経営の健全性・効率性について
類似団体平均値の半分程度の給水原価で事業を運営しており、累積欠損金もなく経常収支比率、料金回収率も100%を超え、また、類似団体平均値以上である。流動比率も100%を上回っており類似団体と比較しても大幅に上回っているため、短期債務に対する支払能力は確保されている。企業債残高は類似団体の平均値を下回っており、現状では経営状態は良好であるといえる。有収率、施設利用率は類似団体平均値と同水準であり、効率的に施設が運用されているといえる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は類似団体平均値と同水準であるが、管路経年化率は61.67%と高い。平成22、23年度に管路更新事業を行ったが、その後は管路更新の資金を積み立てる期間であったため、管路更新率は0%であったが、平成27年度から管路更新事業に着手した。
全体総括
現状での企業団の経営・財務状況は良好であるが、料金収入は減少傾向である。中長期的には老朽施設等の更新への対応が必要となり、継続的な事業の実施のために借入金である企業債を抑制し、自己資本を充実させる等、長期的な視点での財政収支計画を策定する必要がある。今後想定される人口減少に伴う更なる料金収入の低迷という厳しい経営環境の中で、対応の必要となる老朽施設の更新や耐震化等の事業を確実に推進していくためには、財源確保方策や組織の効率化、経営の合理化等、経営基盤強化策を検討していくことも重要であると考えている。