経営の健全性・効率性について
平成22年度から平成26年度にかけて経営状態に大きな変動は見られず健全な状態を維持している。③流動比率が大きく減少(平成25年度864.35%→平成26年度344.03%)しているが、会計制度見直しの影響によるもので、現金預金等の流動資産が減少したものではない。⑥給水原価も会計制度見直しの影響により若干減少し、それに伴い⑤料金回収率も若干上昇しており、全国平均と同様の傾向である。⑦施設利用率(平成26年度65.74%)は平均を上回り施設は有効利用されている一方で、⑧有収率(平成26年度89.73%)が減少傾向にある。有収率は管洗浄等の水質維持のために不可欠な無収水量にも影響される。今後給水人口の減少により給水収益の減少が懸念されるため、維持管理の効率性をより向上させるよう努力しているところである。
老朽化の状況について
本市では創設期、第2期拡張期に布設した管路の更新がほぼ完了しており、有形固定資産減価償却率は全国平均や類似団体平均を若干下回る率で推移している。平成26年度において法定耐用年数を経過した管路は1.76%と全国平均の12.42%、類似団体平均の13.57%からみて非常に低い値となっている。上尾道路関連等新設管布設工事により管路更新率は0.47%と下がっているが、管路経年化率からみると更新が遅れているものではない。
全体総括
本市の水道事業は昭和39年10月に給水を開始してから50年を経過したところである。その間創設期から第5期までの拡張事業を行ったが、今後浄水施設の耐震化や更新、概ね第3期以降に布設した管路の更新等を控えている。また、現在経営状況は健全な状態を維持しているものの、社会的な問題である人口減少や少子高齢化による水需要の減少により今後給水収益の減少が懸念される。平成27年度に上尾市水道事業ビジョン及び施設整備計画を作成中であり、これらに基づいた事業運営を進め、経営基盤強化の強化とともに施設更新を進める必要がある。