経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、節水社会の進展や給水人口の減少に伴う給水収益(料金収入)の減少(前年度比:△3.91%、△90,990千円)が低下の主たる要因である。③流動比率については、平成26年度決算から適用の会計制度の見直しに伴い、これまで借入資本金として資本に計上してきた企業債などを負債に計上(595,253千円)したため、これにより負債が著しく増加したことで、流動比率が低下した。⑤料金回収率と⑥給水原価についても、会計制度の見直しに伴う固定資産の償却制度の変更により、給水原価に算入される減価償却費相当額が減少(前年度比:△18.17%、△137,402千円)したため、給水原価は低下、料金回収率は上昇となった。⑧有収率については、石綿セメント管などの老朽管からの漏水の増加により、低下(前年度比:△1.26%)したものと考えられる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、前年度比6.77%の増加となり、保有資産の老朽化が進行している状況にある。資産別には、管路に代表される構築物の減価償却率が43.70%、浄水場の根幹を成す機械及び装置の減価償却率が79.06%となっており、全資産の減価償却率が50.33%であることを踏まえると、浄水場設備の老朽化が著しい状況にある。②管路経年化比率、③管路更新率については、管路更新の必要性は認識しつつも、事業費の平準化や財源の確保に配慮し、前年度と同等規模の老朽管の布設替えなどの更新投資を行っており、それぞれ前年度と同様の状況にある。
全体総括
経営の健全性・効率性については、会計制度の見直しによる影響を加味しても、その主要指標が類似団体平均を下回っており、その主たる要因は、節水社会の進展や給水人口の減少に伴う水需要の減少と有収率の停滞にあると考えている。これまでも職員定数の削減や業務の委託化など経営の健全化に取り組んできたところであるが、更に健全化への取組みを強化していく必要がある。老朽化の状況については、浄水場設備の老朽化が著しい状況にあるが、平成27年度から主要浄水場の大規模更新を実施しており、この更新投資により、保有資産の減価償却率は改善される見込みである。一方、管路については、更新投資の平準化や財源の確保などの財政状況を踏まえ、今後も現在と同水準で推移すると考えている。