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2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成15年度までは類似団体とほぼ同程度の数値であったが、平成17年1月及び平成22年1月の市町村合併を経て市域、人口が増加する一方、市税収入が伸び悩み、数値が悪化した。令和元年度においては、個人市民税が増加したものの、臨時財政対策債元利償還金の増加等により、大きな変動に至らず、類似団体同様、横ばいとなった。今後も、長野県地方税滞納整理機構の活用などによる市税の収納向上や公共施設の統廃合や長寿命化、事務事業の見直しを計画的に進め、財政基盤の強化に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
平成27年度から29年度にかけては、地方交付税における合併算定替の段階的縮減による減少に伴い悪化した。平成30年度は市税等の増加に伴い改善したものの、令和元年度は東日本台風災害に伴う被災者生活再建支援や障害者(児)介護給付費等扶助費の増加により、前年度に比べ2.0ポイント悪化した。類似団体平均値からは、昨年度の2.4ポイント下回った状況から1.0%下回ったところまで近づいているため、引き続き人件費、公債費、物件費などの経常経費の抑制に努めるとともに、市税の収納向上のほか、未利用財産の貸付・売却、有料広告収入の促進、使用料など利用者負担の適正化を図り、経常収入の増加に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費は、長野市定員適正化計画に基づく職員数の削減、外部委託の推進などにより総人件費の抑制に取組んできたが、退職手当の増や保育士の賃金単価改定等により、前年度と比較して.1.0%増加、物件費は、東日本台風災害に伴う廃棄物・土砂撤去費の皆増により42.3%増加となり、これらの影響で人口一人当たりの人件費・物件費等は、前年度より21,375円の大幅増となった。台風災害からの復旧作業の進捗により物件費は縮小していくと推測されるが、その一方で人口は前年度比2,141人減となる375,884人となり、人口の減少傾向が顕著になりつつある。引き続き、人件費の抑制を図るとともに、公共施設等総合管理計画に基づき施設維持管理経費の削減に努めていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
職務給の原則に適合しない不適正な給与制度の運用(いわゆる「わたり」)を廃止し、平成28年度から職員の職責に応じた職務の級を決定し格付することとした職務給の徹底を図った。その結果、上記制度移行前の100.5からは0.3ポイントのマイナスではあったが、前年との比較では0.2ポイントの上昇となった。今後も職員の格付け状況等を引き続き検証し必要な見直しを行うことにより、一層の給与水準の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
平成22年1月の市町村合併により職員数が増加し、類似団体の平均を上回ったが、平成22年度に独自に策定した第四次長野市定員適正化計画(平成22~平成26年度)の計画期間の削減目標30人に対し、38人の削減を達成した。その後の平成27~令和1の間に職員数は33人減少してきているところであり、今後も事務事業等の見直しを継続的に行い、本市の実情を考慮しつつ、市民サービスの低下を招くことのないよう、適正な定員管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
第一庁舎・芸術館建設の元金償還の本格化や第四学校給食センター、ごみ処理施設の償還開始により、一般会計等における公債費(繰上償還及び借換除く。)が増加したことから、令和元年度は前年度に比べ0.7ポイント上昇した。近年の公共施設の建設により地方債を多額に発行したことから、今後も公債費の増加が見込まれるため、数値はやや増加する見込みである。これからは、事業の緊急度や優先性、必要性を十分に検討した上で、「選択と集中」を徹底することにより、公債費の縮減に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和元年度は、東日本台風災害による災害復旧事業債の発行に伴う市債残高の増加や同災害の影響による財政調整基金残高の減少により、前年度に比べて6.7ポイント増加している。今後とも、重要性や緊急性などを十分に踏まえながら施策を厳選し、地方債の借り入れに際しては償還時に地方交付税措置のある有利な地方債を活用するなど、将来負担が過度に上昇しないよう取り組んでいく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に係る経常収支比率が類似団体平均値を下回っており、これまで指定管理者制度の積極的な導入やPFIなど、民間活力の活用による職員数の抑制、時間外勤務手当の縮減などに努めてきたことによるものである。また、前年度との比較で経常収支比率が0.5ポイント上昇したのは、退職手当の増などにより、人件費における経常経費充当一般財源が約2.3億円の増となったことが主な要因である。
