経営の健全性・効率性について
①経常収支比率:前年度に比べ0.66ポイント低下した。これは、給水人口の減少等によって給水収益が減少したことや浄水場拡張工事等を行ったことにより減価償却費が増加したことが主な要因である。②累積欠損金比率:累積欠損金が生じている。ただし、平成29年度に料金改定を行ったため、平成29年度決算においては解消される見込みである。③流動比率:前年度に比べ33.35ポイント低下した。施設更新の財源として内部留保資金を活用してきたため、比率は低下傾向にある。ただし、比率が100%を超えているため、短期的な債務に対する支払能力は備えている。④企業債残高対給水収益比率:前年度に比べ7.57ポイント上昇した。これは、当該指標の分子である企業債残高が増加したことや分母である給水収益が減少したことが要因である。⑤料金回収率⑥給水原価:料金回収率は前年度に比べ1.18ポイント低下した。これは、減価償却費の増加により給水原価が前年度に比べ1.56円上昇したことが主な要因である。なお、平成29年度に料金改定を行ったため、平成29年度決算においては料金回収率は改善される見込みである。⑦施設利用率:類似団体平均を上回っており、事業規模に見合った運用ができていると考える。⑧有収率:前年度に比べ0.1ポイント上昇した。管路の更新を計画的に実施していることが要因である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率平成27年度より上昇に転じたが、類似団体平均値及び全国平均値を下回っている。これは、老朽管や経年施設の更新を計画的に行っていることが要因である。②管路経年化率年々上昇傾向にあるが、類似団体平均値及び全国平均値を下回っている。これは、老朽管の更新を計画的に行っていることが要因である。③管路更新率昨年度に比べて0.44ポイント低下したが、類似団体平均値及び全国平均値は上回っている。これは、老朽管の更新を計画的に行っていることが要因である。
全体総括
本市の水道事業は、平成28年度決算において2期連続の赤字となった。これは、収入面においては、給水人口の減少によって有収水量が減少し、給水収益が減少したことが主な要因である。費用面においては、平成18年度の合併を機に施設の統廃合を伴う大規模な施設更新や老朽管の更新を実施してきたことにより、減価償却費が増加したことが主な要因である。ただし、これらの事業については水道水の安定供給のために必要不可欠なものであるため、今後も計画的に実施していく予定である。なお、平成29年度に経営戦略を策定した。今後はこの計画の達成状況について毎年度進捗管理を行い、計画と実績の乖離が著しい場合には、その原因を分析し対策を講じ、経営健全化及び経営基盤の強化を図っていくものとする。