経営の健全性・効率性について
⑴健全性について経常収支比率は、類似団体平均を下回っているが、100%以上を保っています。また、料金回収率についても100%以上を保っており、これらのことから、経営状況はおおむね健全であるといえます。流動比率は197%を計上しているため短期的な債務に対する支払能力は確保しているといえます。しかし、平成26年度から類似団体平均を大きく下回っていることから、今後は現金及び預金等の確保を図るべく、費用の見直しをする必要があります。⑵効率性について施設利用率は類似団体に比べ高い割合を保つことができていますが、64%の利用となっています。季節によって配水量に差があるため、一概には低いとはいえませんが、今後の人口減少を考慮すると、適切な施設規模での運営となるよう統廃合を実施していく必要があります。有収率はやや改善がみられましたが、未だ低い数値となっており、給水収益につながっていない水量が多量となっています。老朽管の更新だけでなく、毎年度の漏水調査の実施による漏水箇所の対応を行い、有収率の改善を図っていく必要があります。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っていますが、数値は横ばいであることから、今後も施設の更新や管路の更新を継続する必要があります。しかし、更新には多額の投資が必要であるため、人口減少による収益の減少を勘案し、施設の統廃合や費用対効果を考慮して更新していく必要があります。
全体総括
本市の水道事業は、現在は経営の健全性を確保できています。しかし、今後の人口減少による収益の減少を考慮すると、健全かつ効率的な運営を行うために、収益の確保だけでなく、費用の削減、漏水対策の実施による有収率の改善及び施設の統廃合による施設利用率の向上が必要です。また、更新需要も将来的に見込まれていることから、財政収支との整合性を図りながら計画的に投資を行っていく必要があります。