経営の健全性・効率性について
①経常収支比率・②累積欠損金比率:経常収支比率は継続して100%を超えており、累積欠損金もないことから経営の健全性は確保されている。③流動比率:継続して100%を大きく上回っており、短期的な債務の支払い能力は確保されている。④企業債残高対給水収益比率:平成19年度以降企業債の借り入れは行わず、自己資金での施設整備に努めているため、企業債残高は減少している。⑤料金回収率・⑥給水原価:給水原価は類似団体の半分程度で平均値を大きく下回っており、料金回収率は継続して100%を上回っているため、適正な水準であると言える。⑦施設利用率・⑧有収率:施設利用率、有収率平均値と同水準であり、効率的に施設の運用がされていると言える。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率・②管路経年化率:有形固定資産減価償却率は平均値とほぼ同程度であるが、管路経年化率は平均値より大きく上回っており、耐用年数40年を経過した管路の割合が多い。③管路更新率:平成22、23年度に管路更新を行った後は資金を積み立てる期間であり更新率は0%であったが、平成27年度から4年間の継続費事業として送水管路の更新事業に着手し、約33%が完了した。平成30年度に管路更新事業が完了した際には、管路経年化率は28.8%になる。
全体総括
現状において、企業団の財政状況は良好であり、経営の健全性及び効率性は確保されている。しかしながら、構成団体からの申込水量の減少に伴い料金収入は減少傾向にあり、今後も厳しい経営環境下での事業運営が想定される。今後も老朽施設の更新や施設耐震化等、対応必要な事業を確実に推進していくためには、施設の効率的な運用や組織の効率化により経営の合理化を図り、出来る限り企業債の借入を抑制したうえで財源を確保することが必要である。長期的な視点での財政収支計画を策定し、経営基盤の強化を更に進めていくことが重要であると考えている。