経営の健全性・効率性について
・経営の健全性については、①経常収支比率(%)から⑥給水原価(円)までの各指標について、類似団体平均値と同等もしくは同等以上の値となっており、概ね健全な経営を維持しているものと判断する。とりわけ平成27年度は、維持管理費の節減により、経常収支比率が改善している。・一方、経営の効率性については、⑦施設利用率(%)が類似団体平均値を下回っているため、今後の施設更新では、将来の使用見込水量を適切に算定した上で、施設能力の適正化を進め、施設の効率性を高めていくことが必要である。・なお、⑧有収率(%)は、類似団体平均値を下回っており、この原因として収益を得ない洗管作業に要する水量の影響等が考えられるが、数値は98%を超えているため、特段問題はないと考える。
老朽化の状況について
・②管路経年化率(%)をみると、類似団体平均値と比較して法定耐用年数40年を超過した管路が増加しているが、本県では、管路管体調査により健全度を把握し、計画的に管路の延命化を図っているところである。・その一方、更新が必要な区間については、計画的に管路更新を進めているところである。・③管路更新率(%)については、計画的に管路更新を行っているが、率の算定上、管路供用開始の時期が年度更新率に反映するため、管路更新率に増減が見られる。なお平成27年度は榛南水道で、送水管布設替工事が完了したことから、前年度に比べ更新率が上昇している。
全体総括
・本県企業局は、3水道を経営しており、平成28年度末までに将来の水需要に見合った適切な施設規模への更新を目的とした基本計画であるマスタープランを作成し、平成29年度末までに投資と財源を均衡させた収支計画を中心とする経営戦略を策定する予定である。今後は、施設の全面更新に向け、各水道の状況に応じた施設能力への見直しと、一層の経営改善に取り組むとともに、更新財源確保のために料金見直し等も行っていく。・榛南水道については、給水区域の一部が重複する大井川広域水道企業団との統合に向け、協議を継続する。