経営の健全性・効率性について
経営状況に関する各指標については、類似団体平均値(以下「平均値」という。)との比較や過年度の推移などを踏まえても、概ね良好な水準で推移しており、経営の健全性・効率性は確保できていると考えられる。各指標のうち、①~⑦については、平均値や過年度の推移などを踏まえても、良好な水準を確保しており、健全性及び効率性は確保できていると考えられる。このほか、⑧有収率については、100%に近い数値を保っていることから、健全性及び効率性は十分確保されているものと考えられる。
老朽化の状況について
企業団の施設等は、H12年度の創設事業完了後、「更新基本計画」に基づき、機械設備等の更新を順次してきたが、管路等の基幹構造物は更新時期が到来していなかったため、平均値との比較や過年度の推移を踏まえると、老朽化が進行していると考えられる。各指標のうち、①有形固定資産減価償却率は、機械設備等は計画的に更新してきたものの、管路等の基幹構造物は更新時期が到来していなかったため、上昇傾向にあり、老朽化が進行していると考えられる。また、②管路経年化率、③管路更新率について、これまでは更新時期が到来した管路がなかったため、平均値を下回っていたが、今後は管路経年化率の上昇等を踏まえ、計画的な管路更新に取り組む必要があると考えられる。
全体総括
企業団の経営状況は、「1.経営の健全性・効率性」の各指標が示すとおり概ね良好な水準で推移してきたものの、今後は「2.老朽化の状況」の各指標が示すとおり、これまで更新時期が到来していなかった管路等の基幹構造物の更新を中長期に亘り計画的に実施していく必要がある。それに伴い、今後の財政支出の増加が見込まれるものの、水道用水の安定供給を支える持続可能な財政基盤を確保するため、平成27年度に策定した経営戦略に基づき、効率的な経営の推進のもと、経営の健全性が確保できるように努めていく必要がある。