経営の健全性・効率性について
ほとんどの団体で人口減少などの要因によって、供給量が減少するなか、当企業団も例外ではなく、供給量は減少している。供給量減少への対応として当企業団は、マスタープランを定め、健全・効率的な経営を進めている。具体的には、定員管理計画に基づいた職員給与費の削減、起債依存率の低減、事業安定のための職員の養成と技術継承である。その成果は③や④の表のように現れ、類似団体と比べてみるとより健全・効率的に運営できていると評価できる。また、①と⑤については平成27年度は平成26年度に比べ設備更新・資産除却に伴う資産減耗費の発生が少なかったため改善している。マスタープランに沿って設備更新を行っているため平成26年度の悪化については、一過性と捉えており問題ない。当企業団の経営については、全体的に類似団体の平均と比べると健全・効率的に運営されており、今後も維持改善に努めていきたい。
老朽化の状況について
施設全体の老朽度は類似団体の平均と同程度である。管路については、平成30年度まで経年化率は0%であるが、平成31~35年度で約90%に増加する。急激な増加の理由は当企業団用水供給を始めた昭和56年から、法定耐用年数である約40年が経過し始めるためである。管路自体に老朽化は見られないが耐震化率が低いため、耐用年数経過後早めに更新し災害発生時においても強い水道を目指していく。
全体総括
今後も人口減少が進み供給量の増加が見込めない中でも、清浄な水を安定的に供給し続けていかなければならない。そのためには、適正な施設の更新・改良・維持管理が必要である。また、災害発生時においても強い水道を目指し、水道施設及び管路の耐震化を進めて、ライフライン機能の整備強化することも求められる。それらを計画的に実行するためには、マスタープランに基づいた企業運営が必要不可欠である。企業運営の成果は、類似団体と比べることで明らかになり、相対的な評価が可能となる。当企業団の企業運営はその平均と比べると健全・効率的に運営されていると評価できる。今後も清浄な水を安定的に供給し続けられるようよう邁進したい。