経営の健全性・効率性について
(1)経営の健全性について経常収支比率及び料金回収率は、平成23年度の基本料金引き下げや電気料金上昇に伴う動力費の増加などにより下降傾向でしたが、平成26年度以降は、修繕周期の見直しや低利債借換えによる支払利息の減少などにより、回復傾向となっています。いずれの値も100%を超えており、また、類似団体の平均値を上回って推移していることから、経営は安定しているといえます。流動比率は、公営企業会計制度改正の影響で平成26年度は下降しましたが、200%以上を維持しており、十分な支払い能力があるといえます。また、企業債残高対給水収益比率は、企業債償還が進み下降傾向で推移しています。これらの指標から、経営の健全性は十分に保たれているといえます。(2)経営の効率性について施設利用率は近年、構成団体への給水量が微増していることから上昇傾向となっており、類似団体の平均値より高い値で推移しています。また、有収率はやや低下傾向なものの、99%以上の高水準で推移しています。これらの指標から、効率的に水道用水を供給できているといえます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体の平均値をやや上回り、老朽化施設が増加傾向にあります。なお、耐用年数に達した管路が無いため管路経年化率及び管路更新率は0%ですが、管路経年化率は10年後に50%を超える見込みです。老朽化による事故や故障を防ぐためには、点検や修繕など適切な維持管理により施設や設備の延命化を図りながら、計画的な更新を実施していく必要があります。
全体総括
経常収支比率や施設利用率などの指標から、経営基盤は安定し、経営の効率性は比較的高いといえます。しかし、その一方で老朽化施設の増加や耐震化の推進などの課題があり、これらに取組んでいかなければなりません。今後とも、現在の経営状況を維持しつつ中長期的な視点での施設整備を進めていきます。