経営の健全性・効率性について
平成26年度からの会計制度の改正により算定方法が変更となったため、平成26年度の数値に影響がでている。①経常収支比率において平成26年度は前年度対比6.38ポイントの111.57%であり、黒字を示す100%を維持している。②累積欠損金比率においては欠損金が発生していないため0%を維持している。③流動比率においては平成25年度から240.89ポイント下がり155.47%となったが、これは、制度改正により1年以内に支払う企業債償還金や引当金の計上をすることになったためである。④企業債残高対給水収益比率については前年度対比で43.55ポイントの増加となり類似団体の平均値からみると9.06ポイント多かった。要因は、新規配水場建設工事のための借入によるものである。⑤料金回収率については、100%未満の数値が続いていたが、平成26年度で前年度対比6.3ポイント増加し102.03%となった。これにより給水費用が給水収益で賄えている状態となった。⑥給水原価については、前年度対比で16.02円下回ったものの、類似団体の平均値からみると81.75円上回っている。⑦施設利用率については前年度対比で0.9ポイント下がったものの類似団体の平均値からみると4.84ポイント上回っている。⑧有収率については、管路更新や漏水修理の効果により前年度対比で0.3ポイント上昇し、83.4%となったものの、類似団体の平均値からみると5.96ポイント、全国平均からは6.29ポイント下回っている状況である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は平成25年度まで増加傾向にあったが、平成26年度については、前年度対比で0.66ポイント下がった。受贈による取得で資産の増加があったため、減価償却率が下がったと考えられる。また、類似団体の平均値より1.66ポイント低い。②管路経年化率については、24.99%となり4分の1にあたる資産が耐用年数を超えていることになる。類似団体の平均値と比較すると、12.96ポイント上回っている。③管路更新率については、類似団体の平均値を0.42ポイント上回っているが、現在の更新率では管路全体を更新するのに約85年かかってしまう状況である。
全体総括
本市は新規の区画整理事業や開発事業による人口増により料金収入の維持が見込める状況にある。一方、老朽化に伴って施設更新の更なる推進を図る必要がある。このため水需要動向に留意しながらバランスのとれた効率的で計画的な整備を進めていくことが求められる。また、建設改良に要する財源は自己資金の投入比率を高めて借入金依存度の低減をはかり、財政基盤を強化していく必要がある。