物件費
物件費の分析欄
物件費に係る経常収支比率が類似施設と比較して高くなっているのは、業務の民間委託を推進してきたたことと、他の類似都市にない要因として、オリンピック開催に伴い建設した大型の競技施設の管理運営委託費が要因となっている。令和元年度は、東日本台風災害に伴う廃棄物・土砂撤去費の皆増などにより、前年度と比較して0.9ポイント増加した。なお、類似都市平均と比較すると2.0ポイント上回っており、昨年度からの類似都市平均との差は拡がった。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均値と比較して5.2ポイント下回っており、また前年度と比較すると0.2ポイント減少している。主に私立保育所入所委託料の一般財源の減などが要因である。扶助費については、今後も少子化対策の充実や高齢者の増加、障害者(児)介護給付費・訓練等給付費等に要する費用などにより増加が見込まれることから、法定外事業の見直しなどに取り組んでいく。
その他
その他の分析欄
その他の主なものは、介護保険特別会計、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計への繰出金であり、令和元年度は、類似団体との比較においては1.6ポイント低くなっている。今後は高齢化の進展に伴う保険給付費の増加などが見込まれることから、法定基準外の繰出金の抑制に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に係る経常収支比率が類似団体と比較して高くなっているのは、下水道事業における企業債償還額に対する補助金が多額になっていることが要因のひとつである。今後は、下水道整備率の向上に伴い事業の平準化が進むことにより減少するものと見込んでいる。令和元年度は、幼稚園・認定こども園施設型給付費の増加等により、前年度と比較して0.3ポイント上昇した。
公債費
公債費の分析欄
オリンピック開催時の多額の起債の償還が平成29年度に終了した一方で、同年度以降の第一庁舎・芸術館建設等の元金償還の本格化に加え、令和元年度は第四学校給食センターや高機能消防指令システム・中央消防署整備事業等の償還開始により、公債費における経常経費充当一般財源が増加したため、0.6ポイント上昇したものである。今後、東日本台風災害に係る市債償還がさらに本格化することに伴い、公債費が増加するため、新規市債発行の抑制に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
経常収支比率は、類似団体と比較して2.8ポイント下回っているものの、令和元年度の数値は東日本台風災害の影響による歳出増加により、前年度と比較して1.4ポイント上昇している。今後、東日本台風災害からの復興や施設の長寿命化経費の増加が見込まれるため、事業の選択と集中、事務事業のスクラップアンドビルド、公共施設の統廃合などを徹底し、経常的経費の抑制に努めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
目的別歳出の分析欄
教育費は、第一学校給食センター改修事業事業費及び小・中学校エアコン整備事業費の増により前年度比で大幅に増加し、類似都市平均を上回った。今後、小・中学校の長寿命化対策経費の増加が見込まれる。また、東日本台風災害関連事業に伴い、廃棄物・土砂撤去事業費の増による衛生費の増加及び被災農業施設復旧事業費の皆増による災害復旧費の増加となっている。商工費は、中小企業資金融資のための多額の預託金を歳入歳出に同額計上していることから、類似都市の平均を常に上回っている。なお、公債費については、第四学校給食センターや高機能消防指令システム・中央消防署整備等の償還開始により増加している。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
性質別歳出の分析欄
普通建設事業費(うち更新整備)の1人当たりの事業費は、第一学校給食センター改修事業費及び小・中学校エアコン整備事業費の増により前年度比で大幅に増加した。今後は施設の長寿命化対策経費の増加が見込まれる。また、東日本台風災害関連事業に伴い、廃棄物・土砂撤去事業費の増による物件費の増加及び被災農業施設復旧事業費の皆増による災害復旧費の増加となっている。一方、扶助費の1人当たりの事業費が類似都市を下回っているのは、生活保護の保護率が低いことが要因となっている。積立金の1人当たりの事業費は、公共施設等総合管理基金積立金の減などにより前年度から減少し、投資及び出資金の1人当たりの事業費は、県立大学への出資金の皆減により減少している。