三島市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は低下傾向を示していたが、簡易水道1事業を統合したことに伴う増収により3年ぶりに100％を上回った。平成29年10月の料金改定により健全化を見込んでいる。②累積欠損金比率は、今後も0％を維持できる見込みである。③流動比率は、類似団体平均値と同程度であり、安定した推移となっている。④企業債残高対給水収益比率は、料金水準が類似団体に比べて低いため数値が高く、かつ上昇傾向を示していたが、料金改定により平成29年度より改善する見込みである。⑤料金回収率は100％を下回っており、供給単価が給水原価を下回る原価割れの状態が続いているが、料金改定により健全化する見込みである。⑥給水原価は、地下水の利用により類似団体平均値よりも安価に供給を行っているが、分母となる有収水量の減り幅が大きく、今後も上昇傾向は続く見込みである。⑦施設利用率は、類似団体平均値を下回っており、近年の水需要の低迷により配水能力を十分に生かし切れていない。⑧有収率は、老朽管率が高いことから類似団体平均値を下回っているが、平成25年度からは改善の傾向にあり、今後も引き続き漏水の早期発見と老朽管の更新に係る取り組みを行っていく。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、ほぼ横ばいで推移しており、類似団体平均値と同程度となっている。②管路経年化率は上昇傾向を示しており、全国平均や類似団体平均値と比較すると、著しく数値が高い状況となっている。その改善にむけ、平成26年度からは「三島市水道ビジョン（改訂版）」に基づき工事を実施していることにより、③管路更新率は、全国平均及び類似団体平均値を上回っている。

全体総括

経営の健全性・効率性については、②及び⑥を除き類似団体平均値を下回っており、平成29年10月の料金改定により①経常収支比率⑤料金回収率などが改善する見通しではあるが、施設や管路の更新に伴う多額の建設改良費を要する状況が続く見込みである。従って、アセットマネジメントにより投資費用の縮減に努めるとともに、民間活用の推進をはじめとした経常経費の見直しや、施設規模・施設配置の適正化等について検討を行っていく必要がある。老朽化の状況については、管路の更新投資の増により類似団体平均値を上回る管路更新率を維持していくとともに、耐震管率の向上に取り組み、併せて、耐久性の高い管材料等を採用していく。なお、料金改定の効果を最大限に高めるため、平成29年度中に、平成30年度からの10年間を計画期間とした「三島市水道事業経営戦略」を策定し、経営の健全化と経営基盤の強化を図る。