である給水事業の状況を示す営業収支は赤字となっており非常に厳しい経営状況である。【適切に管理されている部分】③流動性比率は平均値を下回っているが大部分を現金で保有し、数値も200%を超えているため健全である。④企業債残高対給水収益比率は企業債残高の管理を適切に行ってきたため平均値を下回りつつ比率も減少傾向とすることができている。⑦施設利用率は効率的な施設利用により平均を大きく上回っている。【今後の課題】⑤料金回収率、⑥給水原価ともに平均値を下回っているとともに、長期前受金戻入を除くと赤字となる水準となっている。⑧有収率は平均値を下回るとともに、年々悪化している。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は平均値を若干下回っているが上昇傾向が続いている。②管路経年化率についても平均値を下回っているが、平成24年度以降上昇傾向となっている。③管路更新率は機械設備等他施設の更新状況により変動する。過去5年で平均すると概ね1%程度となり、平均値を上回っているが耐用年数内の更新は難しい状況となっている。なお、平成26年度については、建設改良費の大部分を浄水場の整備に充てたため管路更新率は低い数値となっている。
全体総括
人口減少や節水機器の普及による給水収益の減少により、非常に厳しい経営状況となっている。今後も給水収益の大幅上昇は見込みにくい状況であるが、企業誘致等による給水収益の増加や更なる経費削減努力により、本業の給水事業での営業黒字化を目指す。今後も、今ある施設を有効に活用し高い施設利用率を維持していく。施設更新の際には重要施設を優先し、事業効果が大きく事業費が小さくなるよう工夫していく。有収率の向上を重点目標とし、漏水調査を徹底し、漏水による有収率の低下を減らすよう努力していく。