なお、公債費については、第四学校給食センターや高機能消防指令システム・中央消防署整備等の償還開始により増加している。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄令和元年度決算において歳出は、第一学校給食センター改修、小・中学校へのエアコン整備事業等により、普通建設事業費が53.8億円の増加、また東日本台風災害に係る廃棄物・土砂撤去費用や農地・農業用施設復旧事業等により、決算額は前年度比14.0%増となった。歳入は、東日本台風災害に係る廃棄物処理事業費補助金等により国庫支出金が59.4億円の増加、また災害対策債の皆増による市債の増加などにより、11.7%増となった。なお、財源不足を補填するための財政調整等基金からの繰入は、平成30年度の決算剰余金の処分として11億800万円を積み増したものの、東日本台風災害への対応等のため29億円を取り崩し、取崩額が積立額を大きく上回る状況となった。実質収支は、前年度比約20億円減の2.1億円の計上に留まった。今後、東日本台風災害からの復興や施設の長寿命化経費の増加が見込まれるため、事業の選択と集中、事務事業のスクラップアンドビルド、公共施設の統廃合などを徹底し、経常的経費の抑制に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄一般会計、特別会計、企業会計において、実質収支額及び資金剰余額は黒字のため、連結実質赤字額は生じていない。一般会計については、東日本台風災害前と同程度の割合まで改善していくように努める。
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実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄公債費(元利償還金)については、行財政改革の推進や効率的な財政運営等により地方債発行を抑制してきた結果、平成28年度まで減少傾向にあったが、平成25年度以降の第一庁舎・芸術館建設等の建設事業の進捗に伴い、建設事業債の発行が大幅に増加し、平成29年度以降、その元金償還が本格化したことから、上昇に転じた。今後も東日本台風災害に係る復旧・復興事業や施設の長寿命化対策等により上昇が見込まれる。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債なし
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将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄地方債の現在高は、平成25年度以降の第一庁舎・芸術館建設等の建設事業の本格化に伴い増加しており、また、長野広域連合で実施しているごみ処理施設建設に伴う負担金の増加や、市有施設の長寿命化対策の進捗により、今後もさらに増加する見込みである。また、第一庁舎・芸術館等の建設に備え蓄えてきた基金の減少のほか、財政調整基金も社会保障関係経費や公債費等の経常的経費の増加により減少する見込みであることから、将来負担比率の分子全体としては今後も増加する見込みである。
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基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)基金残高は、ピーク時の平成4年度には602億円あったが、オリンピック関連施設や市民病院の整備などの財源として活用したことから、平成10年度には279億円まで減少した。その後、一時期には基金への積立てが可能となったものの、市税の伸び悩みや地方交付税の減少によって、基金の取崩しに依存した状態が続いていたが財政調整基金等に過度に依存した体質から脱却し、プロジェクト事業の本格化に備えて新たに基金を造成するなど準備を進め、平成26年度から平成28年度にはプロジェクト事業への基金の活用を行った。このような経過により、平成27年度以降、基金の積立総額が減少を続けており、令和元年度の財政調整基金においては、決算剰余金の1/2の11.1億円を積み立てた上で、東日本台風災害の影響による財源不足を補うため、29.1億円の取崩しを行った。そのほか資源再生センターの火災の影響により基金全体では18.4億円の減となった。(今後の方針)国庫補助等の財源が見込めない単独事業や少子・高齢化の進行により年々増加する社会保障関連経費のほか新型コロナウイルス感染症等の災害対策にも対応するため、歳出の見直しなど財政健全化への取り組みにより、財政調整基金の取り崩し額の圧縮を図り、適切に積立を行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)前年度決算剰余金の2分の1の11.1億円を積み立てる一方、当初26.3億円と見込んだ基金の取り崩しは、東日本台風災害の影響により2.8億円増の29.1億円に膨らんだ。