経営の健全性・効率性について
・経常収支比率については、黒字を示す100%を上回っており、累積欠損金もなく健全な経営を行っていると言える。今後とも経営効率化を図るなか、健全経営に努めていきたい。・流動比率は、200%を超え、一年以内の短期債務に対して十分な支払能力がある。・企業債残高対給水収益比率は、企業債発行額の抑制に努めて企業債残高は減少傾向にあるものの、水需要の減少により給水収益も減少していることから、横ばいで推移している。・給水原価は、類似団体平均を若干上回っているが、要因として経常費用に占める受水費の割合が影響していると考えられる。・施設利用率は、水需要の減少から年々低下しており、今後の水需要を適正に見極めるなか、施設規模を見直す必要がある。・有収率は、前年度に比べて0.59%上昇している。計画的な老朽管更新や漏水調査の実施によるものと考えられる。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却率及び管路経年化率については、全国・類似団体と同様に年々上昇傾向にある。計画的に老朽化対策を進めているものの、水道施設や管路の老朽化が加速している。・管路更新率は、全国・類似団体を下回っている。現在、大口径の基幹管路更新事業を進めており、事業費の割に更新延長が延びないことが要因となっている。今後も引き続き計画的かつ効率的な管路更新に努めていく必要がある。
全体総括
・経常収支比率、流動比率及び料金回収率はともに100%を超えており、概ね健全な経営状況にあると言える。しかし、給水人口の減少などを要因とする水需要の減少による給水収益の減収が続く一方、老朽化した水道施設の更新需要の増大により、経営環境は一段と厳しさを増すものと予想される。・今後とも経営の効率性を高めるとともに、施設の統合やダウンサイジング、長寿命化を図ることで更新費用を抑制に努めるなど、中長期的視点に立って健全経営に取り組む必要がある。