経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については給水件数の増加に伴う有収水量の増加のため前年度より0.98ポイントの増加となった。類似団体及び全国平均に比べると若干下回った。③流動比率については前年度より39.3ポイントの伸びがみられ、類似団体平均の伸びである7.86ポイントよりも大幅に改善した。これは、未払金の減少に伴う流動負債の減少によるものである。④企業債残高対給水収益比率については平成26年度に配水場建設工事のため多額の借入をしたことにより平成25年度より大幅に増加し、平成27年度もほぼ同様の値である。類似団体平均よりも10.45ポイント高いが、全国平均よりは15.17ポイント下回っている。⑤料金回収率については浄水場動力費関連経費の減と長期前受金戻入の増加に伴って給水原価が減少したため、前年度より2.07ポイント増加し、ほぼ全国平均となった。⑥給水原価については前年度より3.9円の減少となった。類似団体平均は0.31円、全国平均では0.49円下がったが、本市の下げ幅はそれよりも大きい。依然として受水費の占める割合が高いため類似団体よりも78.16円高い状態である。⑦施設利用率については前年度より2.51ポイントの減少となった。新配水場の稼動に伴い施設能力が上がったが新規契約者の増にはすぐには結びつかないため、配水量の増加には至らなかった。類似団体平均は0.14ポイント増加、全国平均では0.04ポイント減少した。⑧有収率については、管路の経年化による漏水の影響等により前年度よりも0.98ポイント下がった。類似団体平均との差は6.99ポイント、全国平均においては7.44ポイント下回っている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、前年度よりも0.99ポイント下回った。類似団体においては0.98ポイント、全国平均は0.87ポイントの増加であった。区画整理事業に伴う受贈財産の増加によるものが大きい。②管路経年化率においては、前年度よりも2.08ポイント上回った。耐用年数を迎える管のほうが更新される管よりも多いことによるものである。③管路更新率については前年度よりも0.29ポイント増加したが、これは平成25年度にアセットマネジメントに基づく施設更新計画を策定しそれに基づいて更新をしているためである。類似団体においては0.2ポイント、全国平均では0.07ポイントの増加である。
全体総括
新配水場及び受贈財産の資産増加と廃止した浄水場、それに伴う動力費関係の影響がある。給水原価の減少等によって経常収支比率の増につながった。有収率が微減となったのは管路の経年化率の増加に起因する漏水も原因の一つと思われる。施設更新計画に基づいて更新を進めているため管路更新率は増加しているが、まだまだ追いついていない状況である。区画整理事業に伴う資産の取得等により、有形固定資産減価償却率が減少した。平成26年度に配水場建設工事のための借入に伴い企業債残高が増加し、類似団体の平均よりも高い水準で推移している。効率的な整備を進めるため、今後も財政基盤の強化を推進していく。