そのため、平成30年度末(残高151.5億)と比較すると、約17.4億円の減で基金残高は134.1億円余りとなり、大幅な減少となった。(今後の方針)国庫補助等の財源が見込めない単独事業や少子・高齢化の進行により年々増加する社会保障関連経費のほか新型コロナウイルス感染症や災害対策にも対応するため、歳出の見直しなどの財政健全化への取組みにより、財政調整基金の取崩額の圧縮を図り、適切に積立を行っていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)東日本台風災害の影響により当初見込んだ2,000万円の取り崩しを行った一方、基金運用益569万円を積み立てた。(今後の方針)市債の償還及び市債の適正な管理に必要な財源を確保するため、適切に管理・運用していく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・リサイクル基金・職員退職手当基金・公共施設等総合管理基金外(増減理由)・リサイクル基金資源再生センターの火災に伴う施設改修支出へ充当・職員退職手当基金退職手当に備えた積み立て及び支出・公共施設等総合管理基金市有施設の老朽化対策に備え積み立て・森林づくり基金森林譲与税の活用のため新たに設置(今後の方針)・職員退職手当基金今後増加が見込まれる退職手当に備え適切に積み立てる・公共施設等総合管理基金市有施設の老朽化対策のため適切に積み立て、必要な経費に対し充当する・その他一般財源の不足が見込まれることから、基金の目的に沿って適切に各事業に充当していく
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率を算出する際の分子となる減価償却累計額は、単年度(令和元年度ベース)で約170億円程度増加している。この170億円は算出上の分母となる償却資産の取得価格の1.9%程度であるため、分母に変動が無かった場合の単純な前年度比較では、1.9ポイント程度増加することになる。その中で、1.1ポイントの増加にとどまったのは、第一学校給食センターや篠ノ井・芹田総合市民センター及び北部幹線などの大規模工事が竣工し、市有施設やインフラの更新が進んだことによるもの。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
令和元年度は、令和元年東日本台風災害による災害復旧事業債の発行に伴う市債残高の増加などにより、将来負担額が増加に転じた。これに伴い、債務償還比率は平成30年度から増加した。加えて、平成26年度以降のプロジェクト事業(庁舎建設など)に伴う地方債現在高の増加が影響し、類似団体と比較し比率が高くなっている。引き続き、交付税措置のない市債発行を抑制していくよう努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
有形固定資産減価償却率、将来負担比率ともに類似団体平均と比較して、高い状況にあり、有形固定資産減価償却率については、5年連続して増加している。本市は類似団体に比べ有形固定資産の保有量が2割程度(金額換算で1,100億円)多いため、有形固定資産減価償却率への影響が出にくいといった特徴がある。類似団体平均より多くの公共施設等整備費支出をし市有施設等の更新を進めているが減価償却がそれを上回っているため、毎年上昇している。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は類似団体と比較して高いものの、実質公債費比率は低くなっている。平成26年度以降、長野Uスタジアム、第一庁舎・芸術館建設、学校耐震化事業などのプロジェクト事業の市債発行により、将来負担比率が上昇傾向になっている。令和元年度は、令和元年東日本台風災害による災害復旧事業債の発行に伴う市債残高の増加などにより、将来負担額が増加に転じ、将来負担比率が増加した。実質公債費比率は、長野オリンピック関係の市債償還が終わる平成29年度までは低下傾向だったが、前述のプロジェクト事業に伴う市債の元金償還が本格化したことから、平成30年度、令和元年度ともに比率が上昇した。今後も引き続き上昇することが見込まれるため、交付税措置のない市債発行を抑制していくよう努める。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
施設情報の分析欄
【道路】道路台帳整備前に築造された路線は、取得日(減価償却開始日)が不明であったため昭和52年を一律設定している。このため、有形固定資産減価償却率の分析(活用)には注意が必要である。市民一人当たり延長は類似団体内3位であるが、道路の性質上廃止や統廃合は困難であり、今後長寿命化や効率的な維持補修のあり方について検討が必要である。前年度に県施工の道路が市に移管されたため改善したが、令和元年度は更新より償却が進んだため、有形固定資産減価償却率が1.2%上昇した。【認定こども園・幼稚園・保育所】類似団体平均より高い水準にあるが。築50年近い園舎(中御所保育園、若槻保育園等)の解体工事が完了したため、有形固定資産減価償却率が1.7%改善された。【公民館】篠ノ井及び芹田総合市民センター建設工事が竣工し、篠ノ井交流センター(公民館)及び芹田公民館も併せて更新されたため、有形固定資産減価償却率が4.2%改善された。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
