経営の健全性・効率性について
経営状況に関する指標については、過年度推移や類似団体平均値(以下「平均値」という。)との比較を踏まえて見ると、概ね良好な水準で推移しており、経営の健全性・効率性は確保できていると考えられる。各指標について見てみると、①経常収支比率、②累積欠損金比率、③流動比率、⑤料金回収率、⑥給水原価、⑦施設利用率の指標は、いずれも平均値より良好な数値となっている。このほか、④企業債残高対給水収益比率については、平均値を若干上回っているが、今後は定時償還により下降傾向にあること、また、⑧有収率については、100%に近い数値を保っていることから、健全性及び効率性は十分確保されているものと考えている。
老朽化の状況について
企業団の施設は、「更新基本計画」に基づき機械設備等について、計画的に更新してきたところであるが、管路等の基幹構造物は、更新時期の到来が先であったため、その詳細を定めた事業計画に反映させていなかったこともあり、①有形固定資産減価償却率や②管路経年化率が高くなっている。また、③管路更新率についても、これまで更新時期を迎えた管路が発生していなかったため、更新は行っていない。
全体総括
企業団の経営状況は、「1.経営の健全性・効率性」については、現状、各指標とも概ね良好な水準で推移しているものの、「2.老朽化の状況」について高くなっており、老朽化が進んできている状況にある。特に管路については、創設時に布設した管が順次老朽化を迎えることから、今後も経年化率が上昇することが見込まれ、更新に多額の費用を要するものと思われる。そこで、健全性を維持しながら計画的に更新を行うため、平成27年11月に策定した「経営戦略」を踏まえて費用の平準化を図り、引き続き効率的な経営の推進及び経営の健全化が保たれるよう努めていく。