経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は前年度よりも1.47%の減少となった。これは、水道事業の根幹をなす給水収益が,給水件数は増加(956件増加)したにもかかわらず、大口使用者の地下水への転換や事業の撤退により前年度を0.5%下回ったことや、水道事業費用のうち減価償却費が新たな配水場の稼動に伴い前年度を10.8%上回ったこと、配水管等の漏水修繕に係る修繕費が前年度よりも7.2%上回ったことが原因である。このことは、⑤の料金回収率の1.51ポイントの減少や⑥の給水原価の2.94円増加、⑦施設利用率の1.21ポイントの減少の要因にもなっている。また、配水管等の漏水調査や修繕に力を入れたことが、⑧の有収率の1.55ポイントの改善につながった。④企業債残高対給水収益比率は2.49ポイントの減少となった。これは、新配水場の借入がなくなったためで、全国平均よりは下回っているものの、類似団体より高い。
老朽化の状況について
①の有形固定資産減価償却率については、前年度から1.12ポイント増加したものの全国及び類似団体平均よりも低く、③の管路更新率も0.35ポイント減少したものの全国平均及び類似団体平均より高いことから、計画的に施設の更新を行っている。しかしながら、②管路経年化率については3.19ポイント増加しており、昭和50年度頃に敷設した管路が大量に法定耐用年数を超えたことを示している。
全体総括
経常収支については、減価償却費の増加と有収水量の減少が収益に影響し前年を下回った。漏水対策における調査と修繕によって、有収率は前年度から1.55ポイント上回った。企業債の借入額を減らしたが、企業債残高対給水収益比率は類似団体を上回った。更新工事については施設更新計画に基づいておこなっているが、管の経年化の速さに追いついていない状況である。効率的な整備を進めながら、今後も財政基盤の強化を推進していく。