施設情報の分析欄
【体育館・プール】令和元年度は真島総合スポーツアリーナの改修などを実施したが、償却が上回り有形固定資産減価償却率が1.8%上昇した。本市はオリンピック施設の影響等で一人当たり面積が類似団体内で4位と高く、屋外プールについては統廃合を検討してきたが、令和4年度に城山市民プールを解体する方針が決まったため、解体工事が完了すれば有形固定資産減価償却率は、改善される見込みである。【庁舎】及び【福祉施設】公共施設マネジメントの取組みにより市有施設の複合化を進めており、令和元年度は、総合市民センター(支所と公民館等の機能を集約した複合施設)が2ヶ所(篠ノ井・芹田)で完成した。このため、【庁舎】は、篠ノ井支所及び芹田支所の更新により、有形固定資産減価償却率の上昇が0.1%に留まり、面積も増加した。また、【福祉施設】では、篠ノ井老人福祉センターの更新により、有形固定資産減価償却率が0.6%改善し、面積もわずかに増加した。【図書館】及び【消防施設】ともに有形固定資産減価償却率が70%を超えている。【図書館】は、老朽化が進んでいる南部図書館について、今後のあり方の検討を行っている。【消防施設】は、市内に6消防署12分署のほか消防団詰所、器具倉庫、車庫など関係施設の数量が多いため、更新の影響が出にくい。
財務書類に関する情報①(2019年度)
1.資産・負債の状況
本市は令和元年東日本台風災害で被災したため、一般会計等では、資産総額が前年度から8,805百万円(1.3%)減少、負債総額が1,438百万円(0.8%)増加となった。負債の増加は、災害復旧事業債の発行に伴う市債残高の増加などによるもの。資産の減少については、減価償却費に加えて、災害復旧費及び災害関連経費の財源となる国庫補助金の一部が翌年度の収入となったことにより、その不足分を現金預金及び財政調整基金の取崩などで賄ったことなどによる。・水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体会計では、総資産額が14,279百万円(1.5%)の減少、総負債額が7,651百万円(1.9%)の減少となり、資産・負債ともに減少した。長野広域連合、長野市土地開発公社等を加えた連結会計でも、総資産額が12,823百万円(1.3%)の減少、負債総額が6,093百万円(1.5%)の減少となった。類似団体と比較すると、合併の経過から市域が広く、資産、負債ともに上位であることから、引き続き、公共施設マネジメント指針の基本的な考え方に基づく中長期的な取組みを推進していく必要がある。
2.行政コストの状況
・一般会計等、全体、連結、すべての会計で純経常行政コスト、純行政コストともに、前年度よりコストが増加した。・一般会計等においては、経常費用及び純経常行政コストが前年比1.6%増加に対して、臨時損失を含む純行政コストでは、14,039百万円(11.2%)の増加となった。これは東日本台風災害復旧事業のため、災害復旧事業費が前年より13,527百万円(914%)と大幅に増加したことによるものであり、以降の全体、連結会計の純行政コスト増加の理由も同様である。・全体会計では、経常費用が前年比1.0%増加、純経常行政コストが1.4%の増加に対し、純行政コストは、前年比14,792百万円(7.9%)の増加となった。・連結会計では、経常費用が前年比1.7%増加、純経常行政コストが2.1%の増加に対し、純行政コストは、前年比17,776百万円(7.7%)の増加となった。・本市が保有する資産が類似団体平均よりも多いことから、これに伴い発生する減価償却費が類似団体平均の約1.4倍となっているため、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設総量の縮減と適正配置や計画的な長寿命化を進める必要がある。
3.純資産変動の状況
・一般会計等においては、税収等の財源(129,342百万円)が国県等補助金の増加等により8.3%増加したものの、純行政コスト(138,955百万円)も災害復旧事業費などで前年より11.2%増加したため、純行政コストが財源を上回った。本年度差額は△9,613百万円となり、前年よりも差が拡大した。このため、純資産残高は458,648百万円となり、前年より10,242百万円(2.2%)減少した。・全体会計では、税収等の財源が5.5%増加したが、純行政コストも7.9%増加し財源を上回ったため、本年度差額は△6,097百万円となり、差が拡大した。純資産残高は、前年から6,629百万円(1.2%)減少の566,062百万円となった。連結会計では、税収等の財源が4.8%増加したが、純行政コストも7.7%増加し財源を上回ったため、本年度差額は△6,002百万円となり、前年プラスから大幅マイナスとなった。純資産残高は、前年度から6,730百万円(1.1%)減少の587,655百万円となった。
4.資金収支の状況
・資金収支計算書の各収支の状況について、『業務・投資・財務』の順に一般会計等は、『十一+』。全体は、『+・-・-』である。・一般会計等においては、業務活動収支は5,819百万円となり、前年から8,481百万円(59.3%)減少した。投資活動収支では、第一学校給食センター改修事業などの大規模工事が竣工し、公共施設等整備費支出が15,099百万円(63.5%)増加したため、収支は△9,923百万円となり、前年より1,027百万円(11.5%)減少した。財務活動収支は、災害対策債(東日本台風災害)や学校給食施設整備債等の地方債等発行収入が5,332百万円増加し、償還を上回ったためプラス1,370百万円となり、本年度末資金残高は前年度から2,733百万円(56.8%)減少の2,078百万円となった。・全体会計では、国民健康保険料や介護保険料が税収等に含まれること、水道料金等の使用料、手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より10,459百万円多い16,278百万円となっている。投資活動収支は、前年比1,916百万円減少の△15,990百万円となっている。財務活動収支は△4,815百万円となり、本年度末資金残高は前年度から4,527百万円(16.2%)減少し、23,458百万円となった。
財務書類に関する情報②(2019年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は類似団体平均より16%(24万円)程度高く、多くの資産を保有していることが分かる。令和元年度に歳入額対資産比率が減少したのは、災害により国・県からの補助金収入等が増加したことにより分母が増加したためであり、依然として類似団体平均より高い水準となっている。有形固定資産減価償却率も平均を上回っていることに加えて、値の上昇率も高いため、平均よりも老朽化が進んでいると考えられる。本市では、平成29年3月に策定した「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設全体の床面積を20年間で20%縮減することや計画的な点検・改修による長寿命化等に取り組んでいるが、平均よりも多くの古い資産を保有しているため、比率の減少につながりにくいと考えられる。引き続き、公共施設の量と質の最適化を図る必要がある。
2.資産と負債の比率
住民一人当たり資産・負債ともに類似団体平均を上回っており、人口に対する資産・負債の保有量は大きいが、資産と負債の比率は純資産比率により平均的であることがわかる。将来世代負担比率は、地方債残高が増え有形無形固定資産が減少したため前年よりわずかに上昇した。類似団体平均より低く抑えられているが、本市は資産を多く保有しているため、そのことを考慮しながら、資産の量と質の適正化に努める必要がある。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、例年、類似団体平均を上回っている。これは、資産保有量が他団体より多いことから、これにより発生する減価償却費や維持補修費が他団体より多いためである。令和元年度は、災害のため、災害復旧事業費が前年より大幅に増加したことにより、行政コストが増加したため、前年比及び類似団体平均との比較でも大幅に上回ることになった。
4.負債の状況
資産の多さに比例し、負債も平均値を上回っている。負債総額のうち85%程度を占める地方債残高は、160,273百万円であるが、このうち70%程度は将来において交付税措置されるものである。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字が圧縮し、投資活動収支の赤字が増加したため、△4,995百万円となり、類似団体平均を上回る赤字となった。投資活動収支は、大規模工事の竣工があり、公共施設整備費支出が増加したため赤字が2,709百万円増加したものであり、業務活動収支は、災害復旧事業費支出が前年の10倍以上の支出となったため、黒字が8,614百万円減少したためである。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、経常収益、経常費用ともに増加したため、横ばいとなった。類似団体平均が減少したため、令和元年度はわずかだが上回ることになった。引き続き「行政サービスの利用者の負担に関する基準」(H20年7月)に基づき、適正な利用者負担に努めていく必要がある。
類似団体【中核市】
函館市
旭川市
青森市
八戸市
盛岡市
秋田市
山形市
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